山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

欲タガリを誘う春の山

2023年03月26日 | 山菜採り

 3月とは思えないような陽気に誘われて、足を踏み出してしまった。

 このところ、北国山形でも20℃を超えるような陽気が続いている。最上川河川敷のフキノトウが出始めたことも分かった。

 だったら、恒例の『山菜、聖地巡礼』。本番とまではいかないだろうけど、状況視察ぐらいは、やっておいた方がいいのではないか。そんな気持ちがフツフツと沸き上がってきた。

 こうなると、欲タガリの妄想は止まらなくなってしまうんですね。

 まあ、フキノトウは当然出ているはず。恐らく、アサツキも芽を出し始めているよね。そして、雪の重さと冷たさに耐えてきたワサビも花芽を伸ばし始めるんじゃないかな。あわよくばタラの芽をって、これは無理か。でも、どのくらい成長しているか見届けておく必要はあるよね。

 はい、決定。明日は、今年初の『聖地巡礼』に出かけることにしましょう。最初の巡礼地は、N川流域ね。

 だが、待てよ。例年、N川に巡礼しているのは、マタギとA氏・T氏。出かける前に連絡入れておかなくていいかなあ。

 明日の話なので、T氏との連絡調整は無理。A氏はどうだろうか。電話をかけて聞いてみると、同行OKだって。心強いかぎりだ。連絡とってみてよかった。

 そして、翌朝。峠を越えてドライブ。夜明けの時刻にN川に着いたが、ところどころに雪が残っている。まあ、この時期なら仕方なかろう。しかし、

       雪が消えたところにはキクザキイチゲ

 春の神様は、間違いなくここにいますね。

 ちょっと進むと、

       ヤマニンジンに

       フキノトウ

 少し伸び始めています。

       可愛い子もいますよ

 しかし、一番の群生地に行くと、

       掘りつくされた後

 ライバルが出現したようです。

 これは、人間じゃないね。

       このブルドーザーのような跡

多分、間違いないでしょう。イノシシの仕業です。

 まあ、彼らも生きるために必死なのだろうから仕方あるまい。残り物を戴くことにしましょう。

 さて、ほかの山菜はどうかな?

       ワサビは起き出したばかり

       タラノメも同様

「下流見てみっぺ。」

「うん。」

       朝日が当たり始めた沢を一旦戻る

       ショウジョウバカマを見つける

 A氏は、こういう自然の美にも目と心が届く。見習わなければならない。

 車に戻って、下流の採り場へ。

       タラノメが色づき始めている

       おおっ、カタクリ

「違うものだねえ。」

「全然違うよ。」

そんな言葉を交わしながら、目的地へ。

       ワサビが咲いている

 やっぱり違う。地図で確認すると、海抜は20mほどしか違わないのだが、春が一段階前に進んでいる。ここで、初物を少々いただいていきましょう。

       ワサビと

       アサツキを

 少しだけ戴きました。

       ネコヤナギが咲く河川敷で山菜洗い

 『聖地巡礼』、初回としては、十分です。春のN川は、マタギたちの心をしっかりと満たしてくれました。

 山の神様、季節の神様、ありがとうございました。

 今年もよろしくお願いいたします。


山菜料理でお勉強

2023年03月25日 | 山菜料理

 赤コゴミは非常に優秀な山菜である。何と言っても美味しい。それだけで十分に一級品なのだが、ゼンマイと同じように何年でも長期保存ができる上に、『戻す』手間も簡単。極めてありがたい山菜だ。

 で、ここまで戴いてきた赤コゴミの常備菜がなくなったので、次の分を作ることにした。前回から1週間ほどしか経っていないんだけど、人気料理だから仕方がないか。それに、次の収穫も近いからね。どんどん作りましょう!

