ざざざざざーーー ざざざざざーーー
海は不思議だ
太古の昔
繰り返す波が泡を生み出し
その泡の中から生物が生まれたともいわれる
泡から生まれた人魚姫は言葉を無くしたことで人間になり
しかし真実の愛が見つけられずに
泡に戻っていった
この世界を憎しみだらけの言葉にした人間もやがて
この海の泡となって消え去るのだろう
突然、子どもの声がした
「おかあちゃん、ジュースが飲みたいよー」
「がまんしなさい、ここにはお店が無いのよ」
「わ、わかった、アサリ、泣くな
父さんが今買ってきてやるから
門のところに自動販売機があるから
いつものファンタグレープでいいな」
なぜ私は娘の名前を知っているのだ
娘の好みまで知っているのだ
そもそも娘はいつ出現したんだ
「あなた、すみません、その前に
ちょっと背中のジッパーを下ろしてくださらない
何か引っかかったみたいなの」
私は髪を持ち上げたとし子の背中を見た
「おまえは本当は何者なんだ
この首のUSB3.0 TYPE-Cのコネクタは何だ
おまえはロボットなのか」
「私がとし子で無ければ、
それは別の何かなのよ
雨と公園と別の何か
ちょうどあなたにとっての
雨に消えた初恋みたいに」
とし子は昔流行った歌のタイトルを言った
私はまだ夢を見ているのだろうか
夢から覚めたはずが、まだ別の夢の中にるのだろうか
そうだ、こういう時は頬をつねってみるのがいいのだ
私の頬は少しも痛みを感じなかった
・・・続く・・・
海は不思議だ
太古の昔
繰り返す波が泡を生み出し
その泡の中から生物が生まれたともいわれる
泡から生まれた人魚姫は言葉を無くしたことで人間になり
しかし真実の愛が見つけられずに
泡に戻っていった
この世界を憎しみだらけの言葉にした人間もやがて
この海の泡となって消え去るのだろう
突然、子どもの声がした
「おかあちゃん、ジュースが飲みたいよー」
「がまんしなさい、ここにはお店が無いのよ」
「わ、わかった、アサリ、泣くな
父さんが今買ってきてやるから
門のところに自動販売機があるから
いつものファンタグレープでいいな」
なぜ私は娘の名前を知っているのだ
娘の好みまで知っているのだ
そもそも娘はいつ出現したんだ
「あなた、すみません、その前に
ちょっと背中のジッパーを下ろしてくださらない
何か引っかかったみたいなの」
私は髪を持ち上げたとし子の背中を見た
「おまえは本当は何者なんだ
この首のUSB3.0 TYPE-Cのコネクタは何だ
おまえはロボットなのか」
「私がとし子で無ければ、
それは別の何かなのよ
雨と公園と別の何か
ちょうどあなたにとっての
雨に消えた初恋みたいに」
とし子は昔流行った歌のタイトルを言った
私はまだ夢を見ているのだろうか
夢から覚めたはずが、まだ別の夢の中にるのだろうか
そうだ、こういう時は頬をつねってみるのがいいのだ
私の頬は少しも痛みを感じなかった
・・・続く・・・