遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

侠(おとこぎ)

2006-12-20 21:34:12 | BIONEWS
生物の性は♀が原形で♂はその派生形だ。東大の野崎教授は神奈川県の湖で見つけた新種の藻類のゲノムを解析して、♂だけに現れて精子の核に存在する遺伝子を発見。これを♂であることを決定する遺伝子としてOTOKOGIと名付けた。漢字で書くと一文字で『侠』だそうな・・・。命名権は発見者にあるから自由にすればいいんだけど、ほどほどにしないと後で違ってたことが分かると面倒なことになるよ。ま、いいんだけど・・・・。
酵母ではほとんどの遺伝子に名前がついてしまってるんで、僕は研究している遺伝子に名前を付けたことはない。先に付けられた名前を尊重することは大事だと思うからだ。もちろん、昔付けられた名前が現状に合っていない例も多いが、それでも尊重すべきだと思う。名前ってそういうもんだろ?

さてこのOTOKOGI、性差のない同型配偶のクラミドモナスも持っているという。『合目的性』で遺伝子やタンパク質の存在を説明したがる研究者は、おそらく性差がないのなら持っているはずがないなんていうだろうが、僕は細胞の持ってる遺伝子やタンパク質ってのは、真核細胞なら一通りのものは持っていると考えている。持ってるんだけど使い方が違うだけだ。たとえば、単細胞生物には多細胞生物の機能がないなんてこと言ったら、単細胞生物から多細胞生物へは進化しないだろ?無駄があるから進化があるとも言える。細胞が必要に応じて最小限度のパーツしか持ってないなら発展性がないもん。

記事のURLは、http://www.sankei.co.jp/culture/kagaku/061219/kgk061219000.htm

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コメント
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