退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#1541: ヤングケアラー

2021-02-06 05:49:53 | アメリカ便り

風が強く非常に冷たいこの2,3日。

空は快晴なんですが。

昨日たまたま見かけた動画について考えさせるものがあったのでちょっとお伝えします。

人さまざまなんで、別に私に賛同してもらいたくて書くわけではないので。

昨日見た動画と言うのは、ある家族のことです。

夫婦は両方とも重度の脳性麻痺を患っています。

奥さんの方は四肢はまるっきり使えず、電動車いすの操作も口にコントローラーを加えてやらなければいけない。

座ることができないから家の中では床の上に寝ていることしかできない。

脳の機能は一般人の生活を送るぐらいは発達しているから話すことはできるが、聞く身としてはなれないと理解するには苦労する。

字を習いたいと言うことで夜間中学に行き始めた。

ご主人は左手がある程度使えるがそのほかの手足は動かせない、何とか自分で家の中を動き回ったり車いすに乗ったりできる。

奥さんと違って座ることもできる。

更には自分でタイプをして文書を書くことができ、奥さんとは違う中学校にも通っている。

この夫婦の望みは❝普通に暮らすこと❞だそうで、そのために両親に反対されながらも結婚したそうな。

そしてさらには❝普通に暮らすこと❞のために子供を作ったのである。

私の見た時点で男の子は6歳になっていた。

子供は生まれたけど、もちろん世話が何もできないから生まれたその時からすべて他人の世話になるしかならない。

生活保護と身障者手当で公団住宅に住み、寝ているとき以外は朝早くから夜寝るまでボランティアーとか介護士がチームとなりほぼすべての世話をしている。

関係ないけど、私は、❝わー、日本って生き届いているね、アメリカじゃありえないことですよ❞、と思いました。

そしてここから私の感想です。

❝普通の生活❞の定義とは何ぞや。

私は❝普通の生活❞とは人それぞれ、その定義が違うと思う。

食うものに事欠くような貧しい家にとっては、毎日1食でもいいから腹いっぱいご飯を食べることが夢に描いた普通の生活なんだろうし、毎日が銃弾飛び交うようなイラクのような国に住む人たちにとっては、銃に撃たれる心配なく、屋根の下で寝ることができると言うことが夢に描いた普通の生活なんだし、DVで毎日親兄弟から暴力を振るわれけがが絶えない子供たちにとっては暴力を振るわれることなく、おびえることなく暮らすことがこれまた夢に家がいた普通の生活なのであると思う。

ちなみにアル中に近い親父を持った私としての:❝普通の生活❞とは、夜中2時3時にたたき起こされることなく、そして酔っぱらって帰ってきた親父をなだめすかして何とか寝かしつけることを考えなくても良いことである。

更に料理掃除が嫌いな母親に育てられた私にとっては、美味しい手料理を食べ掃除された家の中で暮らすことが夢に絵がいた普通の生活でした。

私がまず、この夫婦に対して❝おかしい❞と思ったのは子供を産んだことに対してである。

身障者同士が結婚することに対し、私は素直に祝福できる、と言うのも当事者同士だから。

苦も楽も結婚を選んだ二人だけの問題である。

しかし、親(母親が強く望んだと思う)の望み(私はあえて身勝手と言わせてもらう)で子供を産んだと言うことに対して私はいきどおりを感じるのである。

この親、生まれる子供のこと、そして重度身障者の親をもって子供が生きると言うことを、子供の身になって考えたことがあるんかいな、と思いました。

子供は選択してこの世に、そしてこの環境に、そしてこの親に生まれてきたのではない。

だから親にはそれだけ、子供を産むと言うことに責任があると思う。

重度身障者か健康者かにかかわらず、❝普通の生活がしたい❞と望む親の身勝手さで子供を産んでいいものだろうか。

更にこの動画の後、私はヤングケアラーと言う動画も偶然見てしまった。

名前の通り、祖父母親兄弟のケアーを任される子供たち(19歳以下)のことである。

大阪府では5000人の高校生を対象にアンケートを取ったところ、20人に1人がこのヤングケアラーであったそうです。

必然的にこの子たちは学校に行かなくなったり、人とのかかわり方にも問題が生じてきたりするため、将来に不安が出てくる。

動画で紹介していたある50歳近い男の人は小さい時から心臓の悪い母親を介護していたそうで、母親が亡くなった今、社会との関係に問題がある中、何とか暮らしていこうとしています。

親の姿を見て子供は学ぶ、と言ってしまえばそれまでだけど、これからも将来もずーと❝ヤングケアラー❞として生きなければいけないと言う宿命を、親の❝普通の生活がしたい❞と言う身勝手な気持ちで子供に課していいものなのであろうか。

私は❝謙虚、感謝、思いやり❞と言う3つを人生の3大要素としているが、こういうことを言っては❝健常者が何を言うんかい❞と、たたかれるかもしれないが、今回紹介した重度身障者はこの3つどれも持っていないと思った。

私はこの夫婦、特に奥さんの人間性が気になった。

私は気が弱いので(誰も信じませんが本当です)反対意見がある人は、ただ心にとめておいてください。

ハブグレジュンタのマミー