遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

脳の発達のお話

2011-08-24 20:20:35 | BIONEWS
調理と早食い、サルとヒトの分かれ目? 米大学研究成果
早食いだとよく指摘されるんですよねー。ゆっくり食べる必要も感じない・・・というか、食事にかかる時間はロスタイムでしかないんだけどおかしいでつか?
このハーバード大の研究はまさにそういうお話。人類が調理を覚え、食料を食べやすい大きさに切り、火を使ってやわらかくすることで食事にかかる時間が短くなり文明が生まれたと。まあ、調理してる時点で文明レベルはかなり高いような気がするけど、生存に必要な活動が効率化されると生活に余裕ができ、それ以外のことができるのは事実です。こうやってブログ書く時間がとれるのもさっさとメシをすませてるからなんよ。w

チンパンジーの脳、ゆっくり発達…京大研究(読売新聞) - goo ニュース
脳の発達が我々人類の重要な特徴なんですが、生まれてくる時にはむしろ未熟で、発達はゆっくりなんだそうです。だからこそ、成長過程で環境に適応した神経回路が作られ、社会性の発達や知識を獲得するとみられると考えられるらしい。何でも早いのがいいかというとそうでもないんですな。
類人猿以外でも同じかどうか興味深いですね。発達した大脳を持ち社会生活を営む大型ほ乳動物の脳の発達過程が特に。誰かクジラでやってくれないかなぁ。w

少しは分子レベルのお話も・・・
JSTとOBI、マイクロRNA「miR-124a」が海馬や網膜の正常な形成に重要と発表(マイコミジャーナル) - goo ニュース
脳発達に必要なマイクロRNAが報告されました。マイクロRNAはセントラルドグマにのっていない小さなRNAでして、メッセンジャーRNAに対合して翻訳を邪魔したりメッセンジャーRNAの分解を引き起こしたりします。まあ要するに遺伝子の発現を抑制するように働きまする。脳細胞内で大量に存在しているマイクロRNA miR-124aに目を付けたこの研究グループは、このRNAを破壊したマウスを作成して脳の発達過程を観察、海馬でのネットワーク異常と網膜の錐体視細胞が細胞死を起こしていることを見つけたそうです。miR-124aの標的遺伝子であるLhx2の発現が抑制されることがこういった脳神経系の発達に必要であることが・・・・・えと・・・読んでる? 疲れてきたでしょ??
てなわけで、最近流行のマイクロRNA機能解析の一例でした。このマイクロRNAって、小さい故に合成も比較的簡単なので、機能が分かれば非常に有用な低分子物質になりうると注目されているのですよ。
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2 コメント

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温もり (紙屋さん)
2011-08-25 09:32:42
あんたの小さいときは、決して早食いではなかったよ。どうも「アメリカ生活」から早食いの習慣がついたのだろうと思っています。仕事しながら、コーヒー片手に、がぶり付くハンバーガーの世界がいかんかった?。みそ汁やどんぶりの「温もりを味わう」事も大事(今は無理であっても将来は・・・)、食事時間・休憩は次のステップへのエネルギーのリセットなんですから・・・。Macデスクトップ・キーボードのカバー頂きました。感謝です。
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アメリカ時代は (いでんや)
2011-08-25 21:46:50
一番自炊してた頃なんだけどなぁ・・・。
彼の国で外食するとお金がかかってしょうがないんですよ。
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