放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

核エネルギーを考えよう(4)

2012年06月25日 16時38分09秒 | 東日本大震災
 どうも政治家たちの言葉が信用できない。
 「『原子力は安全です』ということについて、充分に説明を尽くしてきた」

 ソレは「説明」ではなく、宣伝でしょ。
 J×&%に電話しちゃうぞ。

 大飯原発にいたっては、時空を超えた論理で空いた口がふさがらない。

 「大飯原発の安全を確認できた」
 「免震重要棟やベント設備は平成27年までに竣工する」

 出来てもいない設備で確認できた「安全」ってどないやねん?

 なぜ、「安全、安全」といって強引に原発再開を急ぐのか、と思ったら、今度は関西圏の大規模停電のリスクを持ち出してきた。
 そういうリスクがあるんなら、初めっから提示したほうが話は解りやすかったんじゃないだろうか。まあ話の順序を間違えたお陰で、そのリスク計算も胡散臭く見えてくる。
 どうやら、永田町では「フクシマ」は過去の話で、それすら経済性の前には「他人事」に等しいようだ。

 僕たちは「フクシマ」で泣いたけど、世界は「フクシマ」を直視しない日本国民を嘲笑するだろう。

 この延々と続く茶番は、その制作費用と規模と、バカバカしさにおいて、世界最高と言える。
 いずれ「トニー賞」のお誘いが来るんじゃない。

 
 ところで、「停止した原発は安全」なのか?

 たぶん、そんなはずはないだろう。
 原発「停止」とは、発電しなくなった状態を言う。
 決して核分裂が収束したわけではない。当然、放射能も発生し続けている。
 ただ、触媒を引き上げ、核反応がこれ以上起きないようにしてあり、さらに格納容器内部を冷すことにより、かろうじて放射性物質を制御しているのだ。
 ようするに「刺激」を与えないよう、沈静化をはかっているだけ。現在の人間の技術では、これが精一杯。
 
 これはこれで大規模停電でも起きれば(しかも停電対策が取られていなければ)、原発の冷却システムは停まり、格納容器では温度が上昇してゆく。そうすれば容器の圧力隔壁では耐えきれないほど大量の水素や放射性ヨウ素が発生する。
 大規模停電だって、別に大地震が来なくたって、太陽の活動が活発になれば容易に起きるそうな。

 だから、原発は、稼動してしまえば、その後停止していても放射能被害を出す可能性は十分にある。
 原発の停止も稼動も、実はどっちも安全ではないのだ。
 
 大飯原発の「停止」「再稼動」は、安全性の本則には一歩も近づいていない。マスコミがなぜこの問題をあおるのか、なぜ安全性の本則を訴えないのか。これは報道の怠慢だと思う。
 こんなかたちで政府の茶番劇の盛り立て役にさせられるのは不愉快だ。
コメント
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