JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

能島廉 「競輪必勝法」en-taxi付録文庫

2011-01-22 | BOOK
2006年の記事に通りすがりさんからコメントを戴き、知りました。

福田和夫の雑誌en-taxiの付録
幻の傑作私小説集45年ぶりの復刊!「競輪必勝法」能島廉

「競輪必勝法」

en-taxiを買うのはこれで2回目(談春の特集以来)
この雑誌、なかなか粋な事やってくれる。今後もマークしておこう。

坪内 祐三,福田 和也,リリー・フランキー
扶桑社
発売日:2010-11-18



もともと収められていた短編集「駒込蓬莱町」を改題している。発売しても何だか売れそうな気がするじゃない。

「駒込蓬莱町」同人誌で文人を目指す人の日記形式。何なんだこの劣等感の表現。
こういったものを読むと嬉しくなってしょうがない性格もどうかと思うけど・・・
ただ、表題作であったのに作品の完成度としては「競輪必勝法」に遠く及ばない。
ところどころ、文体が覚束ないのは扶桑社の校正によるものなんだろうか・・・?
代表作「競輪必勝法」が頭抜けている作家なのかな・・・と、思いきや。

「辞職願い」
「服装について」を読んで、感涙感涙。
ホント、この自分の性分、どうかと思うぞ。

「辞職願い」
男に頼り、仕えることが最も賢明な処世法だと心得ている10歳年上の悲しい女と人生に閉塞感を持ち、どうにもならない男のドラマ。

『房子は、蹴るように立ち上がると、財布ごと私の顔に投げつけ、四畳半に走りこんで泣き伏した。
私は立ち上がれなかった。手持無沙汰に、財布を、膝の間でもてあそんだ。私は甘えるのは上手だが、機嫌を取るのは下手だし、面倒くさい----』

「服装について」
これは・・・
昔、初めて営業職に就いた前職にて、ボーナス時に上司からまったく同様な事を言われてスーツを新調した経験がある身にとっては、もう共感度が頂点。
勤め人としてドロップアウト寸前の主人公は『小人物で、弱いものには威張り散らし、ペコペコさせるのが愉快であった』
嫌な性格の男の劣等感がなんともいえない味わいがある。

くどいようだが、この自分の性分、どうかと思うぞ。

「競輪必勝法」
短編小説の中でも再読回数が群を抜いてるんじゃないだろうか。今回で何度目でしょうか。


「女競輪王」

「競輪上人行状記」 シネマヴェーラ「妄執、異形の人々Ⅴ」での上映は2月12日、17日

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