放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

鳴子~鬼首の旅4

2011年08月24日 14時17分00秒 | Weblog
 予定では、鳴子温泉の温泉神社近くから沸く「瀧の湯」に行こうという話しになっていた。
 温泉神社だけに開運のご利益のあるかなぁと期待しつつ。

 ところがここはけっこう坂道を登る(この灼熱の坂を?)。しかも近くに駐車場がない。
 どんだけ歩くのかはかりかねて、僕が近場にしようと弱音を吐いた。

 「近くって、何処に行くの?」
 やや不承気味にBELAちゃんが訊く。
 「んー、そこの早稲田桟敷の湯はどう?」

 ここは鳴子来たならいっぺん入っておきたいなと思っていた。
 その昔早稲田の学生さんが掘り当てた湯なんだそうな。
 
 なんだか近代的というよりは前衛的な建物のエントランスを入ると両サイドが高くなっていてその上に休憩場がしつらえてある。これ、風通し良いんだか悪いんだか・・・。
 エントランスが行き止まりかと思いきや、そこから階下へと降りてゆく。実はそこが一階なのだ。ここは斜面に出来た建物だから、すべからく中二階からさっきは入館した格好になる。

 お湯ははっきり言ってアツい。
 源泉が滑り台のようなところから流れ落ちてきて、浴槽にまんべんなくゆくわたるように設計されている。湯花がまたずいぶんとデカい。ゴミかと思った。
 天井はその高さを存分に活かした空間に豪快な梁が渡してある。ダイナミックだ。

 湯から上がって上の休憩場に行ってみる。やっぱり風が抜けない。扇風機で一生懸命風を起こしている感じ。身体が冷めるひまがないから熱がこもってきた。ちょいとヤバいかも。


 やっと車にもどる。車の中もアジぃ。70度は行っているんじゃない?
 もう誰が何と言おうとエアコン全開。あー最初は熱風だー。だけどすこしづついい風になってきた。もしかしてここだけが地球上で最後に残された居住空間なのかもしれない。

 せっかく車に戻ったし、鳴子温泉郷をぐるっと一周してみようかという話になった。
 ゆるゆると車を動かす。
 坂道だし道も狭い。おまけに両サイドは側溝で温泉が流れている。これ車サビないかな。

 まずは瀧の湯がある温泉神社方面へ。かなりの勾配です。真夏にはキツいよ。車でよかったー。
 結局車を停めるところが見当たらなくて断念。ここに泊まらないかぎりちょっと難しいかな。  
 仕方なく坂を下り、JR駅からさらに西に向かい、小学校のほうへと登ってゆく。途中、なんだか凄い雰囲気の廃墟ホテル発見。あとできいたらやっぱりそれなりの恐怖スポットだったようで・・・。

 そのまま道を上がってゆくと、温泉神社の裏参道へ出て、さらに上へと道は続いている。
 「潟沼までいってみようか?」
 ぐんぐん坂を上がる。いつのまにか周囲に人家はなく、雑木林の中をひたすら走っていた。
 やがて道はゆるやかな下り坂となり、雑木林のすきまから、目も覚めるようなコバルトブルーの湖が見えてきた。

 湖畔に小さなお店があり、岸には小船も浮かんでいる。

 ここは酸の湖。鳴子のお山が噴火して出来た湖らしい。
 湖面が良く見えるところまで車を進める。蜂に懲りているので窓を開ける気にはなれない。
 よく見ると、湖面にふつふつと何かが揺らいでいるのが見える。魚かとおもったが、やけに規則正しく揺らいでいるので生物ではないと気が付く。きっと今も酸化した鉱泉が湧出しているのだろう。温泉かもしれない。入る気にはなれないけど。

 ここも後日ネットで恐怖スポットとして紹介されていた。たしかに異様な場所ではあったが、それは人の気配がないという意味であって、そのほか特に不気味な感じはしなかったんだけどな・・・。

 そのまま道なりに山を下り、いつのまにか温泉郷へと戻る。そして中山平温泉へ。

 「帰りにまたブルーベリー農園にいってみようか?」
 とBELAちゃん。猛者ですな、君。

 行ってみるとやっぱり昨日と同じように黄色くて速いやつがバチバチとぶつかって来た。
 ダメだこりゃ。帰ろう。

 
 
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鳴子~鬼首の旅3

2011年08月24日 10時55分37秒 | Weblog
 岩出山の町では、誰も歩いている人がいない。
 炎天下で、危険すぎるからだろう。途中の駐車場でスズメがぺったんこになって死んでいた。こんだけ熱けりゃ、いながらにして焼き鳥になっちゃっててもおかしくない。

 僕らもまた陽炎のようになりながら、やっと「感覚ミュージアム」に辿りついた。
 
 灼熱のレンガ道のはての、これまた灼熱の建物。(オズの魔法使いでもいるかしら?)
 まわりには誰もいない。あるのは灼熱のオブジェ。
 これはお空や川の声がきこえる巨大な聴診器? はたまた拡声器?

 面白いんだけど・・・、でも早く館内に入れてぇ~。

 館内にはいってびっくり。人が多い。
 みんな涼しいところに避難していたんだねぇ。
 「感覚ミュージアム」は視覚以外の感覚を刺激したり、わざと自由にならないフクザツな機械で壁にラクガキできたりと、大人でも楽しめる施設。しかも手動の自具が多くて、けっこうエコ。

 ここで、不思議な鉦(かね)を見つけた。
 ハートの形状をしたまっくろいもの。
 手に取ろうとすると、カラーンと鳴った。
 お?と思いひっくりかえそうとすると、またコローン。
 やや小さめの音。まるでどこか遠い過去から聞こえてくるような不思議な感じ。
 実際、音もまるでどこかの古ぼけた柱時計のような音を出す。
 持って振っても思うように音がでないわりに、何かの拍子に突然キリーンと音を出す。

 なんか、いいなぁ。

 気に入ったので、友人とBELAちゃんの分を買った。

 外に出ると、また熱風がもわわぁぁ、と。

 今日はペットボトルを何本空けたことだろう。
 時刻は13時。一番キツい時間。今度は堀川沿いにJR岩出山駅まであるいた。
 なんで車で来なかったんだろう、と一人で後悔。でも子供たちは元気元気。

 ところが、JR岩出山駅について、ホームへ出たとたん、ゴロゴロゴロ・・・。
 お、来るか? と見る間に空から大きな水塊が、叩きつけられるようにビタン!と落ちてきた。
 ビタン、ビタン、ビチビチバチバチザザザァ!
 ものすごいスコール。でもまるでお湯のような雨。これは蒸熱くなるぞ。
 
 列車が来たので、そのまま乗り込む。相変わらず車内は涼しいやね。

 でもJR鳴子温泉駅に着くと、道路は乾いていて雨が降った形跡さえない。
 「夏の雨は馬の背をわける」ってのはよく落語で聞くけどホントだね。あっちで降っていて、こっちはカラッカラってのは、まさに今日のような天気のことじゃないかしら。

 駅から灼けつく坂道を登ったり降りたりして、やっとお団子をゲット。食べてながら、さあ今度はどこの温泉はいろうかという話になる。
 こんだけ灼けるようなのに、まだ熱いところ行くのぉ? まるで苦行だね。
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