鳴子のお湯はアツい。
ハンパなくアツい。
秋保の源泉も熱いというが、鳴子のお湯はそんなものではない。
夏の盛り、暦でいうところの「大暑」。
標高が高くても暑いものは暑い。外気温計は35度とかいっている。
この旅では最初っから涼をもとめていなかった。
ガンガン暑いところを歩きまわり、ひたすら熱い湯につかる。
これを三日間繰り返す。
どんなもんだい。
そうしなければ、子供たちの願望を叶えられないのだから仕方がない。
初日、午前中は普通に勤務して、午後から荷物をまとめて放菴を出発。
明るいうちに鳴子の奥にある「中山平温泉」到着。
チェックインをしてから、近くにブルーベリー農園があると聞き、日が落ちないうちに行ってみることにした。
坂道をのぼり、細い農道(らしき道)を行き、国道に出て、また農道に入り、踏み切り越えて、橋を渡って、隣のに入り、さらにそこを通り越して、農道をえんえんと走る。
車とはいえ、けっこう遠いぞ。
やがて見えてきた農園らしきところ。ああ、これだこれだ。
そのとき、何かが窓ガラスにゴツンとぶつかってきた。
お、なんの虫だ?
速すぎてよくわからない。
ゴツン。
また来た。なにかが周囲を飛び回っている。アブにしてはデカくない?
子供たちにドアを開けないように指示。もしかしてこれは・・・。
サイドミラーになにかがとまった。
その瞬間、不安が現実であることに気が付いた。
「キイロスズメバチだ!」
おおよそ20~30匹のキイロスズメバチ。それがいっせいに車のまわりをブンブン飛び回り、メチャクチャになってこっちにぶつかってくる。
なんでーっ、なんでこんなことになっちゃうのー!
みんなよっぽど虫の居所が悪いらしい。それともこっちの居た所が悪かったのか・・・。
・・・やむなく引き返すことにした。
農道なのでスピードを出すわけにはいかないが、それでもコイツラ振り切らないと2キロくらいは平気で追いかけてくる。ガタガタ道を40~50キロくらいで退却した。
にもどり、橋を渡って、線路も渡って、国道に出た。そこで公衆浴場を発見。
スズメバチには凹んだけど、温泉入って気持ちよくなろう!
というわけで、旅の始まりは温泉からスタートした。
すこしふにゃふにゃになってお宿に戻る。
ロビーで、やけに視線を感じる。
見渡すと、ソファーに座っている人々がいっせいにこちらを見ている。
ああ、そうか。
中山平のお宿には東日本大震災の被災者が多く止宿している。
みんな家を流され、家族を流されたひとたち。そんな人たちを、避難所ではなく、もっと環境の良いところで受け入れようと、中山平温泉が手を挙げたという。
いま僕たちを眺めている人々がきっとそうなのだろう。
ようするに、先客さんが僕たちを「被災者でもボラさんでもなさそうだけど、何者だべ?」と訝(いぶか)っているのだ。ここは温の里であるが、同時に疎開地でもあるのだ。
以前、ここのお宿にコーヒーの提供を申し出たことがある。
ここはロビーでみんなにコーヒーを振舞っており、そのカウンターには励ましのメッセージがいっぱい書かれたタペストリーが飾られている。そのことが地元の新聞「河北新報」に掲載された。
記事を読んで、せめておいしいコーヒーでリラックスしてほしい、と思った。
しかし申し出はやんわりと断られた。
いささかブシツケだったか・・・。苦笑しつつも僕の関心はそこで途切れた。
しかしBELAちゃんは、一度ここに来てコーヒーを飲みたい、という願いをもっていた。
そしてそれを温泉三昧プランの軸にした。
だから、いまここで僕たちが浴びている多くの視線も、当然の結果といってよい。
その夜も、家族風呂で一浴して、子供たちはさらに奥の露天風呂へと繰り出した。
熱いのによくやるねぇ・・・。
ハンパなくアツい。
