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ホログラフィック宇宙論を知って考えること

2022-10-16 07:58:52 | ブログ
 先月、NHKテレビで放送された「ホログラフィック宇宙論」を視聴し、高エネルギー加速器研究機構の松原隆彦先生の「宇宙のかたち」と「情報宇宙」についての講演を聴くと、以前から参考文献で読んでいたホログラフィック宇宙についての興味が増し、ブログの記事として何か書きたいという気が強くなった。

 ホログラフィック宇宙論によれば、宇宙の2次元地平面に宇宙に関するすべての情報が記憶されていて、宇宙に存在するすべての物質は、それら情報の3次元立体像、すなわちホログラフィーにすぎないとのことである。

 そうであれば、地平面のスクリーンには、すべての素粒子に関する方程式に相当する情報が記憶されていて、宇宙に存在するすべての物質は、それら情報から発現したホログラムの幻影と解釈できる。

 逆に、3次元立体像に関する情報がスクリーン上に投影されると考えてもよいわけで、両者の間に主と従の関係はないのであろう。量子力学の相補性(双対性)の考え方である。

 もし量子がもつ「粒子と波動の二重性」がホログラフィック宇宙にまで拡大解釈できるとしたら驚きである。つまり、スクリーン上の情報が波動についての情報であり、3次元立体像が粒子に相当するというわけである。参考文献も、相補性からみて、両者は類似していると指摘している。

 史上最強の式と称せられる宇宙の方程式には、重力に関する方程式とすべての素粒子に関する方程式が含まれている。しかし、3次元立体像が存在する時空間には重力に関する情報が存在するが、スクリーン上の2次元世界には重力に関する情報が存在しないとのことである。参考文献では、重力は超弦理論で言う振動する「閉じた弦」によって伝わるが、ホログラフィー原理ではスクリーンには「開いた弦」だけを抜き出して記述するので、そこには重力(に関する情報)が含まれていないとしている。

 そうであれば、スクリーン上には量子力学で言う波動関数が記述されているが、重力に関する波動情報は存在しないと解釈し「粒子と波動の二重性」にもその注釈がつくのである。

 それはともかく、松原先生が言われた「(情報宇宙によれば、)宇宙のすべては、情報が作り出した見せかけの姿になる」の通りである。

 参考文献
 大栗博司著「重力とは何か」(幻冬舎新書)