春の山菜採りの喜びにも、いろいろある。
長い冬を越えて顔を出し、春が来たことを教えてくれる山菜たち。この子たちには、出会えただけでも喜びに満たされる。しかも、少しずつ時期と場所とをずらしながら、季節の進み具合と、季節の広がり具合とを体感できるのだから、ますます嬉しい。雪国の山形にも、とうとう春がやってきたのか、という感動から始まり、徐々に海抜を上げながら、春の色彩が広がっていく自然の変化に浸れることは、至高の喜びと言ってよいだろう。自然の中に包まれて暮らしている幸せを感じずにはいられない。
そしてですなあ、欲タガリには、おまけがついてくるわけですよ。それは、この春の恵みを、順繰りに味わって楽しめるということ。
先ずは何と言っても、こちら。
フキノトウ
何てったって春の使者です。淡い黄緑色をした姿は、『春が来たよ』という気持ちと、『冬を越したぞ』という気持ちの両方を体現しているように感じます。
ご存じのように、キク科独特の強い香りと言うか味わいを楽しませてもらいます。同じキク科でも、種ごとに味わいが違います。
シドケと
クワダイです
それぞれに独特の味わいが、ファンを虜にしてしまいます。
こちら様も、絶対に外せない山菜です
葉茎の旨さはもちろんですが
根の美味しさは無双です(春以外にも採れるけどね)
そして、香りと言ったら、
アサツキでしょう
味はもちろんなんですが
これほど春の香りを振りまいてくれる山菜は、他にないと思います。
こうして並べてみると、いろいろありますね。もちろん、ここに紹介していない山菜たちも、それぞれが独特の香りと味わいとを備えているので、収穫するたびに、視覚だけでなく、味覚と嗅覚で春を満喫するわけなんですね。ありがたいことです。
で、やっと主役の登場です。
春の香りを楽しむ山菜は数々あれど、今回連れてきた子も、病みつきになる旨さを備えているんですよ。
その名も、
ウド!!
煮ても揚げても炒めても美味しい山菜です。しかし、その真骨頂は、ウド独特の香りとジューシーな味わいです。今回の収穫は、ごく少なかったんだけど、まずは、生で味わわなくてはなるまい。
味噌味のお刺身です
ちょっと皮を剥いたら、お好みの量だけ味噌をつけてガブリ!
クワァッ、うめえ!
堪らんのだなあ、この味わいが。ジューシーなエキスと共に、爽やかな春の味が広がります。
これは、同時に、春の山菜も後半戦が近づいてきていることを実感させられる味です。
さあ、後半戦も楽しませてもらいますよ!
山の神様、また、よろしくお願いいたします。