私は精神科での病棟の臨床経験から、当初、「精神病、病気とは突然発症するものだ」と考えていました。
当然、そのように考えていたため、「患者が悪いのではなく、病気がそうさせているのだ」
と本気で信じていました。
しかし、精神科救急で勤務していると、リピーターよりも、初回の時間外の入院が多い。
予約入院よりも、緊急的な入院が多いのです。
そこで入院してくる人たち(患者たち)は、実は「ノーマルな人ばかり」だったのです。
例えば、ASD(急性精神反応)で入院してくるような人は、亜混迷の状態が多いです。
家族から話を聞くと、
『仕事が立て込んでいて、やっと休日の予定が経ち、遠方に住む交際中の異性に会いに行く前日に
急に、興奮した様子が出てきて、何を話しても反応がなくなり、ただ目を開けて何かを訴えようとしているだけだった」
というようなケースです。
さらに詳しくはなしを聞くと、「交際中の異性に会いに行くことを楽しみにし、仕事を不眠不休で片付けていたため、3日間ほとんど寝ずに
過ごしていた。途中からハイテンションになってきて、最後は硬直状態になってしまった」
というのです。
結局、この患者は、診察室でセレネース1A+生理食塩水10mlをIVして、その後輸液でセレネースとソリタで持続点滴し、Baカテーテル挿入、上肢身体拘束し、丸2日間寝てもらい、3日目の朝には疎通がとれ、拘束解除され、7日後には、一般室で過ごし、2週間後には自宅に退院しました。
この時、担当のDrとは「ほとんどの精神病は、何らかの理由で不眠になり、不眠から興奮状態、ハイテンションが続いて異常行動を取り始めるところから始まる。
だから、躁病→躁鬱→統合失調感情障害→再発→統合失調症となる人が多い」
と話をしていました。
不眠になる人、寝られなくなる人は、のめり込む力があるが、区切りをつけるという活動と休息のバランスが悪いから、「脳がオーバーフローを起こしていることに気付かない」それが何度か繰り返されることで、アクセルとブレーキ制御が効かなくなり、脳機能不全を起こすのだという考え方です。
これは「ストレス脆弱性説」そのものですね。
この患者は、疎通が良くなってから、精神病院に入院していることの状況が飲み込めず、一度パニックになり脱走を試みます。
しかし、敢え無く屈強な看護人に抑え込まれ、最後はセレアキ(セレネース+アキネトン)の筋注でセデーション(鎮静化)されてしまいました。
その後は状況が飲み込めたようで、普通の人になってしまったのです。
次の例では、親に騙されて精神科受診させられて、あっけなく医療保護入院(強制入院、非自発的入院)させられた40代引きこもり男性の話です。
日勤終わり掛けの時間に外来から「男性応援お願いします、隔離室空けといてください」
と病棟に連絡がありました。
名札、筆記具を外して外来に向かいます。
「どんな患者がくるんですかね?」と笑顔で向かいます。
外来診察室外で外来師長に笑顔で挨拶、「お疲れ様です。」
「結構、元気のいい、初回の人だわ。昼一(13時から)かれこれ2時間以上入院の説得しているけど断固拒否。
医保で隔離スタートの予定だよ。家族からは同意とってあるから」
と和やかに立ち話します。
そして、診察室から付き添いの看護師からの入室の合図があるため、診察室に入ります。
患者の両側に看護師が座り、Drが医療保護入院の説明を続けます。
男性は母親を睨みつけたのち、悲しい表情を浮かべ「仕方ないですね。」と諦めて男性看護師3人に囲まれて病棟まで歩いて行きました。
(時に、車椅子で搬送するときもあります)
隔離室にボディチェックを受けて入室し、おとなしく座って過ごします。
幻聴、妄想、独語、まったくありません。
3日くらい隔離室生活が過ぎた頃でしょうか?
