朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
被爆者が自身を晒(さら)して語り継ぐ「絶対悪」の証人として
(三鷹市)山室咲子 (1/22 永田和宏選)
七年の避難生活、借り上げの二間(ふたま)の物の隙間に辛く生く
(いわき市)守岡和之 (2/4 佐佐木幸綱選)
「穏やかな住みたい街」に選ばれぬ伊方のリスク識(し)らぬ人らに
(松山市)宇和上正 (2/12 馬場あき子、佐佐木幸綱選)
新設の「原発」分野震災が無ければ載らぬ原発用語
(高松市)島田章平 (2/12 佐佐木幸綱選)
ヒロシマを訪(と)ひしアイキャンの代表と会ふこともなし日本の首相
(牛久市)伊藤夏江 (2/12 高野公彦選)
袋剥(は)ぎ除染土落とせば土五尺しずみて終(つい)の置場のごとし
(福島市)青木崇郎 (2/19 高野公彦選)
避難せし遠近(おちこち)ゆ来て浪江町の田植踊を久々に舞う
(福島市)青木崇郎 (2/26 馬場あき子選)
捨て雪の山は春には消えてゆく春にも消えぬ核廃棄物
(村上市)鈴木正芳 (3/5 馬場あき子選)
ほんとうに使う気なんだ核兵器を扱いやすい大きさにする
(千葉市)佐々俊男 (3/12 永田和宏選)
小型核開発目指す米国に遠きふるさと長崎想ふ
(鳥取市)石井千代子 (3/12 高野公彦選)
原爆の写真に見入る異邦人「祖父母はアウシュヴィッツで死にました」
(高槻市)梅原三枝子 (3/26 馬場あき子選)
高々と冬の噴水爆心地
(広島市)谷口一好 (1/22 大串章選)
被曝の地春来たれども人は来ず
(横浜市)松永朔風 (3/26 大串章選)
福島を汚染土の山あざ笑ふ
(福島県伊達市)佐藤茂 (3/26 長谷川櫂選)
フクシマの果てなき賽(さい)の河原かな
(いわき市)馬目空 (3/26 長谷川櫂選)
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