秋保の源泉も熱いというが、鳴子のお湯はそんなものではない。
夏の盛り、暦でいうところの「大暑」。
標高が高くても暑いものは暑い。外気温計は35度とかいっている。
この旅では最初っから涼をもとめていなかった。
ガンガン暑いところを歩きまわり、ひたすら熱い湯につかる。
これを三日間繰り返す。
どんなもんだい。
そうしなければ、子供たちの願望を叶えられないのだから仕方がない。
初日、午前中は普通に勤務して、午後から荷物をまとめて放菴を出発。
明るいうちに鳴子の奥にある「中山平温泉」到着。
チェックインをしてから、近くにブルーベリー農園があると聞き、日が落ちないうちに行ってみることにした。
坂道をのぼり、細い農道(らしき道)を行き、国道に出て、また農道に入り、踏み切り越えて、橋を渡って、隣のに入り、さらにそこを通り越して、農道をえんえんと走る。
車とはいえ、けっこう遠いぞ。
やがて見えてきた農園らしきところ。ああ、これだこれだ。
そのとき、何かが窓ガラスにゴツンとぶつかってきた。
お、なんの虫だ?
速すぎてよくわからない。
ゴツン。
また来た。なにかが周囲を飛び回っている。アブにしてはデカくない?
子供たちにドアを開けないように指示。もしかしてこれは・・・。
サイドミラーになにかがとまった。
その瞬間、不安が現実であることに気が付いた。
「キイロスズメバチだ!」
おおよそ20~30匹のキイロスズメバチ。それがいっせいに車のまわりをブンブン飛び回り、メチャクチャになってこっちにぶつかってくる。
なんでーっ、なんでこんなことになっちゃうのー!
みんなよっぽど虫の居所が悪いらしい。それともこっちの居た所が悪かったのか・・・。
・・・やむなく引き返すことにした。
農道なのでスピードを出すわけにはいかないが、それでもコイツラ振り切らないと2キロくらいは平気で追いかけてくる。ガタガタ道を40~50キロくらいで退却した。
にもどり、橋を渡って、線路も渡って、国道に出た。そこで公衆浴場を発見。
スズメバチには凹んだけど、温泉入って気持ちよくなろう!
というわけで、旅の始まりは温泉からスタートした。
すこしふにゃふにゃになってお宿に戻る。
ロビーで、やけに視線を感じる。
見渡すと、ソファーに座っている人々がいっせいにこちらを見ている。
ああ、そうか。
中山平のお宿には東日本大震災の被災者が多く止宿している。
みんな家を流され、家族を流されたひとたち。そんな人たちを、避難所ではなく、もっと環境の良いところで受け入れようと、中山平温泉が手を挙げたという。
いま僕たちを眺めている人々がきっとそうなのだろう。
ようするに、先客さんが僕たちを「被災者でもボラさんでもなさそうだけど、何者だべ?」と訝(いぶか)っているのだ。ここは温の里であるが、同時に疎開地でもあるのだ。
以前、ここのお宿にコーヒーの提供を申し出たことがある。
ここはロビーでみんなにコーヒーを振舞っており、そのカウンターには励ましのメッセージがいっぱい書かれたタペストリーが飾られている。そのことが地元の新聞「河北新報」に掲載された。
記事を読んで、せめておいしいコーヒーでリラックスしてほしい、と思った。
しかし申し出はやんわりと断られた。
いささかブシツケだったか・・・。苦笑しつつも僕の関心はそこで途切れた。
しかしBELAちゃんは、一度ここに来てコーヒーを飲みたい、という願いをもっていた。
そしてそれを温泉三昧プランの軸にした。
だから、いまここで僕たちが浴びている多くの視線も、当然の結果といってよい。
その夜も、家族風呂で一浴して、子供たちはさらに奥の露天風呂へと繰り出した。
熱いのによくやるねぇ・・・。
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