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コミュニティふらっとを訪ねる

2024-12-22 08:21:58 | ブログ
 今年の初めに、住んでいる地域の人々の間の交流を深めるという目的で「コミュニティふらっと」が開設された。人によって状況は異なるとは思うが、自分の住居の近くに住む人たちとも交流が少ない地域にあって、当初、話したことのない人たちと話をする機会があるのではないかと思って一度この出会いの場を訪ねてみたいと考えていた。

 しかし、それから10ヶ月以上経つが、まだこの施設を訪ねたことはない。書道教室、折り紙教室、ダンスや体操の会など、次々とイベントが開催されるのだが、どのイベントにも参加したいという意欲はなく、せめてスタッフさんと話をしてみたいという意気も消沈するばかりである。これでは、人と数学や自然科学の話をするのは論外、政治や社会について議論するのも「およびでない」のであろう。どうも「意識高い系」が参入する場ではないようだ。

 知識を求めるのが教養であるとすれば、生成AIによって強化されたネット情報で充分であり、コミュニティふらっとは教養を求める場ではないのであろう。単に見知らぬ人と交流する場ということであれば、SNSやネット上の出会い系サイトがその役割を果たしているが、顔見知りの人たちもいる同じ地域に住む人々との交流となると、地域コミュニティの場の存在価値が小さくないのであろう。そこはムラ社会であるから、対話や議論の場ではなく、同じ趣味をもつ人々が集まる同好会の場となるのであろう。

 ネット情報だけでは満足できず、専門家の指導の下に対話的な教養を享受したい人には、放送大学やカルチャーセンターの場が用意されている。私は、自然科学の講演を聴講するためにカルチャーセンターを利用しているとき、聴講者からサイエンスカフェを紹介され、サイエンスカフェに移ることにした。その後、サイエンスカフェの幹事さんが亡くなるとともにカフェが閉設したので、次のカフェを求めているときに、友人の紹介により現在の自然科学カフェを知り、このカフェに移ることにした。自然科学カフェが掲げる理念に賛同するとともに、事務局が招聘する専門家の講演と主催するダイアログに満足している。私が初めてサイエンスカフェに参加してから今日まで10年以上経過している。自然科学カフェには約7年通っている。

 自然科学に執着するのは、何らかの宗教に執着するのと似ているのかも知れない。住んでいる地域の近くには、大きな神社と大きな寺院のほかに宗教団体の大施設がある。また私の住み家の近くを散歩していると、住居から漏れてくる読経の声を聞くことがある。住んでいる地域が属している区域には、学問や芸術に執着する人と宗教に執着する人のほかに、特にこれらに執着するわけでもない普通の人々が住んでいるのであろう。コミュニティふらっとに集まる人々は、普通の人々かも知れない。また、地域には多くのマンションやアパートが存在する。マンションやアパートの住人には、他の区域に通勤・通学している人も少なくないとみるので、このコミュニティふらっとに関心がない人も多いと推測する。こうなると、地域や区域の郷土史よりも住んでいる地域・区域のリアリティを反映する社会学が面白いのかも知れない。

 英語の「エンゲージメント」という単語には、「愛着」「思い入れ」「意欲」などの意味があることを知った。この単語には日本人の集団でよく使われる「頑張る」という意味はないし、独立した個人がやりたいことを尊重する気持を表現しているようで好ましいと思う。

 コミュニティふらっとの表向きのイベントとは別に、奥座敷もあり、同好のメンバーがクラブをつくって何かやっているようだ。スタッフさんに、何をやっているのか尋ねたところ、囲碁クラブ、卓球、輪投げなどを挙げていたが、参加メンバーを登録しているが何をやっているのか分からないクラブもあるそうだ。数学や自然科学についてダイアログするクラブがあるか聞いてみたが分からないようで、他の同好会の様子からみてないと判断してよいようだ。自分から新しいクラブを立ち上げる元気はなくなった。

 その後、ふらっとでもらってきたIMAGINUSという科学体験ラボのパンフレットを見ていて、科学ゲーム展のゲームコーナーで「スイングバイ チャレンジ」というゲームに目が止まった。一度このラボを訪ねて、このゲームを見学しながらラボのスタッフさんと科学について話してみるのが交流のよいアプローチらしいと気付いた。

結び目理論をのぞく

2024-12-01 10:13:26 | ブログ
 三次元空間内で共有点をもたない単純閉折線と呼ばれる多辺形を「結び目」という。この結び目をz軸と平行に二次元平面上に射影すると、一般に多重点をもつ閉折線が得られる。空間上の単純閉折線の辺の位置を移動することによって、二次元平面上の閉折線が有限個の2重点のみをもつようにできる。平面上の2重点、すなわち交差点は、空間上でz座標の大きい方の上交差点と、小さい方の下交差点とが重なった点である。

 結び目の射影像の各2重点について、下交差点を含む辺に対応する辺に図のように切れ目を入れて空間的な感じを出すように表示する。なお、位相幾何学では直線と曲線の区別はないので、閉折線を閉曲線に代えて表示している。



 図の1に示す結び目は5個の交差点をもち、2に示す結び目は6個の交差点をもつ。結び目には、交差点のいくつかを解消できるタイプと、解消できないタイプとがある。交差点を解消できずに残る交差点の個数を最小交差数という。最小交差数は、結び目の型を決める最も単純な不変量となる。一方、交差点が解消されてその個数がゼロになった結び目は、単純閉曲線、すなわち円であり、平凡型と呼ばれる。

 図1(a)(b)の一方は最小交差数をもつ結び目、他方は平凡型である。図2(a)(b)および図3(a)(b)についても同様である。ここで(a)(b)のうち、どちらが平凡型かを当てるのが演習問題である。

 図1(b)は、下図に示すように、領域Aの外周線が上交差線なので、下交差線より内側に引き込むと領域Bと合併するとともに、交差点が2つ消える。領域ABの外周線は、もう一つの下交差線の外に移動できてさらに交差点が2つ消えて交差点はただ1つだけとなる。この形の結び目は、交差点なしと同値なので、結局、平凡型であることが分かる。図1(a)は、どの交差点も解消できないので、最小交差数5の結び目型である。

 図2(a)は、領域Aの外周線を移動することによって交差点を2つ消すことができる。領域Bの外周線も同様の移動によって、さらに交差点2つを消せる。領域Aと領域Bは合併できて、交差点が1つ消え、領域ABとなる。これは交差点なしの結び目と同値なので、結局、平凡型となる。図2(b)は、最小交差数6の結び目型である。

 図3(b)の領域AとBは合併によって交差点が2つ消え、同値関係からさらに交差点が1つ消える。領域CとDは合併によって交差点が2つ消え、残った1つの交差点も同値関係から消えて、結局、平凡型となる。図3(a)は、最小交差数6の結び目型である。



 参考文献
 鈴木普一著「結び目理論入門」(サイエンス社)