Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ボトムアップ型ガバナンスを指向した日本型水圏環境教育

2011-01-18 | 水圏環境教育
 日本の教育システムは素晴らしいとよく言われる。1970年代のアメリカでは,莫大な資金が投じられ日本の教育システムが研究された。その理由は,日本人の勤勉さを解明し,それを応用するためであったようだ。
 
 ちょうどその頃,日本では伝統的な教育に対し問題意識が高まってきた時である。日本では現在でも様々な教育的な研究がなされているが,根本的に大人の世代の考え方が変わらない限り,どんなに子どもに良い教育をしたところで急に変革することはできないことを痛感する。

 私自身も,どんなに相手にとって有益なことであるとは言え,忠告することを躊躇ってしまう。申し訳ないと思う時もある。意見をいうことは悪いことである,というような気持ちを持ってしまう。

 こうした気持ちや雰囲気をどうしても打ち破ることは難しい。発想の転換が必要なのであろう。例えば,「この製品説明書は分かりにくいですね。」との苦言に対し,言い訳をするわけでもなく「ご提言を承り,エスカレーション(上申)致します。」と受け止めることは大変良い感じを与える。こうしたことが,年齢や立場を問わず可能となることが,ボトムアップ型ガバナンスを指向することになるのかもしれない。

 ただし,ここで重要なのは,自然的背景や文化的背景,そして精神的基盤はその国や地域により特有のものであり,お互いに尊重しなければならいことをしっかりと理解しことであろう。