映画 「ダージリン急行」

「ダージリン急行」2007年　アメリカ　監督：ウェス・アンダーソン

父の死をきっかけに疎遠となっていた３兄弟が長男の提案で、インド北西部を走るダージリン急行に乗り合わせた。旅の目的は兄弟の結束を再び取り戻すこと。バイク事故で瀕死の重傷を負い、奇跡の生還を果たしたばかりのフランシス。兄弟から父の遺品を独り占めしたと非難され、妊娠７ヵ月の妻アリスとも上手くいっていないピーター。そして、家族をネタに小説を書き上げたばかりのジャックは、失恋の痛手を引きずっていた。それぞれに問題を抱える３兄弟は、早々に衝突してしまうが…。

春先の公開からチェックしておこうと思いつつ見逃していた映画。既にレンタルDVDにも並んでいるが都内でも2番館3番館とコンスタンスに上映。早稲田松竹にフラリと行ってみる。

オープニングはショート・フィルム「ホテル・シュバリエ」

元カノから逃げていたジェイソン・シュワルツマンだが女にホテルを突き止められる。やってくるのがショート・ヘアのスリムなナタリー・ポートマン。
お洒落な恋愛映画のような展開。情事のあとホテルのバルコニーからパリの街を眺める2人。
この短編映画は言わばプロローグ。

part2からが本編。一変してインドの喧騒を疾駆するタクシー。発車されている列車に乗り遅れまいとする初老のビジネスマン。追い越す若者（エイドリアン・ブロディ）が荷物を放り投げ見事に乗車。乗車をあきらめスピードをゆるめる初老のビジネスマン。
この始まりに何かを期待しすぎてしまいますが、本編はゆったりオフ・ビートのロード・ムービー。
半ばまででゆったりムードから、偶然救助した地元の少年の事故死などがあり、どうなる事かと思いますが針は大きく触れること無く、ストーリーは淡々と流れます。
時間もゆったり流れるようで、上映時間以上に長く感じます。ところどころユーモアも交え、決してつまらないわけでは無いのだけれど。

3兄弟のキャスティングがいいです。煙草が似合うし。
女に手の早いジャックはダージリン急行内で乗務員のリタを電光石火にいただいちゃう。この、ライム娘のインディがまた良かったです。

こういうロード・ムービーは私の中ではアリ。
残念なのはインドに潜入していながらスパイシーなインド映画として物足りないところ。小物（旅行鞄他）などに見られるお洒落感覚が対比のつもりなんだろうけど邪魔をしているかな。

インド音楽に混じる懐かしきフォーク・ロックなサウンド
キンクス、ローリング・ストーンズなどなど
知らない歌手でしたがPeter Sarstedtも良かったです。

The Darjeeling Limited [SOUNDTRACK]