最近のタイム誌に、「結婚生活が人の血圧にどう影響するか」と題する記事があった。
今まで、独身者よりも結婚している夫婦が長生きすると言われていた。しかし、夫婦と言っても、そのタイプによって、血圧上昇か否かの程度が異なり、それによって心臓疾患を起こしやすいか否かの違いがでてくるという。高血圧は、心臓疾患ばかりではなく、脳梗塞や脳出血の原因ともなることが知られている。
また、妻がストレスをかかえているときに夫に与える影響と、夫がストレスをかかえているときに妻に与える影響とは異なるという。
妻にストレスがある場合には、夫の血圧が上昇する傾向にある。しかし、夫にストレスがある場合には、逆に妻の血圧が下降する傾向になるという。
その理由として、身の回りの世話に関し、夫は妻に依存する傾向が少なからずあるので、妻のストレス状態に会うと、外にそれを補償するものを求めることが苦手のため、血圧が上昇することになるようだ。一方、妻は夫に依存する傾向が少ないので、夫のストレス状態に出会っても、ペットの世話や友人との交際など外にそれを補償するものがあるので、必ずしも血圧が上昇することにはならないらしい。
もっとも、夫または妻が受けるストレスと言っても、パートナーに対する暴力など離婚理由になるようなストレスは、論外であろう。
そこで、以上の傾向を踏まえて、夫婦関係をタイプに分けてみたくなった。
最もよいタイプは、夫婦仲のよい関係であり、ダンス・パートナーとも称せられる。日本ではおしどり夫婦に相当する。英語でtightly-coupledと表現できるだろう。
あまり良くないがそこそこに維持可能なタイプは、夫婦の各々が外に求めるものがあり、互いに過度の依存がない関係である。ここでは、自分の身の回りのことは自分で面倒をみるが、必要に応じて夫婦が協力することが前提となる。英語でloosely-coupledと言えるだろう。このようなタイプの夫婦関係では、夫または妻のいずれかがストレス状態となったとしても、その補償を外に求めることによって夫または妻の血圧上昇を抑えることができるだろう。
悪いタイプは、妻は外に求めるものがあるが、夫は外に求めるものが少なく、妻に依存しがちな関係である。このような関係では、夫婦間の協力関係は充分ではないだろう。また、このタイプの夫婦関係では、妻がストレス状態になりやすいとともに、夫の方も血圧上昇になりやすいと言える。
もっと悪いタイプもあり得るだろうが、ここまでで止めておく。仲の良い夫婦は無理としても、せめてそこそこ良いタイプの夫婦関係を目指したいものだ。
なお、夫婦の間でも外部からもストレスが少ない夫婦関係というものは、常にベストの関係なのかとなると、疑問が残る。ストレスにも良いストレスと悪いストレスとがあるであろう。良い方、悪い方のどちらのストレスも少ない夫婦は、他の生活習慣からのリスクにも依存するが、夫婦の少なくとも一方に認知症のリスクが高まるのではなかろうか。夫婦そろって外部から良いストレス(言いかえれば、良い刺激)を受けるような習慣が認知症のリスクを下げるのではないだろうか。
今まで、独身者よりも結婚している夫婦が長生きすると言われていた。しかし、夫婦と言っても、そのタイプによって、血圧上昇か否かの程度が異なり、それによって心臓疾患を起こしやすいか否かの違いがでてくるという。高血圧は、心臓疾患ばかりではなく、脳梗塞や脳出血の原因ともなることが知られている。
また、妻がストレスをかかえているときに夫に与える影響と、夫がストレスをかかえているときに妻に与える影響とは異なるという。
妻にストレスがある場合には、夫の血圧が上昇する傾向にある。しかし、夫にストレスがある場合には、逆に妻の血圧が下降する傾向になるという。
その理由として、身の回りの世話に関し、夫は妻に依存する傾向が少なからずあるので、妻のストレス状態に会うと、外にそれを補償するものを求めることが苦手のため、血圧が上昇することになるようだ。一方、妻は夫に依存する傾向が少ないので、夫のストレス状態に出会っても、ペットの世話や友人との交際など外にそれを補償するものがあるので、必ずしも血圧が上昇することにはならないらしい。
もっとも、夫または妻が受けるストレスと言っても、パートナーに対する暴力など離婚理由になるようなストレスは、論外であろう。
そこで、以上の傾向を踏まえて、夫婦関係をタイプに分けてみたくなった。
最もよいタイプは、夫婦仲のよい関係であり、ダンス・パートナーとも称せられる。日本ではおしどり夫婦に相当する。英語でtightly-coupledと表現できるだろう。
あまり良くないがそこそこに維持可能なタイプは、夫婦の各々が外に求めるものがあり、互いに過度の依存がない関係である。ここでは、自分の身の回りのことは自分で面倒をみるが、必要に応じて夫婦が協力することが前提となる。英語でloosely-coupledと言えるだろう。このようなタイプの夫婦関係では、夫または妻のいずれかがストレス状態となったとしても、その補償を外に求めることによって夫または妻の血圧上昇を抑えることができるだろう。
悪いタイプは、妻は外に求めるものがあるが、夫は外に求めるものが少なく、妻に依存しがちな関係である。このような関係では、夫婦間の協力関係は充分ではないだろう。また、このタイプの夫婦関係では、妻がストレス状態になりやすいとともに、夫の方も血圧上昇になりやすいと言える。
もっと悪いタイプもあり得るだろうが、ここまでで止めておく。仲の良い夫婦は無理としても、せめてそこそこ良いタイプの夫婦関係を目指したいものだ。
なお、夫婦の間でも外部からもストレスが少ない夫婦関係というものは、常にベストの関係なのかとなると、疑問が残る。ストレスにも良いストレスと悪いストレスとがあるであろう。良い方、悪い方のどちらのストレスも少ない夫婦は、他の生活習慣からのリスクにも依存するが、夫婦の少なくとも一方に認知症のリスクが高まるのではなかろうか。夫婦そろって外部から良いストレス(言いかえれば、良い刺激)を受けるような習慣が認知症のリスクを下げるのではないだろうか。