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脳は自分が見たいと思うものしか見ていない

2017-10-15 08:16:53 | ブログ
 「人は見た目が90%」と言う人がいる。

 人の見た目がよく実体を表している場合もあれば、実体を表していない場合もあるだろう。しかし、前者が90%なのかというと、信じられない気がするのだが。

 人に限らず外界の事物や現象を見るとき、見る人がそれをどのように解釈するかは、その人の脳の情報処理能力に大きく依存している。

 脳は階層的な情報処理をしているが、低次領野の入力情報よりも高次領野からの入力が圧倒的に多い。これをもって、参考文献では、「脳はほとんど外界情報を必要としない」と言っている。

 網膜から入力される視覚情報は、外側膝状体という部位を経由して一次視覚野に入力され、画像の輪郭、色、位置、大きさなどの要素に分解され、画像が何かが認識される。

 このとき、一次視覚野から高次視覚野へボトムアップされる入力は20%ほどであり、トップダウン入力される内部情報は80%ほどであるという。

 このように、脳が視覚情報を処理すると言っても、内部情報が支配的な状況では、脳は視覚情報から別の事象を想像したり、将来を予測することができる一方、何らかの妄想にとらわれる可能性もある。

 別の表現をすれば、「脳は、外界の事物を客観的に見ているのではなく、自分が見たいと思う範囲のイメージを主観的に見ている」とも言える。

 こうなると、同じ事物や現象を見ても、それを脳で解釈するに当たり、高次領野に蓄積された内部情報が大きくものを言うことが分かる。

 言い換えれば、その人の教養と人間性の程度がものを言うことになるだろう。

 しかし、教養や人間性は、個人の中にしかなく、それをもって他人を評価することは慎むべきである。教養と人間性の程度がどうであれ、人間はすべて同一のホモサピエンスからつくられ、環境によって肉体的・精神的に個別の変形を受けたものであり、他人の評価は相対的なものでしかないから。

 参考文献
 高橋宏知著「メカ屋のための脳科学入門」(日刊工業新聞社)

男女間の性差の大きさを知る

2017-10-01 08:00:49 | ブログ
 ヒラリー・クリントンは、最新刊の回想録で、彼女が人々に好かれるように、服装や立居振舞から話し方のトーンに至るまで彼女自身を修正するように努力してきた、と書いている。

 米国の研究によると、(少なくとも米国では、)男性は地位が上がっても個人的に嫌われることはないが、女性は地位が上がるほどに嫌われやすくなるという。

 なるほど。実際のところ、ドナルド・トランプは、いくら悪態をついても大統領選に勝利するのに支障はなかったが、クリントンの方は、長年、人々に好かれるように精魂を傾けても勝利には及ばなかったというところであろう。

 この事実は、男女間の性差がいかに大きいかを象徴する出来事でもあると思う。日本で昔から言われていた「男は度胸、女は愛嬌」という格言がここでも通じるのか、と思わせる。あるいは、見方を変えれば、女性が社会で活躍するためには、明らかなハンディがあることを物語っている。

 こうなると、ここで軽々しく男女同権のような原則論を持ち出すのは、当を得ていない。男女間に明確な性差があることを認めた上で、女性の活躍度がどのように伸びているのかを評価すべきであろう。

 クリントンには、好感度以外に何か資質に欠けるところがあるのかも知れない。しかし、女性として初めて米国の大統領選の対抗馬にまでのぼり詰めた偉業は評価されるべきである。