犯行声明付きバラバラ殺人、そして殺人の連鎖、テロの嵐、ネットでの匿名日記・・・、といった要素に誘われて読んでみたけど、平野啓一郎なので純文学からのアプローチ。
エンターテイメントとして事にかかろうとするとしっぺ返しをくらってしまう。
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まず、上巻において、事件に至るまでの焦らしに焦らした引っ張り方ったら無い。
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エンターテイメントの傑作でどんどん先を読みたくなるリーダビリティとは全く違うのだけど、焦らされながら早く先に進みたくて止められない不思議な感覚。
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善と悪、神と悪魔、少年犯罪の加害者の親、重たい内容の匿名日記、ネット時代の恐怖など読みながらいろいろな事に思いを巡らす事になるが、読み終わってしまうと何か今一つ、釈然としない。
純文学が猟奇的な題材を選んだ面白さというのは確かにあるのだけれど、どうしてもエンターテイメントとしての展開を想定してしまうためかもしれない。
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義妹の勘違いから発した、エリート公務員である兄の崇にかかる容疑が、いくらなんでも強引すぎるような気がするし・・・
篠原勇治の犯す犯行はせっかく天才的であるのに、その生い立ちと最期が、好みじゃない。
もちろん、崇と勇治が直接対決する事もなく・・・
そういう事を描こうとする作品じゃないのは解っていても不服。
一度、悪魔に魅入られてしまった北崎友哉が元々の孤独な殺人者として犯行を犯す点は悪魔から開放された感じで面白い、しかも当初のターゲットに刃を向けずに女子生徒へ向かう点などはストーリーとして好ましいんだが。
さて、この作品読み終わってみると、不思議なのだけれど、読書中、頭の悪い当方には難解すぎて付いて行けない崇とその友人が居酒屋で繰り広げる、あまり知識レベルの高すぎる談義(上下各々ある)の部分。これが一番面白かったんじゃないかと思う。
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やっぱりエンタメでなくブンガクなんでしょな。
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