Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

UNESCO世界ESD会議に出席し,「サクラマスMANABIプロジェクト」を紹介させていただきました。

2014-11-12 | 水圏環境教育
世界ESD会議が名古屋で開催されています。
UNSCOの中にIOC Intergovenmental Oceanographic Commissionという機関があります。
世界の海洋に関する問題を科学的な観点から啓発しています。


IOCが主催して開催された「海洋教育を世界的にどう進めていくべきか」
というテーマの正式会合に参加させて頂きました。

エキスパートして出席させていただきました。

主催者側からパワフルな女性代表者が海洋問題の深刻さを訴えました。
そのためには地域の人々の努力が大切であると。
しかし,これに対してマオリ族の人々がから反対意見が出されました。
もっと,ローカルな人々の声を聞きなさいと。

ローカルとグローバルをいかに融合するかが大きな課題であり,そして持続可能でレジリエントな社会を構築していくべきか。
未だに解決できていない大きな課題です。

この会合で,さんりくESD閉伊川大学校と本研究室が取り組むサクラマスMANABIプロジェクトについて紹介させて頂く機会を得ました。
地域住民,行政,学校,漁協,商業組合,企業の皆様と科学者の立場である大学が一緒になって,子供たちの明日のために地域の自然環境をよく観察し,議論し,理解を深め,自然を崇拝しながら上手く活用し,そしてそれらを子供たちを含め多くの人々に伝えていくこと,これが地域の価値を高め,ひいては持続可能なそしてレジリエンスな社会を構築することにつながるのだという考え方を披露いたしました。


トンガ出身のNZのワイカト大学のプロフェッサー。腰巻きに注目。

マオリ族の方々の考え方も日本人の考え方によく似ている。人の命は海の生き物の命と同じ,みんな同じ胎盤の中にすんでいる。空,海,山,川,すべてが自分たちとつながっている。魚が食べられると言うことは自分が食べられると言うこと。海を汚すと言うことは,自分たちが汚れると言うこと。なぜなら,私たちは,同じ胎盤の中に住んでいるのだから。と。縄文の私たちの祖先は,マオリの人々と船でつながっていたのではないか。太平洋は島国が多く,船で交流を深めていたのだろう。海の事岳でなく,自然環境を良く理解していたのであろう。科学技術が無くても太平洋を航海できる術を持っていた。科学技術は逆に彼らの持つ技術を衰退させてしまったどころか,自然と人間とのバランスをいつのまにか破壊した。このことはもう一度振り返る必要がある。同時に,科学技術の功罪についてもっと明確に理解を深めるべきである。そして,両者にある壁を取り除き,融合させる必要があるであろう。そのことがこれから求められていく。早めに取りかからないと100年後には取り返しのつかないことになる。

この会議の宣言文にも意見させていただきました。ローカルな取り組みとグローバルな取り組みの接点をいかに作るか。これからの取り組みに期待したいと。既に取り組んでいるフランスやアメリカなどは必要ないのですが,問題は日本です。海洋教育の個々の取り組みが,個人的な取り組みで終わってしまっています。アメリカのシーグラントカレッジ,フランスのオフィスデラメールなど,しっかりとした国の支援が必要なのです。日本では,岩手大学がエクステンションセンターを沿岸部に設置しています。いまだ始まったばかりですが,今後こうした機関がUNSCO等とつながりそして日本全国に広がることを期待したいと思います。




日本教育心理学会に学生と参加してきました。

2014-11-10 | 水圏環境教育
日本教育心理学会に学生と2人で参加してきました。
私は,閉伊川のサクラマスMANABIプロジェクトについて,学生は港区の運河学習についてです。
https://confit.atlas.jp/guide/event/edupsych2014/static/programpaper
3日間にわたり神戸国際会議場で開催されました。講演会,ワークショップ,ポスター発表と数多くの発表と交流の場が与えられました。

「学びの場が生まれるとは」と題し佐伯胖(ゆたか)先生の講演会がありました。
特に印象に残ったことは,
1行動主義全盛時代の流れを未だ引きずっている。
2正統的周辺参加論は誤解されている。
3「教育的}心理学とは
1について行動主義とは,人間は行動の法則で理解できる。
だから実験のみで結論を出す。
思考,意味,概念は心理学ではない。
という考え方である。
しかし,この考え方は破綻していると明言した。
だが,破綻しているのに未だ行動主義は有効なのはなぜか。
それは,ヒトは「教えられる」とき,自ら「考えるスイッチ」を切る。
つまり「言われた通り」を実行するからだという。
人間は教えた通りに実行するのである。
だから怖いという。

