JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「黒い太陽」

2008-12-20 | 映画(DVD)
「黒い太陽」1964年 日活 監督:蔵原惟繕

自由気ままな日々を送る明は逃亡中の黒人兵ギルと出会う。ジャズに熱狂し黒人に憧れる明はギルに親近感を持つが……。青春の孤独と奇妙な友情を描いた異色作。

60年代、日本においてもJAZZが一番元気だった頃。
川柳川柳がガーコンで「今でも新宿あたりにいるよ」この件になると内心で「今、そんな奴居ねぇよ」とツッコミをいれたくなるが、まさにそういうイカレタ若者が川地民夫の明という訳だ。
彼の無軌道でエネルギッシュな行動がそのまんまJAZZの印象。
盗んだ車を売って変わりにポンコツスポーツカーを手に入れる。
ポンコツ車、廃墟の協会。味な小道具が効く。

黒人JAZZミュージシャンのポスターやレコードジャケットを貼りまくっている。
見ると黒人JAZZなら何でもござれといった趣。かなりの部分で自分の所有するものと一致しているのでちょっと恥ずかしくなる。(今や聴くのは圧倒的に白人JAZZが多いのですが・・・)

そこにやって来たのが黒人兵ギル。黒人の癖にJAZZを理解しない、ラッパも吹けない。(実際はその後、ミンガスのCROWNばりの白塗りでトランペットを吹くし、海に向かってブルースをがなり立てるんだけど。またこの2シーンが心を打つから黒人は侮れない。あれほどJAZZそのものに見えた川地民夫がシャネルズのように黒く塗ってたちまち偽物に思えてしまうのだから・・・
明はJAZZ好きなくせにNo English。このコミュニケーションの成り立たない不安定な関係が徐々に理解しあえてくる過程がなんとも不思議。しかも英語に対して字幕が無いので、ほぼ同様のNo Englishの当方も明とともに訳わからず。

オープニングのマックス・ローチ

レコードを金持ち風のアベックに踏みつけられ割られてしまい怒る明。
「この黒人に謝れよ!」

明の愛犬の名はモンク。ギルにモンクを殺されて意気消沈した明がジャズ喫茶で呟く「モンクが死んだよ」
「え、何だって、本当か?何時だ?」と色めきたつ客。

タイトルがBlack Sunである事が効く、仰天のラスト・シーン。野獣の咆哮のように下品なアービー・リンカーン。

京橋 フィルムセンター「第9回東京フィルメックス 蔵原惟繕監督特集 ~狂熱の季節~」

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