Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ゴリラにある「共感性」

2018-04-17 | 水圏環境教育

2018/3/13 火曜日 23:11

 京大山極寿一教授の講演をきいた。ゴリラの研究で分かってきたことの一つに,ヒト科の生物にとって大切なものは共感であるという。ゴリラやオランウータンは,人間と同じヒト科に属する。ニホンザルのようないわゆる「サル」とは異なる。では,サルと何が異なるかというと,じっと相手を見て意思疎通ができるかどうかだという。ゴリラは,お互いに目と目を合わせて相手の心を読み取ることができる。つまり,相手に共感することができる。一方,サルの場合だと目を合わせることは反って闘争心をかき立ててしまうのだという。共感性は自己の欲望を抑えて、集団で生きていくために発達したのだという。

 さらに,胸をたたいて音を出す「ドラミング」は威嚇行為ではなく、喧嘩を戦いを未然に防ぐための行為であることも明らかになったという。チンパンジーやゴリラは相手の顔を見て意思を伝えようとする行動が見られることがわかった。さらにはこれに対してそれはそのような行為をする事は無い。相手の顔を見ると言う事は敵対することである。

 このようなヒト科特有の共感の気持ちは,おそらく言葉が発達する前に生まれたものだと言われている。また食物を分け与える。帰属すると言う気持ちが人間には本来備わっている。人間にとって同情することができる。これはもう人間は本来同情するために存在しているのである。食べ物は変え分け与えることによってお互いを尊重し合うことにつながるのだ。その意味で狩というのは人間にとって大切な行為なのである。

  しかし、集団に共感性が乗っかっている。集団間の争いが世界じゅうたえることがない。集団に依存した道徳性をどうするのか、今後の課題であるという。