夜間不眠になり、眠剤が増量になります。
入院1週間たつと、「誰かがこの部屋を見ているきがします」「部屋を明るくしてください」と夜間の不穏が始まります。
そして、「ここから出してください、殺されそうです」
と話し始めます。
幻聴、妄想、独語が先だったのでしょうか?
いえいえ、これは隔離室という独房に入れられて、抗禁反応と向精神薬による薬害での脳機能異常の他ありません。
なぜならば、この男性は、高校入試に失敗してから、不登校になり、それから10年以上自宅引きこもりをして、親からお金を無心して好き勝手に毎日ゲームをしたり、音楽を聴いて放蕩生活をしていただけだったからです。
気に食わないことがあると、母親を呼びつけて暴言や暴力を振るうだけ。
家族が「ご近所さんの目があるから、お願いだから昼間は出かけないで欲しい」と言われ、夜間にコンビニやレンタルビデオ屋に出かけるようになり、完全な昼夜逆転となってしまう。
部屋はゴミ箱状態になり、風呂も入らなくなる。
コンビニ弁当、カップラーメンやアダルトビデオまみれの部屋からはトイレと買い物以外、外出しなくなったというのです。
何か声をかけようものなら「うるせー、ババぁ。こうなったのもお前のせいだぞ」と暴言を吐くのみ。
いかがでしょうか?
確かに、高校入試を失敗して挫折してしまったのは、本人の責任もあるでしょうが、親も少なからずそこに加担しています。
「息子を追い込んだ覚えはないのですが」
これが親の言い分です。
しかし、本人の言い分はこのような内容でした。
「親からは、父親のように低学歴だと人生苦労するから、あなたは進学校に行き、良い大学を卒業して公務員にならなければいけないよ。父親みたいになってはいけないからね」と言われ続け、いつもいつもストレスだった。
父親を陰で見下す母親。過剰に息子に期待してくる母親。
勉強しても勉強しても思うように点数が取れない現実。
入試に失敗して、滑り止めの高校に入ったが、周囲は高校に遊びに来ているだけのバカばっかで嫌になった」
それから不登校になったが、両親は親戚に、僕の存在を隠すようになった。
高校卒業の年になってくると、「息子は東京の大学に進学して下宿している」と親戚に話していると、他の兄弟から耳にした。
大学卒業した時期になると「東京で就職した」と親戚に話しているという事も耳にした。
成人式も同窓会にも行けない僕には、もう社会に、家庭にも居場所がなくなってしまった。
このように話してくれました。
母親と引きこもりだった青年、どちらがまともでしょうか?
どっちもおかしいといえばおかしいのですが、彼が初回入院したときの診断名が「統合失調症」。
所見はというと
「未治療期間長く、統合失調症により自宅引きこもりが続き陰性症状著明。時に家人への暴言・暴力などあり」
あれれ?