 乾燥保存なので、戻し方はいつも通り。水に暫く浸けてから加熱。沸騰したら火を消して冷めるのを待つ。一度水を入れ替えたら出来上がり(やっぱり簡単だ)。

       400g強ありました

 いつもの炒め煮で十分美味しいのだけれど、たまには目先を変えてみようかな。でも、やっぱり定番料理は捨てがたいので、半分に分けて、2種類作ってみることにした。

 まずはいつものやつ。

 ・切ったり茹でたり湯がいたりして材料準備

 ・サラダ油で炒めて

 ・調味料追加(赤コゴミ00g強に、酒醤油みりん各大さじね)

 ・水分があらかた飛んだらできあがり(やっぱり簡単だ)

 次です。

 作るのは、≪赤コゴミの中華炒め≫

 冷蔵庫に青梗菜が残っていたので思いつきました。まあ、今回も行き当たりばったりになりそうだけど、とりあえずやってみましょう。

 下ごしらえの部

 ・春雨25gを半分に切って2分間茹でました

 ・ニンジンは千切り、青梗菜は根元を拍子木切り、葉っぱは適当に切り分けました

 ・乾燥南蛮1本を輪切りにして加えることにしました(これが効いた!)

 ・ごま油大さじ1を火にかけ、青梗菜を炒めたら

 ・ほかの食材も加えて、油が回ったら赤コゴミも加えました

 ここで味付け。

 ・中華出汁小さじ2に醤油小さじ1、塩一つまみを加えて混ぜたら、最後にオイスターソース大さじ1を加えてできあがり

 ※オイスターソースを焦げ付かせたくない(味が落ちる)

       いかにも中華炒めという感じ

 食べてみると、なかなか美味しいんだけど、辛味が強すぎだろうか。乾燥南蛮の威力が強力すぎたかもしれない。

 まあ、酒のつまみや、ご飯が進む食材としては花丸ですけどね。肝心の赤コゴミの味が、ちょっと陰に隠れてしまったような・・・。

       本日の作品群

 本格的な山菜シーズンまでのつなぎの食材としては、丁度いいんじゃないかな。しばらく、食卓やお弁当で使わせていただきたいと思います。

 それにしても、乾燥南蛮の威力の大きさをあらためて実感させられました。

 次回作るときには、辛さ控えめに。その辺を忘れないように記録を残しておくことにします・・・。

 

 ・・・ところが、一夜明けた本日、馴染んですごく美味しくなってる。この割合のままでいいかも!

 『料理は一日にしてならず』って、意味が違うか。

 でも、すごく勉強になりました。

 やっぱり、いろいろと試してみるものだね。新たな気づきと喜びが広がってくる。

 赤コゴミさん、ありがとうね。


ま、いいか。カレーパン

2023年03月24日 | 日記とレシピ

 この日記を読んでいる方の中に、同じ経験をしたことのある方は、いるだろうか。

 今、マタギは、迷いの森を彷徨った結果、決して足の届くことのない沼に引き込まれようとしています。その沼とは、

 『なんで始めたのか、思い出せない沼』

 朝早く目覚めてしまい、眠れなかったので、ラジオを聴きながら、まったりと過ごしていたんです。で、ラジオ体操の時間が来たので、一通り身体を動かした。

 ここまでは、別に異常ではないんですけど、運動が終わったら、

「材料を買い出しに行かねば!スーパーはまだでも、コンビニでも買えるはず。」

みたいな気持ちになって、買い出しに出かけてしまいました。

 で、買ってきたのがプレーンヨーグルト。何のためかというと、カレーパンを作るため。

 確かに、カレーパンのレシピの中に、プレーンヨーグルトを使うものはあるし、それを検索したのは自分です。

でも・・・、

 分かんないっス!

 なんでカレーパンを作ることにしたのか

 全く思い出せないんです。

 はあ、困ったもんだ、年寄りの認知は。  と言いつつ、開き直ります。

 美味しいものができる!と思ったから買ってきたんだよね。じゃあ、美味しいものを作ればいいじゃん。

 それでは、行ってみましょう!

 人生初体験の、 ≪カレーパン≫ です。

 まずは、ドライカレーから。

 ・ジャガイモ1個を細かく切って耐熱皿に乗せ、ラップして600wで3分

 ※ホクホクのうちに潰しました

 ・豚コマ、タマネギ、ニンジンはみじん切りに

 ※各100g未満。それでも最終的には、かなり余った

 ・サラダ油を敷いた鍋で野菜と肉に、すりおろしにんにくを加えて炒め

 

 ・カレールー3かけと水1カップを加えて煮詰めます

 ※今回使ったルーは、3種混合

       煮詰めます

 既に、すんごく美味しい香りが台所中に広がっています。しかし、本番は、これから。

 生地の部

 

       使う材料はこれ

 ・水大匙9と、砂糖2.5をレンジで温めて混ぜたら

 ・強力粉の一部(大さじ5)とドライイースト5gを加えて、よくかき混ぜて

 ・塩5gとオリーブオイル23gに、強力粉150gを追加して捏ねると、それなりにまとまってきます

 ※ちょっとベチャっとするけど気にしませんでした

 ここからが画期的。

 ・600w30秒のレンチンをしたら生地を6個に切り分けます(ベンチタイムなし!)

