とりあえず、女将の部屋から漏れる光をたよりにトイレに向かった。トイレに行きたい気持ち以上に女将の部屋をのぞいて見たかったこともある。部屋の前に来てみると、のぞく必要がないくらいフスマの隙間が開いており、中の様子が見えた。
部屋の隅にコタツがあり、年寄りの女将、男の子、姉の三人が向かい合っていた。電球の明かりの下で、会話するでもなく、テレビも消してあり、クリスマスの夜中の2時の光景にしては何か間違っている気がした。
私の気配を感じたのだろう、男の子がこちらを見たが、表情も変わらず、ごく普通の顔をしてこちらを一瞬見ただけだった。
・・・犬神家の一族の撮影現場みたいだ・・・怖さは無かったものの違和感を持ったまま部屋に帰った。昼間の疲れもあったので布団にもぐったのだが、布団が赤。カーテンがピンク。旅館にしては妙な部屋で、どうやら「連れ込み旅館」というたぐいの旅館のようだった。置いてある雑誌も1年前のものばかりだった。
部屋の隅にコタツがあり、年寄りの女将、男の子、姉の三人が向かい合っていた。電球の明かりの下で、会話するでもなく、テレビも消してあり、クリスマスの夜中の2時の光景にしては何か間違っている気がした。
私の気配を感じたのだろう、男の子がこちらを見たが、表情も変わらず、ごく普通の顔をしてこちらを一瞬見ただけだった。
・・・犬神家の一族の撮影現場みたいだ・・・怖さは無かったものの違和感を持ったまま部屋に帰った。昼間の疲れもあったので布団にもぐったのだが、布団が赤。カーテンがピンク。旅館にしては妙な部屋で、どうやら「連れ込み旅館」というたぐいの旅館のようだった。置いてある雑誌も1年前のものばかりだった。