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旧精神科医療は思想警察なのか?

アルコール依存症の具体的な内観の仕方について

2019年05月11日 | 精神看護実習向け

今回はIM理論をメインに書きません。

表題の通り、アルコール依存と内観について書いていきたいと思います。

アルコール依存症の患者は、入院してきて、アルコールを飲まなくなると、一時的に普通の人に戻ってしまいます。

自分の置かれている立ち位置が理解できているのです。

しかし、自分が実際、「アルコール依存症でどうしようもないクズのような人間である」という現実は知りません。

記憶がなくなるまで飲酒しますし、記憶がなくなってからいかに自分がやらかしているかを覚えていないからです。

まさに、「アルコールによる解離障害」とでもいえそうです。

つまりアルコール依存症患者というのは、無意識に飲酒という道具や機会を使い、「解離してしまっている」のです。

では、解離とは一体何でしょうか?

一言でいえば、現実逃避、もう少し詳しく言えば、「脳が正常に機能していない時間帯のこと」だといえます。

つまり、その「解離している時間」に関しては、極端な話、記憶がないし、正常な判断をしているかどうかも本人は不明なのです。

アルコールやギャンブルの危険性は覚せい剤などの薬物と同じであると「依存症ビジネス」のカテゴリーで書いています。

(詳しくは以下のリンクの記事を読んでみてください)
・リーガルハイ(=危険ドラッグ)とドクターフィールグッド(麻薬供給者)
2018年07月24日

セブンイレブンは終わる。「アルコールを飲むと幸せになれる」と満足するのでなく「アルコールを飲まないと幸せを感じれないこと」が問題だと思わない不幸な思考パターン。2018年07月20日

「国策としての依存症のありかた」酒・タバコも大麻(マリファナ)も同じ。なぜ大麻は擁護派と反対派がいるのか?2018年07月12日

ラーメンのスープとアルコール依存症との関係性はスープの抽出技術が類似しています。2018年07月25日


では、そのような危険な「解離」を引き起こしてしまうアルコール飲酒、これを繰り返してしまう人たちの心理とは一体何?なのかということになります。

まずもって、アルコール依存症の患者が入院してくると、ほとんどの看護師は嫌がります。

それはなぜか?

アルコール依存症患者は、すべてを「人のせい、周囲のせい、社会のせい」と責任逃れしてくるからです。

正論ばかり言ってくる割に、実際の行動は卑怯で姑息なことばかりするのです。

つまり言行不一致なのです。

そもそも、精神病とは「言行不一致」な生き方をしている人たちの総称なのですが、その中でも「他者への攻撃性が極めて強い人がアルコール依存症患者」だといえます。

全くもって温和でないのです。

アルコールの持つ脳への破壊力は、アルコール依存症患者をみれば、一目瞭然です。

それなのに、テレビをつければ至る所でCMが流されており、「今日も疲れた、ビールでも飲んで、パーっといきましょ!」

と平素から誘惑してきます。

(木村拓哉)

(イチロー)

(長瀬智也)

これほどまでの著名人、有名人、芸能人が「一日の終わりのは最高!」と言わんばかりに、美味しそうにアルコールを摂取していますね。

しかし、実際ビールなどを飲んでみるわかると思いますが、「ただの苦い炭酸水」です。

これはまるで煙たいだけの「タバコ」と同じではないでしょうか?

いかにもそれらの嗜好品を嗜むことが「大人への入り口である」かのようにメーカーがマスコミを使ってCMなどにより刷り込んできただけなのです。

それら大人の嗜好品が嗜めないひとはカッコ悪いというイメージを必死に刷り込んできました。

本来ならば、「仕事で疲れて帰ってきて息抜きするためにビールを飲む」のではなく

「ビールというアルコールに頼らなくては、息抜きできないくらい追い込まれている仕事量を乗せてくるような会社に勤めている」という現実に問題があるという認識を持つべきなのです。

また、

『そのような会社で働いて、それなりの給料を貰わないと生活していけない自分のお金の使い方、金銭感覚』

や、

『社会全体が生活するのにお金がかかりすぎるという問題について向き合っていかなくてはいけない』

とは思いませんか?

月収15万円、ボーナスなしでも、週4日働いて、3日休みなら、手取りは少なくても心は豊だと思いませんか?

