本日は、A氏、M氏と一緒にキノコ採り。
キノコ山には、まだ入山できないので、A氏のホームグラウンドと言ってよいK川に入る。
「この前見たときに、採ろうかどうか迷うぐらいだったんだけど、今日はいいんじゃないかな。」
我々が、『一丁目一番地』と名付けている倒木に、サワモダシ(ナラタケ)が出始まったと言う。
「誰からも採られていなければいいんだけど。」
淵毎にイワナがペアを作り始めた小沢に沿って遡る。イワナの遡上とペアリングを初めて見るM氏は、
「イワナは、ちゃんと季節が分かってるんだねえ。」
感動しながら、淵を見つめている。我々も遡上だ。
遡ること30分余り、『一丁目一番地』に辿りつく。
遠目にも、木肌とは違う色の物が並んでいるのが見える。
おおっ、出てますよ
食べ頃のサワモダシ
A氏の読みがピタリと当たったようです。
胞子が落ちる前のベストタイミングです
ここは3人で、上中下と手分けしてキノコ採り。
「いやあ、いいところに当たった!」
「この前のブナカノコもいがったけど、今回も凄い!」
「俺、この辺から採るよ。下の方、任せた。」
キノコ採りに夢中になって音を出すのを忘れてしまい、クマと遭遇して怪我。そんな情報も聞こえてくるが、3人いれば声が弾んで、自ずと賑やかになる。多分、クマに関しては大丈夫だろう。もう一つ心配なのが、スズメバチなのだが、どういう訳か、今年は、一度も遭遇していない。これも、異常気象の影響によるものなのだろうか。
さて、十分満足したのですが、A氏が隣の沢でナメコの出始めを見たと言うので覗きに行く。
いつ訪れても豊かな森です
それは、『美しい』ということ
M氏が採っているのは
ムキタケです
「お~い、これ、鑑定してけろ。」
「どれどれ?あ、これダメ。ツキヨタケだ。」
「んだが。旨そうで騙されっずねえ。」
ツキヨタケは、時としてムキタケと並んで生えていたりするから、喜んで持ち帰ってしまうというのも、分からないではない。何と言っても、形がそっくりだからねえ。慣れてしまえば、一目でわかるんだけど、なんて、過信は禁物ですね。
さて、A氏が見つけたというナメコの出始め。
持ち帰るにはちょっと
小さめなんだけど
マタギにとっては、今シーズンの初物なので、戴くことにしました。
はい、堪能させていただきました。十分満足です。
葉を落とし少し見通しがよくなってきた森を後にする
山の神様、今回もありがとうございました。A氏からの情報提供も、前回同様完璧でした。
もう思い残すことはない。
そう思ったのに・・・
ムキタケ(超高品質)
クリタケ(同上)
ナメコ(唖然)
帰り道の、とある場所で見つけてしまった。呆れつつも収穫させていただきました(ナメコには手が届かなかったけど)。
思うに、ナラ枯れによる浸食が、標高の高いところまで範囲を広げつつあるということです。ナラ枯れから何年か経った木からは、こんな奇跡のようなキノコが生えてくるんですね。
一応念のため。
以前にも書いた気がするけれど、この原因は、『温暖化』ではありません。『人の生活スタイルが変化した』ためのようです。超簡単に言うと、「おじいさんが芝刈りに行かなくなったので、虫の入りやすいナラの木が増えてしまったのじゃ」ということらしいです。
この先、山がどうなっていくかは、少々不安ですが、当面、この山の恵みを戴かない手はない。
思いがけない収穫だったけど、3人で山分けして帰りましたとさ。
めでたしめでたし。
「さっきまでの苦労は何だったんだ。」
と言いながらも、奥山には、また入り込むことでしょう。だって、美しいんだもの。空気も水も澄んでいるんだもの。
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