遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

バブルなサイエンスパーク

2010-01-28 22:43:48 | BIONEWS
バイオ研究の拠点、千葉の3セクが再生法申請(読売新聞) - goo ニュース
まだ営業は続けて出資企業を募り再建を進めるそうです。この不景気にこんなとこにお金を出してくれるって・・・あるの?? 中国とか中東あたりのお金持ちにお願いするしかないんじゃないか? もう地方の3セクがつぶれたときにお金の出し手が日本語を話すかどうか気にしない方がいいと思うよ。
ここにはかずさDNA研究所という研究所がありまして、酵母の研究者も重鎮クラスの先生が招かれて研究していました。基本的には農学系(植物系)のゲノム研究者が多いという印象を持ってます。
一度だけかずさアカデミアパークに行ったことがあります。記事のタイトルに『バイオ研究の拠点』とありますが、実際はそれにはほど遠く、DNA研の他にはスポーツクラブとか豪華なホテルとかがあっただけという記憶があります。僕のようなしがない大学研究者にはこのホテルに宿泊するだけの出張旅費なんてでませんから、木更津駅前のビジネスホテルに泊まった覚えがあります。偉い先生やVIPを泊めるためだけにしては、でかくて豪華すぎる。安い部屋も用意してくれたら良かったんに。
海外の学会に参加したときに何度か向こうの大学のドミトリーに泊まったことがあります。学生寮なんですが、ゲスト用の部屋があるんですよね。僕が経験があるのは、カナダのトロント大とブリティッシュコロンビア大、そして、英国のケンブリッジ大。どのドミトリーもシンプルで気楽に泊まれます。小さなベッドに木の机、使い古されたポットがあるだけ。シーツも取り替えてくれたりくれなかったりまちまちでしたが、そのいいかげんさがいい感じでした。宿泊施設なんて、こんなのでいいんだよ。日本は箱ものを豪華にしすぎる。
この施設の会議場『かずさアーク』のエントランスにズラーッと公衆電話が並んでいたのがすんごく印象的でした。つまり、そこは『圏外』だったんですよ。バブル時でも、そういう僻地にわざわざ研究所を建てる企業なんかないのが現実でしょう。関東に研究施設作るなら、もっと都心に近いところか、筑波に建てるのが常識的な判断。当初は14年間で45億円が集まると強気の計画を立てていたらしいですが、結局、協力金の出資企業は3社のみで、計9億円にとどまったのが敗因らしい・・・・そろそろ本気で、そういう予測を立てた人にある程度のペナルティを負ってもらわないと、こういうことが永遠になくならないんじゃない? 弁償しろとは言いませんから、当時の予想の計算根拠を皆の前に出て実名で顔を出させて説明するくらいのことはしてもらわないと・・・ダムも空港も高速道路も出される予想データが数倍レベル(!)で外れるじゃないですか。それも作る側の都合のいい方に。
千葉県が出した52億円は回収不能となる可能性が濃厚だそうです。

本日のお酒:KIRIN 一番搾り + 日栄 本醸造
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする