JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

佐竹敏之 「大洋ホエールズ誕生前!」

2009-11-17 | BOOK


横浜ベイスターズが38年ぶりの優勝を遂げてから早11年が経ってしまった。
あの時、「次の優勝は38年後か」などと囁かれていたが、本当にそのくらい、いやそれ以上に待たされそう・・・
現存する球団で5年間のサイクルで複数回の優勝、つまり黄金期が無いのはベイスターズと新鋭の楽天だけ。近鉄も上記の条件をクリアしていた。

本書は「近年の横浜ベイスターズの成績に悔しい思いをしているファンが読むと大洋漁業野球部の圧倒的な強さに胸のすく思いをする事になる。」とある。
そんな事で溜飲を下げなきゃならないのも情けないんだが・・・
しかし、表紙のオレンジ色の「大洋ホエールズ」の文字を見てしまっては、ファンとしては速攻で購入。

それにしてもプロ野球が2リーグ制になる前くらいまで、ノンプロ、都市対抗野球がこれほどまでに熱狂的人気を博していたとは・・・

著者は当時の新聞記事やスコアブック、その他資料を元にゲームの模様を筆に起こしていく。資料の少ない試合はそれこそ、「何回に○○が2点をとり、何回に××が4点を返し4対2で××が勝つ」とスコアを書き起こすのみの物もある。
この単調とも思える筆お越し作業が不思議な臨場感で迫ってくる。
ほとんどの選手の名前すら知らない世界。後にプロで活躍した有名選手はほんの一握りしか出てこないのに、この面白さ。
そして毎日新聞社での特集座談会がとても貴重な役割を果たしている。

これは野球というゲームの魅力の一つかもしれない。
サッカーではこうは行かないように思う。サッカーは野球に比べてよりライブで観戦する事に価値のあるスポーツではないか。

下関を本拠地として、市民に夢と感動を与え続けた林兼商店野球部・大洋漁業野球部。大洋ホエールズの前身にこんなに輝かしい戦跡があったとは知らなかった。

それにしても強い大洋漁業野球部ではあったが、ローカルでのリーグ戦、選抜都市対抗では優勝をしても、肝心の夏の後楽園での都市対抗野球で黒獅子旗を手にする事はできなかった。ここらがなんだか大洋らしい。

著者の佐竹氏は第2弾としてプロ野球球団大洋ホエールズの誕生からファーストシーズン終了までをまとめると予告している。これは楽しみ。

来期、尾花ベイスターズへの期待。
最終結果はどうであれゴールデンウイークまでは突っ走って欲しい。
望むのは3位に滑り込んで史上初のシーズン勝率5割を切っての日本シリーズ制覇。

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