年収600万円もらっても、朝から晩まで、休日も仕事をしていて、何が幸せなのでしょうか?

 

つまり、人生の問題に向き合ってこなかった人は誰しも、アルコール依存症になり得るのです。

少し話が飛躍したように感じるかもしれませんが、これは「あなたは何故仕事をするのか?」という理由に深い意味が隠されています。

内閣府調査で、多くの人は、「収入のため=生活していくため」に仕事をしています。

実に6割近くの人が「お金のために仕事をしている」のです。

では、「その収入がなければ、本当に生活できないのか?」という話になります。

ベーシックインカムという言葉があります。

ベーシックインカムとは政府から国民に支払われる生活費のことですが、これが人間一人当たりの1か月の最低生活費が10万円程度とされています。

生活保護受給者がおおよそこのくらいの受給をしており、医療費や介護費は無料となっています。

これは2017年の政府案ですから、50歳代独身の方の生活保護費は8万円しか支給されていません。

それをさらに7.6万円まで減額しようとしているのですから、政府は恐ろしいですね!

 

さて、「飲酒」から「働く理由」まで来ました。

ここで本題に戻ります。

脳機能を狂わせ、陶酔感と同時に、「解離」という現実逃避を脳に起こさせる、危険な物質アルコール、これらを使って、身を滅ぼす人たちが後を絶ちません。

アルコール依存症患者の精神世界で起こっていることは、「宝くじ1億円が当選してしまった人」と同じ心理だと思います。

「まだお金は残っている、さぁ楽しもう、お金を派手に使って人生を謳歌しよう」

一方で「お金がなくなったらどうしよう、、、無くなってからのことはその時考えればいいや、今を楽しもう!」

という現実逃避をしているようにしか思えません。

 

・「夫婦喧嘩」をしているのに、お酒を飲んで解決するでしょうか?

→夫婦で向き合って話し合いしなくてはなりません

←(いやいや、夫婦のもめごとなんてみっともない、とりあえずうまくいっているように見せておけばいいんだよ)

 

・「借金」があるのに、お酒を飲んで解決するでしょうか?

→弁護士に相談するなり、1時間でもよいので働きに行き、借金してしまう習慣をなくしていかなくてはいけない

←(借金あるけど、あれも欲しい、これも欲しい、贅沢したいよなぁ、パチンコやギャンブルしたよなぁ)

 

・「仕事がつらい」のにお酒を飲んで解決するでしょうか?

→職場を変わるか、上司に相談すべき

←(俺にはこの仕事しかできそうにないし、新しい仕事がみつかるかどうかもわからない、転職してもまた1から人間関係つくらなければならないし、年下の上司に顎で使われるのは嫌だ、下っ端からやり直すのは嫌だから、なんだかんだ言って辛いけど、今の職場でいいじゃん)

 

()カッコ内が「問題と向き合わない人たちの考え方」です。

彼らの思考回路を支配している「価値観、考え方」とは一体何でしょうか?

それは「怠惰」「傲慢」「自尊心、プライド」です。

現実問題に向き合わない要因は「怠惰」「傲慢」「自尊心、プライド」がさせているのです。

つまり、人間性を高める、徳を高めてこなかった人は、「表面ばかり取り繕って、内面のどろどろとした部分、ひっかかっている部分を放置して解決しない」のです。

人間性の高め方を知りたい方はこちらの記事をどうぞ

(正しい生き方とは?知りたい方はこちらの記事をどうぞ)

怠惰や傲慢、自尊心、プライドがある人がどうしたら、克服できるのでしょうか?

それらの価値観、考え方が突然なくなることはありません。

しかし、「そういった価値観を持って生きてきたことが過ちの原因だった」「それらが全ての問題の元凶だった」と知って、認めることです。

これは人から言われて素直に受け入れらるものではありませんね。

なぜなら「人格否定」「価値観の否定」だからです。

世の中でいう、「人格否定」とはその多くが、会社でのパワハラまがいのものばかりですね。

「仕事ができないからお前はクズだ」

「仕事が遅いのはお前の両親の育て方が悪かったからじゃないか?」

などという「仕事ができれば人間として優れている」と洗脳されてしまっている管理職です。

サラリーマンのする仕事なんてしょせんは「分業」ですよと一言言ってあげたくなりますね。

仕事というのはそれ自体に生産性やお金との等価交換価値があるのものですから、それこそ創業者や経営者が行っていることが「仕事」であり、サラリーマンのしていることは「そのおこぼれをもらうための仕事の一部を分業して遂行しているに過ぎない」のです。