2正統的周辺参加については人類学的なものであり,関心は人間の営みの記述。
何がのぞましいかを口が裂けても言わない。
したがって,教育論にはなり得ない。
社会学者や人類学者と話をすると歯がゆい思いをするのはこのためである。

3については,
人は互いに良さを認め合い教え合う関係を持つ存在であり,それを支援するのが教育である。
そういう人間のココロザシ(マインド)を研究するのが教育的心理学であると。
すなわち,聴き合うことを暫定的に実現しようとする事こそが重要なのである。

教育心理学は,行動主義的研究と非行動主義的研究すなわち正統的周辺参加論的な研究の2つの流れがあるということでしょう。
どうしても結果が明確にでやすい前者の研究に目が奪われますが,後者のような研究手法(すなわちプロセスを重視する考え方)こそ,本来人間の研究として大切なのかもしれません。


第7回宮古水産物研究会 が11月11日「鮭の日」に開催されます

2014-11-07 | 水圏環境教育
宮古水産物商業協同組合主催の料理教室 が,鮭の日である11月11日「男女共生参画センター フラットピア宮古」で,Ginzakaseiのオーナーシェフ坂田幹靖氏をお招きして開催されます。
高級食材「宮古水産物」を使ったフランス料理の提案です。
今回の講習会は,宮古水産物商業協同組合が全面的にバックアップし会費は無料です。
東京から出かけてもおつりが出るぐらいの超豪華なメニューです。
「天然宮古さくらます鮨 海を知り川に学ぶ」に続き,宮古水産物商業協同組合がプロデュースした新メニューも公開されます。
ご期待下さい。



7回宮古水産物研究会
Ginza kansei
オーナーシェフ 坂 田 幹 靖 氏    
1976 御茶ノ水山の上ホテル入社ホテル在職中に休職・渡仏85年退社
1986 銀座レザンドール 料理長89年退社
1990 青山1丁目にKANSEI開店
1999 KANSEI青山1丁目外苑東通り沿いに移転
2001 フランスチーズ鑑定士(シュバリエドフロマージュ)受任
2004 12月GINZA kansei 開店
2005 前年開店したGINZA kanseiの内装がJCD環境デザイン優秀賞受章
2008 4月岩手県いわて文化大使を拝命 
2008 5月盛岡商工会議所 南部鉄器ユーロ向け輸出鉄器のアドヴァイサーとして委嘱
2008 11月豪州食肉家畜生産者事業団(mla)の招待でオーストラリア食肉の視察
2011 農林水産省2011「料理マスターズ」受賞
2011 津波被災地食ボランティア活動をはじめる
2014 天然宮古さくらます鮨 海を知り川に学ぶ レシピ提供 
料理教室
高級食材「宮古水産物」
を使ったフランス料理の提案
場 所 フラットピアみやこ(宮古市田の神) 
日 時 11月11日(火) 9時-12時
申込先 山内魚店
 水産物は,食料としてだけでなく人間の生活に潤いをもたらす生態系サービス※の構成要素です。近年,地球温暖化,水質汚染,ダムの設置により水圏環境に大きな変化が生じ水産物に影響を与えています。幸いなことに岩手には水産物を育む美しい森・川・海が残されており,種々の天然の水産物が漁獲されます。このような水圏環境は大変価値が高いものであり,世界遺産といっても過言ではありません。そして,清澄な水圏環境が育んだ水産物を有効に活用し続けることは,生態系サービスを維持し水圏環境を保全することにつながります。今回は,フランス料理シェフとして数々の賞を受賞しているGinza kansei オーナーシェフ坂田幹靖氏をお招きし,宮古港に水揚げされた高級食材「宮古水産物」を使ったフランス料理のご指導を頂きます。宮古水産物を世界に発信するきっかけとなることを期待しています。
※生態系サービス・・・我々人間が自然界から受ける多種多様な恵みのこと。例えば,美味しい魚が食べられるのは,森,川,海それぞれの恵みがあるからです。この恵みのことを生態系サービスといいます。日本人は古くから多種多様な自然現象に畏敬の念を抱き八百万の神様として大切にして来ました。

主 催 宮古水産物商業協同組合
共 催 岩手大学三陸復興推進機構 宮古エクステンションセンター
    東京海洋大学水圏環境教育学研究室 
    一般社団法人 日本水圏環境教育研究会