       なんとなく膨らんでます

 これを伸ばすんですけど、

 ※打ち粉じゃなくて、オリーブ油でならしてみました

 ・自分の手と、生地とまな板と麺棒にオリーブ油を馴染ませて広げます

       なんだかうまくいきそう♡(具はもっと多くていい)

 ・隙間が空かないように包んで(中華まんと同じやり方)

 ・パン粉をまぶして

 ※既にオリーブオイルを纏っているから簡単にくっつきます

 ・160度の揚げ油に入れると

       すごくいい感じ

 ・浮いてきて、泡立ちが収まるのを見極めて裏返し

 ・泡が落ち着いてきたら掬い上げて

       出来上がりましたよ!

 ※一度に全部入れると温度が下がりそうなので、2回に分けて揚げました

       分かる?モチモチのパン生地に包まれたカレー

 超うまいっス!

 家族からも大好評でした。

 ああ~、作ってよかった。

 なぜ作り始めたのか、いまだに思い出せていないんだけど、ま、いいじゃないの!(ついでに言うと、買ってきたヨーグルトも使わずに終わってしまった。)

 最終的に目指すのは、家族の笑顔!

 それが達成されたんだから、OKですよね。

 面白かった!

 そして、ご馳走様でした。

 ヨーグルトは、別の料理で楽しませてもらいますね。

 ・・・かなり危うくなってきたマタギの、ある日の日記でした。


始まりました、フキノトウ料理!

2023年03月23日 | 山菜料理

 おめでとう、侍ジャパン!

 多くの感動をありがとうございました。

 これで終わってしまうのって寂しいです。

 シーズンに入ってからは、それぞれのチームでのご活躍を応援したいと思います。

 3年後、どんなチームになって帰ってくるのか楽しみに待ってますね。

 

 

 タコが釣れずに終わった今シーズン初の庄内釣行。潔く、海の神様に別れを告げたマタギだったけど、『川の神様』『里の神様』には、まだ挨拶してなかったよね。

 帰り際に、最上川の河川敷をちょっとだけ歩いてみることにした。

 おっ、やっぱり!

       藪の中に独特の春色

       なんだか

       「連れて行って」と呼ばれているような

 それほど広い群生ではないので、今宵のおかず分だけ戴いて帰ることにしました。神様たち、ありがとうございました。

       食べ頃の初物

 フキノトウは20株。これをどう調理して春の訪れを楽しむか。どうする?マタギ!(最近、こればっか)

 これは、何はさておいても フキノトウの天ぷらでしょう!

 ただ、フキノトウだけだとつまらないという方もいるので、別の具材も加えます。丁度出かけるという妻に、

「タコは憎いからイカ。なかったらエビ買ってきて。」

と頼む。

 途中にいろいろあったんだけど、省略。妻は海老を買ってきてくれたので エビ天も揚げます。

 もう一品ほしかったので、冷凍しておいたキノコも使ってみましょう。マイタケの天ぷらです。

 このぐらい揃えば文句はあるまい。

 それでは、調理に取り掛かりましょう!

 下ごしらえの部

 ・フキノトウは、外側の紫色の葉を外して、ついてきた汚れをそっと洗い落とします

 ・水分はふき取っておきます

       これは、揚げる直前の様子

 ・エビは、解凍して殻むき背ワタ抜き等を済ませて、これも水分をぬぐって、小麦粉をまぶしておきます

       こんな感じ

 ・冷凍マイタケも水分を含んでいるので

 ・水分を拭きとってスタンバイ

 ・卵黄2個分を解きほぐした卵水300mlに、薄力粉300+片栗粉75mlを3回に分けて

 ・ふるい落とし、泡立てないように、上から抑えるように混ぜていきます

 ・これを揚げる直前まで冷蔵庫で冷やします

 ※具材も冷蔵庫で冷やしておきます

 調理の部

 ・フキノトウは、衣をつけたら頭を下に向けて、170度の油につけます

       葉がきれいに開いて浮いてきます

 ・揚げ玉を掬い取り、具材を返して泡立ちが収まってくるのを待ちます

       マイタケの部

       エビの部

 共通している留意点

 ※具材も衣もできるだけ冷やしておく

 ※一度に揚げる量は少なめに

 ※揚げ玉はこまめに掬い取る

       いつもより、ふくよかな仕上がり

       本日の食卓(分かる?フキノトウの美しさ)

 天つゆを少々つけて口に運ぶと、意外と軽めのほろ苦みとともに、春の香りが口の中に、ふわーっと広がりました。

 これは旨い!!!

