河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

数えきれない10個の妄想 第4回

2013年09月15日 | ソーラー農作園芸
「俊彦君、いいかげん、そのオシボリを私にくれるかな
生ぬるくなっちゃうよ」

「お客さん、すみません、つい話に夢中になっちゃって」

「俊彦君、今、原発はどうなってるの、収拾したの」

「いや10年前と変わってないですよ、タンクの数がものすごく増えて
もう日本列島の半分が汚水タンクで埋め尽くされてますよ
幸い人口が減ったから、宅地と畑にタンクを作ってますけどね
なにせ、汚水処理をした後の水をためるタンクがまた必要らしくて
今の2倍の数のタンクが必要らしいんですよ
来年、東京オリンピックだっていうのに、どうなるんでしょうねえ」

「でも、原発事故のせいで、作業用アンドロイドの開発がすすんだわけだから
良い面もあったって事だね」

「お客さんはアンドロイド関係のお仕事をしてるんですか?
最新型のネクサス7ってすごいですね」

「こら、俊彦、お客様に余計な事を聞くんじゃないぞ!」

普段、温和な二郎おじさんの顔が急に険しくなった
まるで目の奥が赤く光ってるみたいだ
ざざざざざー、ざざざざざー
異常気象による酸性雨のスコールが一段と激しくなってきた

数えきれない10個の妄想 第3回

2013年09月15日 | ソーラー農作園芸
「俊彦、兄貴は今どうしてるんだい」

「安雄兄さんは東京でエレキバンドをやっているよ
先月、勝ち抜きエレキ合戦で予選を通過したらしいんだ」

「しかし、大丈夫かなあ、あいつが生まれつき持っているのは
光なのか闇なのか、わしにもわからないんだよ
ほら、じいちゃんの葬式の時を覚えているか?」

「ああ、20世紀最後の年だったね」

「お経を唱えていたお坊さんが、突然、何十人もいる中から
安雄だけを見つけて呼びつけただろ、そして『これを使いなさい』
て言って高価な数珠を手渡してただろう
あれは何だったんだろうな、今考えても謎だよ」

「僕が思うにはね、お坊さんは、安雄兄ちゃんが人間じゃなくて
トカゲだってことを見抜いていたんだと思うんだ
それで、人間になるために、この数珠で祈れって
そう言ったんだと思うよ」

「昔、イグナアの娘っていうドラマがあったけど、あれか
今じゃ、このチャイナタウンあたりじゃアンドロイドとか人工トカゲだらけで
人間とトカゲのハーフも多いから、どうってことないけどな」

イカ男の夏 第13話

2013年09月15日 | ソーラー農作園芸
「安雄もどうなっちまったんだろうねえ
こっちにいた時は成績も一番で先生からほめられていたし
きっと東京の毒にやられたんだろうねえ
新宿でエレキギターをじゃかじゃかやってるらしいけど
髪を金色とかに染めて非合法薬物とか所持してるんじゃないだろうねえ
都会になんか出すんじゃなかったよ
こんどは、俊彦がロサンゼルスに行くだなんて
まったく馬鹿ばっかりだよ」

母親はげんなりした表情で台所の里芋を見つめていた
少なくとも息子達よりは里芋のほうがかわいいと思った

「奥さーん、いらっしゃる?
俊彦ちゃん、アメリカ留学されるんですってね
安雄ちゃんも東京で芸能人されてるとか
うちの息子が先週、東京で安雄ちゃんに会ったって言ってましたわよ
うちの息子なんて一流商社に入ったばっかりに
毎月、アメリカと東京の往復で
いくら給料が高くったって使う暇がなかったらしょうがありませんわね
その点、お宅の息子さん達はみな自由人でいらっしゃるものね
おっほっほ、おっほっほ」

「あっ、半沢君の奥さん
い、今、里芋が煮えてるんで、そ、そのお話は今度いたしますわ」

「まったく、お隣が安雄の同級生の家だなんて、地獄だわ・・・」

母親は2ドア冷蔵庫の陰に隠れてその場をやりすごした
母親はうんざりした表情で里芋に包丁を突き刺した

9月14日(土)のつぶやき

2013年09月15日 | ソーラー農作園芸