家族(母親)からの言い分しか聞いてない。
これが精神科医療の現実なのです。
当の彼(患者)はというと、重症慢性期病棟に移り、職員付き添いで喫茶外出が楽しみな日々を送っています。
多飲水があり、毎日体重管理をしているくらいです。
(多飲水、水中毒、抗精神病薬の副作用のメカニズムについて詳しくはこちら↓)
●多飲症、水中毒患者の手前の状態では、厳密に飲水量を管理しない理由
ほぼ廃人です。
2事例を今回は挙げてみましたが、精神科救急では、薬物やアルコールのような物質依存以外での入院は、このような「家庭環境に問題があるノーマルな人」が強制入院させられてきます。
別の視点から言えば、「警察がモノにならない案件」も保健所経由で送られてきます。
警察案件は本来、措置入院か緊急措置入院の対応となるのですが、なぜか医療保護になる場合もあり、かなり人権的にグレーです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(措置入院 23条警察通報)
措置診察の開始まで
22条から26条の3までの規定によって都道府県知事に通報等があること(27条1項)
22条は一般人からの書面による申請、
23条は警察官の通報、
24条は検察官の通報、
25条は保護観察所長の通報、
26条は矯正施設長の通報、
26条の2は精神科病院管理者の届出、
26条の3は医療観察法の通院処遇者に関する通報である。
22条、24条、25条、26条についてはその通報者等において自傷他害のおそれがあるとの判断を要しない。
22条、23条、26条の2による場合は最寄りの保健所長を経る。
必ずしもこれらの通報等がなくとも職権で措置診察をなしうる(27条2項)が、自傷他害のおそれが明らかであることを要する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
本来であれば、精神病院は不要だと思います。
しかし、告訴権者である家族が身内からの被害を隠蔽するために、「器物損壊罪」や「傷害罪」などで被害届を警察に届けない限り、警察は動く事ができないのが現状です。
そういった、臭い物に蓋をするという「隠蔽体質」の日本文化の影に、精神病院の存在価値があるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(臭い物に蓋をする)
とは、「都合の悪い事柄を外に漏れないよう隠してしまう」という意味です。
失敗や悪事などの問題を解決しようとするのではなく、あくまでも一時しのぎでやり過ごそうとすることなどを指します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
いかがでしょうか?
まさに、精神病院の存在とは「治安維持」であり、「家庭内の隠蔽工作」のために使われている施設だといえるのです。
また、1950年代からクロルプロマジンが開発され、薬物療法が盛んになったとありますが、
クロルプロマジンの原料は何かご存知でしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(クロルプロマジン)
1950年、フランスの製薬会社ローヌ・プーラン(Rhône-Poulenc、現サノフィ・アベンティス)により、抗ヒスタミン薬として開発されたものの、鎮静作用が強すぎる上、抗ヒスタミン作用が少ないと当時は評価された(整理番号は4560RP)。
ドパミン遮断剤のほか、古くからヒベルナシオン (hivernation) という麻酔前投与剤として知られていた。
1952年2月、外科医であったラボリが麻酔とクロルプロマジンを併用したところ、精神症状の変化に気づき、精神科治療での有用性を示唆した。同年3月に精神疾患患者でのクロルプロマジンの効果がみられ、その後1年の間にフランス全土で統合失調症に用いられるようになった。翌年にはヨーロッパ全土で用いられるようになった[1]。
クロルプロマジンの薬理作用は、ドパミン遮断効果(その作用機序は、脳内の中枢神経系で、興奮や妄想を生み出すと考えられている、神経伝達物質ドパミンのD2受容体の回路を遮断する事にある)を有することは、ラボリの発見まで知られていなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
クロルプロマジン=ヒベルナシオン、実は殺虫剤として使われている薬剤です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( クロルプロマジン塩酸塩 12.5mg,25mg,50mg,100mg. 一般名. 和名:クロルプロマジン)
有機燐殺虫剤. 縮瞳,徐脈等の症状があらわ れることがある。
本剤は有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し. 毒性を強めることがある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)
石油を原料とした、有機リン系農薬、殺虫剤が原料なのですね。
コリンエステラーゼ阻害剤として有名なのは、地下鉄サリン事件でオウム真理教が使ったサリンも同じ毒性があります。
向精神薬と麻薬の関係について、詳しくはこちら↓
RAPT×読者対談91 悪魔崇拝と麻薬。
地下鉄サリン事件と聖路加国際病院名誉院長日野原重明との関係についてはこちら↓
RAPT×読者対談131 小林麻央の死は悪魔への生贄である。(悪の巨塔・日野原重明と市川海老蔵の深いつながり。)
脳機能がかく乱されて、気がくるってしまうのが、抗精神病薬ですね。
単なる脳機能のかく乱による、鎮静目的です。
社会的に問題を起こす、家庭内で問題を起こす人物に対して、隔離収容して抗精神病薬で脳機能のかく乱する。
その結果を統合失調症として診断する。
得するのは一体誰でしょうか?
心の問題、過程の問題は、医療では解決できません。
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