 やっぱりこれよ。春の恵み。

 

 ついに始まりましたねえ!

 

 最上川の神様たち、ありがとうございました。

 そして、山の神様、今年もよろしくお願いいたします。


日本海散歩

2023年03月22日 | 日記

 侍ジャパン、ドキドキハラハラのメキシコ戦を乗り越えての決勝進出、おもしろかったあ!今回のWBC、なんでこんなに面白いのだろうか。豪華メンバーが揃い、それぞれが活躍しているということもあるんだろうけど、今回の逆転サヨナラの場面を見て感じたのは、チームワーク。お互いを信じあって、励ましあって、役割を果たし、喜びあえる、それこそ正真正銘のワンチーム。惹きつけられますねえ。

 今日の決勝、結果もさることながら、これまで通りの爽やかな絆を、そして感動を味わわせてもらいたいものです。

 

 市内の雪は、ほぼ消えたし、山間部の雪だって例年以上に減っている。何と言っても、気温が例年よりもずっと高い。先日の降雪もあっという間に消えたから、大勢に影響はなさそうな気がする。

 だったら出かけてもいいかな。深夜の峠越え。

 山形の春の訪れには、地域によって大きな時差が付く。冬場の豪雪と、起伏の変化が大きいためだ。

 場所によっては、1年間雪が消えずに残るところもあるし、早々に雪が消えて緑に包まれる地域もある。

 で、その中でも最も春の訪れの早いのが、庄内地域。海沿いで海抜が低いから(海流の影響もある)、内陸部よりも早く春が訪れる。

 マタギとしては、もう遊びに行きたくてうずうずしているのだが、ちょっと厄介なのが深夜の峠越えなのだ。路面の積雪と凍結が怖いんですよ。

 ただ、明日の夜は、それほど気温も下がらないようだし、降雪の予報もない。だったら、行ってみましょうか。目覚ましをセットし眠りにつく。

 翌朝、午前3時半出発。目的地は、最上川河口。山菜シーズン開幕前に、タコ釣りを楽しむことにしたのだ。

 情報通り、本日の峠道は、凍結もなく安心して通過することができた(ただし、『夏タイヤでの通行禁止』が続いてた)。約2時間かけて、最上川河口に到着。

       夜明け前の最上川河口

       いつもより少し波が高い

 遠目に見ると、防波堤の『曲がり』が波しぶきをかぶっているように見える。そのせいか、先行者が誰もいない。西風が少々強い。予報では、波高1.5m。この地では、進むか退くかの境界線レベル。

 ま、とりあえず進んでみて、危なかったら引き返しましょう。

 荷物を身に着けて出発。・・・問題の『曲がり』に到着。大丈夫みたいですね。進みましょう!

       雲は少し厚いが、鳥海山のすそ野が見える

 やっぱり、雪消えは例年より早そうですね。月末には、山菜採りも楽しめるようになるかも。

 釣り糸を垂れて、海底の感触を確かめながら、先端に向かってのんびり進んでいく。

       雲の隙間から朝日

 夜明けだ。久しぶりに朝日を浴びることができただけで満足してしまう。

       防波堤の先端が近づいてくると海の色も変わってくる

       山肌に日差し

 山も夜明けを喜んでいるような気がする。

       確かに少々波は高かったが

 タコのアタリと思えるものは無し。それでも、気持ちの良いひと時を過ごすことができました。

 やっぱりですね、内陸に住んでいる人間にとっては、海は憧れです。水と波と水平線とに触れただけで、超気持ちいい!

 タコちゃんには、一昨年以来会えていないんですけど、まあ、いつか出逢えるでしょう。本日はこれでおしまいにします。

 日本海散歩、楽しかったです。

 海の神様、また遊びに来ますね。