二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

霞ぼかし2

2018年10月11日 | 日記

二鶴工芸です。
過日に記載しました霞ぼかし加工の金色バージョンです。
今回も同様に波の柄を入れて複合加工しています。
金色が派手目にならないようにしてください!!との指示ですので今回は通常の金色よりも渋い色目にしています。
地色が黒に近い紺ですので、通常使う金色(金泥)では黄色味が立ちすぎるので調合した渋い金泥を使いました。
色目は真鍮が経年変化で色が渋くなったような色目です。
これだと落ち着いた感じになり、どちらかと言えば通好みの色目になります。
前回と同じく霞のぼかし足に合わせて波の型を入れ、金泥で摺り込んで行きます。
画像は一部ですが、着物の柄付けですのでこのような柄を複数加工するわけです。
見た目はすっきりしてあっさりしたものですが、加工そのものはやる方にすればハードルが高い難儀な加工です。
霞の上下の幅を揃える→生地の目に沿ってマスキングテープをカットする→波の型を合口を合わせて入れる(縫い目の柄を合わせる)→波の型を入れながら糊をぼかす→金泥を地色に合わせ調合する→刷毛で金泥を摺り込んでいく。
地色が濃い場合は刷毛むら等加工のアラが見えやすいので細心の注意が必要になります。
このような霞の加工は独立した当初から数えられないくらい経験しているので今は流れに任せて加工できますが、慣れない頃はあたふたしてました^_^;