放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

日蝕

2012年05月21日 12時44分25秒 | Weblog
「日蝕」
この字はすざまじいね。「お日様を蝕(むしば)む」って書くんだね。

昔の宿耀術では不吉な日とされたけど、今日はまるで天文ショーという乗りだったっけ。

このまえ仙台市天文台でプラネタリウム上映「黒い太陽」を次男坊と一緒に観た。
(どっかで似たようなタイトルのドラマがあったような・・・)
テーマはもちろん皆既日食。
プラネタリウム専用のカメラで2009年の皆既日食(於:宮古島)を撮影していたんだね。
これがまたすんげーリアル。
風がそよぐ草原にみんなで寝転んで観測している感じ。

日食が始まった瞬間、なんだか鳥が啼きだし、風がさわぐ。
皆既日食の瞬間が近づくと、空はいっそう冥くなり、みんなで息を詰めている緊張感がこちらの身体をも縛りつける。

やがて金環日食。
金色のフレアがよく見える。その中心に、真っ黒い塊がまるで光を喰う穴のようにボコっとあいているように見える。

しかしその塊はだんだん中心からずれてゆき、次の瞬間、塊のフチから強い光がほとばしる。
まるで死者が復活してゆくよう。

草原全体に歓声が上がる。
その声に応じるように草原はいっそう明るくなってゆく。

いやぁ・・・。スゴイもん観ちゃったなぁ。(ってプラネタリウムなんだけどね)

「黒い太陽」を観たあとの次男坊がポツリと一言。
「あんな怖いの、起こらなければいいなぁ。」

ありゃ、ヘタレですか?


そんでもって今日。2012年5月21日午前7時20分頃。仙台の上空はよく晴れています。

けれどやっぱり日蝕がはじまると雲もないのに空がどんよりとしてくる。
日蝕を知らなければ、どうにも説明がつかない現象。
へえええ、これは面白い体験だ。

子供たちも朝ごはんそっちのけで代わる代わる外に飛び出して空を眺めている。
(あ、日食観察グラスは売り切れだったので、直接太陽を見ないように言っていました)

空が薄暗い状況はしばらく続いた。
僕も出勤間際に空を見上げた。

並んで建つ建物の屋根と屋根の間からちょうど太陽が見えた。

一瞬、だけど直視してしまった。
ぎらり、と強い光が網膜に焼きついた。
青いとも白いともいえないような影が幽霊のように視界にはりついて消えない。

だけど、見た。
まるで太陽がべっこりと凹んでるような影が・・・。
きっと空気の抜けたバレーボールにパンチするとあんな影になるかもしれない。

網膜に焼きついた幽霊もよくよく検めると、やはり凹んだ光のシルエットだった。
暫くのあいだ、この幽霊は視界から消えてくれなかった。よい子のみなさんは真似をしてはいけませんよ。

このごろ視力が衰えている。眼球が老いているのがわかる。
ピントが合わせずらい。眼球の中に異物が浮いている。
眼球が縮んできているのだ。



職場に着くと、数人でなにかビニールのようなものを上にかざして見上げている。

聞けばお菓子のビニール包装のなるべく色の濃い部分で日蝕を見ているという。

ああ、やっぱりね。
そういうヤツ必ず出てくるよね。
僕も小学校の頃、半透明の下敷きにスミ塗って部分日食を見た記憶がある。
あれは、杉並区堀ノ内の環七にかかる陸橋の上だった。

光化学スモッグもかかっていたからとても見易かったっけ。


くれぐれも、現代のお子ちゃまはマネしないでね。



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