放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

鳴子~鬼首の旅2

2011年08月23日 16時01分02秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 翌日、朝起きて大浴場へ行く。
 お湯は、やっぱり熱めだった。
 なんか、わざわざ熱を溜めこみに行っているような気がする。

 その日は、鳴子温泉まで車で下って、そこからは陸羽西線に乗って岩出山の有備館を目指すことにした。

 駐車場から鳴子温泉駅までもそうとうキツいアップダウンが続く。今更ながら灼熱の天日が恨めしい。
 目を開けているのもツライくらいの照りよう。いまこの膨大なエネルギーを日本のために使いきれていない現状を嘆くことしきり。なんで原子力よりもこっちを本気で研究しなかったんだ。

 ひいひい言いながら列車に乗る。すると、「おおーっ、いきなり涼しいー!」
 まるで別世界。
 苛烈な外界から列車に入ると、ちょっと冷房効きすぎじゃないの?と思ってしまう。ところがこれが数分もするとすっかり慣れてしまい、下車する時がなるべく遅くなればいいなと考えてしまう。ワガママな生き物ですわ。

 でも残念ながら、鳴子温泉から有備館前は、そんなに遠くない。
 すぐにブルーシートに被われた有備館の母屋が駅舎の向こうに見えてきた。
 無情にも列車が停まる。
 はぁぁ、このトビラの向こうには、また灼熱のアスファルトが待っているのかぁ・・・。
 意を決してトビラを開ける。そのとたんにまとわりついてくる得体の知れない熱気・・・!
 ハイハイ・・・。わかっちゃいたけど、なんなのこの暑さ?

 まるで陽炎にでもなったような気分(半分ジョーハツしている)でふらふらと駅舎を抜けると、正面に「流しそうめん」の「流し竹」が設置されているのが見えた。
 お、これ何?

 そっちではビールとかかき氷もある。陽炎になっている場合じゃないぞ。
 子供たちはお箸とコップ猪口をもらってさっそく流しそうめんに突撃。
 僕たちはかき氷を口いっぱいに頬張りひたすら噛みまくった。
 おおー、頭がキンキンに痛くなってきたぞ。冷たくて気持ちいいー。気休めだって分ってはいるんだけどね・・・。

 ちょっと元気出たところでいよいよ「有備館」を見学。

 3.11東日本大震災で、有備館の母屋はあえなく倒壊してしまった。
 市民の落胆は如何ばかりのことであろうか。
 なまじ文化財であるために、倒壊した建物を撤去することもできない。折れた柱はおろか、かやぶき屋根のかや一本にさえ規制が掛かっている。しかたなく全体をブルーシートで覆い、修復工事の許可が出るのを待っていたという。

 有備館では修復工事の始まるまでの期間を無料開放とした。母屋がこのように倒壊していては拝観料を取るわけにもいかなかったのだろう。
 それでも庭園は十分に手入れがされていて、竹の樋にはころんころんと清水が流れる。 大樹には緑したたり、足元には楚楚とした花が馨る。
 そして、鏡のような放生池の向こうに有備館が・・・。残念ながら池の向こうには痛々しい姿の母屋が崩れているが、学徒肩を競(なら)べ議を論ずの面影を水面に見たような・・・、あーどーてもいいけど暑ちぃー。
 
 有備館を出て今度は「感覚ミュージアム」を目指す。
 これがまた地獄のような行程でした。
 外気温は35度、でも路面温度は絶対40℃超えていると思う。日陰を縫うようにしてとぼとぼ歩くが、こういうときって、身長の小さい子が一番キツいはず。
 
 ああ、遠い道のり・・・。(つづく)
コメント
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