鶴見川流域は、バクの形であるこのフレーズを聞いたことがある方はおられるだろうか?鶴見川流域ネットワークの会が唱えているフレーズである。また、流域思考という考え方を提唱している。鶴見川の支流を含めた流域は、源流域の町田市から河口域のある横浜市へと続いている。それらを俯瞰してみると、バクの形に見えるという。たしかに可愛らしい形である。
鶴見川流域ネットワークの会で活動していたという方にもお会いしたことがある。小学生の頃、河口域でカヤックをしていたという。また、流域センターがあって、様々な催しを行っているとか。
鶴見川流域ネットワークの会を立ち上げた方は、河口域で生まれ育ち、外遊びのとき、黒い雲が西の空にかかると町田が来ると叫んだとか。大雨が降ると遊び場の鶴見川に変化が現れたのだろう。鶴見川こよなく愛する彼は、今は鶴見川の源流がある町田にお住まいとのこと。はたして、鶴見川とはどのような特徴を持った川なのか?ぜひ見学をしてみたい、との往年思いが募っていたが、ついに現地を訪問する機会に恵まれた。
まず、武蔵野台地の最西端に位置する青梅市から車で源流に向うことにした。ナビで確認すると、面白いことに多摩川線と相模川を挟まれた小高い場所から、位置していることに気がついた。北を上にして地図を眺めては気づかないことだ。また、源流へと向かう道はかなり古い時代から利用されているのであろう、苔むした石垣が連なっていた。が、さすが東京である。かなり山奥であるはずであるが、しっかりと開発されて大型ショッピングセンターがどっしりとそびえ立っている。
源流が近づいてきたとたん道幅が狭くなり下り坂が急斜面になった。竹林に囲まれてまもなくすると、そこに噴水のようにコンコンと湧き上がる泉が見えてきた。
最初に目にした源流付近の泉。
鶴見川の説明の看板が、色落ちし見づらくなっている。源流域の説明が書かれていた。
こちらが源流はから流れ出る水。
鶴見川の説明の看板が、色落ちし見づらくなっている。源流域の説明が書かれていた。
こちらが源流はから流れ出る水。
鶴見川の源流周辺はのどかな農村風景が広がる。山に囲まれ水が流れる場所は、河口に流れ出る川の数だけ存在し、そこに人々が古い時代から生活している。特に山がちな島国の日本はこのような場所か全国各地にある。特に東京もそうである。東京都心部は、古川と神田川沿いに集落を作っているのだ。今の山の手の各駅はほぼ川沿にできている。
源流付近の田園風景から川沿いに河口へとナビをセットした。河口に近づくにつれて民家や商業施設が増えてきた。ナビを見ないと川の存在に気づきにくい。途中、高速に乗り換える。インフラの整備にどれだけ国費を使ったのだろうか?
高速を降りて鶴見区へ入る。橋の上から河口が見えてきた。閉伊川と同じぐらいの幅だろうか。
遠くに貨物船が見えてきた。日本最大の港を持つ東京港へと向かっているのだろう。