「あんた、酒の肴、買うてきましたで、
『絶望』は売り切れやったさかい、『切望』と『希望』の薄切りパック買うてきましたえ、
『切望』が薄さ0.2mm、『希望』が0.1mmらしいですえ」
「なり、れつぼうわ、なかっらんか、もうれつぼうわ今は人気ないろあろあ、
酒のみすぎて、べろべろや、その『切望』とかゆゆツマミ開けてくれら
もう、なにしゃべてるらわけわからん、れろがおからみすごからい」
「これわえらい薄いなあ、向こうが透けて見えるれれ」
「説明書きに書いてありますえ、
『陽にかざすと未来が見えます』と書いておます」
「ほんまらいな、ちょうと見てみるわら
ほんまや、向こうから天使みたいな人がこっちに来るら」
「あ、あれどすか、市役所の福祉局の人ですわ
医者の診断が必要やさかい、お医者さん同行ですよってに
あれは天使ではおません、心療内科のお医者さんですわ」
絶望を薄く薄く切ってスライスしていくと、やがて切望になるのだという。
さらにそれを薄くすると希望という希薄なフィルムになって、
絶望のどん底からそのフィルムを見ると、
頭の中に幸福な映像が映し出されるのだという。
人はそうやって、なんとか、絶望という黒いカタマリにラップをかけて、
死ぬまで生きていくのだと、古代ケルトの賢人たちは言っていた。
『絶望』は売り切れやったさかい、『切望』と『希望』の薄切りパック買うてきましたえ、
『切望』が薄さ0.2mm、『希望』が0.1mmらしいですえ」
「なり、れつぼうわ、なかっらんか、もうれつぼうわ今は人気ないろあろあ、
酒のみすぎて、べろべろや、その『切望』とかゆゆツマミ開けてくれら
もう、なにしゃべてるらわけわからん、れろがおからみすごからい」
「これわえらい薄いなあ、向こうが透けて見えるれれ」
「説明書きに書いてありますえ、
『陽にかざすと未来が見えます』と書いておます」
「ほんまらいな、ちょうと見てみるわら
ほんまや、向こうから天使みたいな人がこっちに来るら」
「あ、あれどすか、市役所の福祉局の人ですわ
医者の診断が必要やさかい、お医者さん同行ですよってに
あれは天使ではおません、心療内科のお医者さんですわ」
絶望を薄く薄く切ってスライスしていくと、やがて切望になるのだという。
さらにそれを薄くすると希望という希薄なフィルムになって、
絶望のどん底からそのフィルムを見ると、
頭の中に幸福な映像が映し出されるのだという。
人はそうやって、なんとか、絶望という黒いカタマリにラップをかけて、
死ぬまで生きていくのだと、古代ケルトの賢人たちは言っていた。