今、パブリックTVで毎週火曜日夜9時から放映されている、"フロントライン”と言う番組を、見終わったところです。
毎回興味深い内容のものを盛りだくさん見せてくれます。
この“フロントライン”が終わると、10時からは、“グローブトラッカー”と言ってアメリカ版“兼高かおる世界の旅”が始まります。
今日の題名“スーパーバッグ”はどんな抗生物質も効かないバクテリアのことを示します。
主にグラムネガティブの桿菌を表します。
ここで、グラムネガティブと言っても知らない人達がいると思うので、簡単に説明します。
細菌は、グラム染色によって染まるか染まらないか(この違いは細菌の細胞壁の構成の違いによります)、そして、形が丸いか、細長いかの違いによって大きく分けられます。
このスーパーバッグ、2009年にニューデリで、感染した北欧人から始めて発見されたそうです。
細菌は、普通抗生物質に対する耐性を、その抗生物質を何らかの形で不活化することによって獲得します。
スーパーバッグとは、あらゆる(に近い)抗生物質を不活化する酵素(ニューデリベータラクタメース)を、作り出す遺伝子(NMD-1)を持っている細菌のことを表します。
ちょっと、こんがらかったかしら。
ちなみに。このベータラクタメース遺伝子は、バイオテクノロジーでは不可欠なマーカーですが。
そして、このNDM-1と言う遺伝子が、細菌から細菌へと渡り歩いて、抗生物質に感受性を持っていた細菌を耐性菌に変えていくそうです。
この現象、どの場所でも起こりるので、市中感染が最も心配です。
そして、更なる問題はスーパーバッグに有効な薬の開発が滞っていることです。
この最大の理由は、製薬会社が、儲けの少ない抗生物質の開発に予算を使いたくないからだそうです。
抗生物質は、最短日数の使用が原則です。
と言うことは、一生飲み続けなければならない高血圧の薬とか、コレステロールの薬を開発したほうが、製薬会社にとっては、遥かに儲けが大きいのです。
なんせ、一つの薬を開発から、市場に出すまで、10億ドルの費用がかかるといわれているので。
それだったら、国がさっさとやればよいと思うんですが。
最近になってようやく、始めたそうです。
子供達が小さい時は、黄色い鼻水が出てきたら抗生物質、耳が痛いと言ったら抗生物質、咽が痛いと言ったら抗生物質と言った具合によく抗生物質の世話になりました。
私の子供の小児科医は、本当に頻繁に抗生物質を処方しました。
それも、こちらでは、10日間が通常必要日数でした。
私も当時から、こんなことが起きると思っていました。
と言うのも私が働いていた実験室では、耐性菌を使用していたからです。
ペニシリンを発見した アレキサンダー フレミングが1945年に、このようなことが起きることを心配して、“抗生物質の用心深い使用”を提言していたそうです。
今日は、微生物学101とでもいいましょうか。
ハブグレのマミー
毎回興味深い内容のものを盛りだくさん見せてくれます。
この“フロントライン”が終わると、10時からは、“グローブトラッカー”と言ってアメリカ版“兼高かおる世界の旅”が始まります。
今日の題名“スーパーバッグ”はどんな抗生物質も効かないバクテリアのことを示します。
主にグラムネガティブの桿菌を表します。
ここで、グラムネガティブと言っても知らない人達がいると思うので、簡単に説明します。
細菌は、グラム染色によって染まるか染まらないか(この違いは細菌の細胞壁の構成の違いによります)、そして、形が丸いか、細長いかの違いによって大きく分けられます。
このスーパーバッグ、2009年にニューデリで、感染した北欧人から始めて発見されたそうです。
細菌は、普通抗生物質に対する耐性を、その抗生物質を何らかの形で不活化することによって獲得します。
スーパーバッグとは、あらゆる(に近い)抗生物質を不活化する酵素(ニューデリベータラクタメース)を、作り出す遺伝子(NMD-1)を持っている細菌のことを表します。
ちょっと、こんがらかったかしら。
ちなみに。このベータラクタメース遺伝子は、バイオテクノロジーでは不可欠なマーカーですが。
そして、このNDM-1と言う遺伝子が、細菌から細菌へと渡り歩いて、抗生物質に感受性を持っていた細菌を耐性菌に変えていくそうです。
この現象、どの場所でも起こりるので、市中感染が最も心配です。
そして、更なる問題はスーパーバッグに有効な薬の開発が滞っていることです。
この最大の理由は、製薬会社が、儲けの少ない抗生物質の開発に予算を使いたくないからだそうです。
抗生物質は、最短日数の使用が原則です。
と言うことは、一生飲み続けなければならない高血圧の薬とか、コレステロールの薬を開発したほうが、製薬会社にとっては、遥かに儲けが大きいのです。
なんせ、一つの薬を開発から、市場に出すまで、10億ドルの費用がかかるといわれているので。
それだったら、国がさっさとやればよいと思うんですが。
最近になってようやく、始めたそうです。
子供達が小さい時は、黄色い鼻水が出てきたら抗生物質、耳が痛いと言ったら抗生物質、咽が痛いと言ったら抗生物質と言った具合によく抗生物質の世話になりました。
私の子供の小児科医は、本当に頻繁に抗生物質を処方しました。
それも、こちらでは、10日間が通常必要日数でした。
私も当時から、こんなことが起きると思っていました。
と言うのも私が働いていた実験室では、耐性菌を使用していたからです。
ペニシリンを発見した アレキサンダー フレミングが1945年に、このようなことが起きることを心配して、“抗生物質の用心深い使用”を提言していたそうです。
今日は、微生物学101とでもいいましょうか。
ハブグレのマミー