「人格否定」の話題はこれくらいにしておき、

みずから人格否定をしていかなくては「アルコール依存症」という問題には立ち向かっていくことができません。

ですから、ここからが本題となるのですが、私は精神科実習において学生に指導しているのは、

「どうしたら、アルコール依存症患者が、内観できるようになるだろうか?」

ということを考えてもらっています。

CBT(認知行動療法)やカウンセリングで何とかなるでしょうか?

なるわけありませんよね?

アルコール依存症患者に必要なのは「人格否定」のプロセスなのですから。

そこで私は、大切な人、お世話になった人、家族や友人に「手紙でもかいたらどうか?」

と提案しています。

一緒に書いてもいい、一緒に文面を考えてもいい。

普段、口では言えないことでも、手紙なら伝えられることが多いからです。

「反省文を書け」とはいいません。

「入院中の現状を伝えたらどうか?」

というスタンスです。

そしてその手紙作成の中に、「内観」が出てくるのです。

文章にすることで、自分を振り返り、見つめなおす機会を設けるのです。

人から指摘されてやるのでなく、進められて自ら行うのです。

「反省文」というものがこの世には存在します。

この反省文は一体誰に出しているのでしょうか?

宛先は法務教官かもしれません、学校の先生かもしれません。

それでは効果がない。

期待を裏切って申し訳なかったと思う人に向けて書くべきなのです。

それが家族じゃなくてもいい、友達でもいい、バイトの先輩や後輩でもいいのです。

そういう「期待を裏切って申し訳なかったな」と思う人に向けて書く文章や手紙には、その人の「心、胸の内」が反映されやすい。

それはつまり、「もう1度やり直したいな」という、素直な、内観していく過程の第1歩であることが多いからです。

この手紙は高校入試合格したから両親に感謝の手紙を書いている内容です。

とても薄っぺらい、子供が書く文章ですが、この程度でもよいと思います。

アルコール依存症患者は「寂しさ、むなしさ」といった虚無感から飲酒するといいますが、それらを克服するにはどうすればいいのでしょうか?

AAや定期診察に行くことで「寂しさや虚無感」がなくなるのでしょうか?

ピアサポートが何かしてくれるでしょうか?

実際、そういった断酒会などは人間関係が難しく、多くの人が続けることができません。

私たちは「愛」を教わらずに生きてきました。

「愛」知らないため「自分の成功のために」「自分の欲望を満たすために生きること」が人生の目的だと思って生きるしかないのです。

 

実はそうではありません。

人生の目的やそれを達成する目標は明確に存在しています。

それは小難しい哲学では知ることはできません。

人間とは目的地、地図を手に入れて初めて、主体的に生きることができるのです。

エリクソンはそれを「自我同一性の確立」と表現しました。

それを青年期18~22歳で獲得するものだという暴挙を提唱していますが。(汗)

 

自我同一性が確立されれば、アルコール依存症になることはありません。

自我同一性はどのように確立されるのでしょうか?

それは「人生の目的、ゴールを知ること」から始まるのです。

「目的、ゴールを知ったうえで、じゃな何がしたいのか?どうなりたいのか?」という方向を決めることにより「自我同一性が確立される」のです。

つまり、「単に自己中心的な考え方で、あこがれの先輩のようにとか、芸能人のようにとか、メディアに出ている経営者のようになりたい」というような動機でそれを「天命だ!」と言って方向を決めても、結局利己的、自己中心的な動機であるため、挫折しても立ち上がれず、モチベーションも長続きしません。

そこに「愛」が存在しないからです。

「愛」について知りたい方は「こちらの記事」をどうぞ。

 

アルコール依存症の内観のプロセスについて書いてみました。

精神科看護実習でアルコール依存症患者を受け持つことは少ないかもしれません。

しかし、境界性人格障害や強迫性障害、拒食症といった境界例やそのほかPTSD,ASDのような神経症圏も同様なことが心の中で起こっています。

是非、活用してみてください。

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