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終戦を境にマリアナ群島アナタハン島での所謂「アナタハンの女王事件」
この猟奇的な実話は聞いたことがあったが映画になっているとは知らなかった。
しかも監督は「嘆きの天使」のジョゼフ・フォン・スタンバーグ。
とかなんとか言っても「嘆きの天使」は志らくが見事なシネマ落語にしたのは聴いているけど、元の映画は観ていない。
機会があれば劇場で見たいと思っています。
妖婦比嘉和子役(映画では恵子)が根岸明美。ジャングルの女王としてまさに適役?
という訳で、京橋フィルムセンターへ。
「アナタハン」THE SAGA OF ANATAHAN 1953年 日米合作 東和
アナタハン・ブームまで巻き起こした実話を元にした映画の割りに日本ではあまりヒットしなかったそうだが、そりゃそうだろう。
日本語の台詞の他に英語によるナレーションが使われている。(字幕なし)
会場では事前にナレーションの大意翻訳が配られたが、ヒアリンングなんてとてもじゃないこちとらには雑音でしかない。
まぁ、野蛮なアジア(日本人)を使った好奇の映画。日本語を吹き替えや英字幕にせず無声映画の活弁のように毛唐がしゃべっているわけだ。
ちなみに今回は亡くなった映画人を偲ぶ特集で、この映画で偲ぶのは脚本:浅野辰夫、撮影:岡崎宏三、音楽:伊福部昭の3人。伊福部昭を偲ぶのにこの作品とはシブい。
ラッシュ・フィルムの映写に合わせて即興でピアノ演奏したそうです。
好奇なジョゼフ・フォン・スタンバーグはオープニングでオリエンタルな味を出そうという見栄見栄の選曲でありがちな失敗をしてくれて笑える。THE ENDマークには木まで入る手の込みよう。
そんな事はともかく、根岸明美です。獣人雪男ほどの魅力には至っていません。なんとなくブサイクに撮られていたりもしますが、それでもジャングル・コスチュームの似合う事、流石です。
B29の残骸から見つけたパラシュートを服地にする恵子。多分恵子が作ったのでしょう、恵子夫婦と島の日本軍の男たちが皆揃いの生地の服で生活する様は、1人の女性と20数名の男共の奇妙な社会を象徴していて面白い。
実際のアナタハン事件。比嘉和子さんは帰国後英雄となりプロマイドまで売れたそうだが、アナタハンの毒婦としてマスコミの餌食になり辛い晩年を送ったとか。
あの時代だったから・・・では無く、人ってそんなもんでしょう。そりゃ、好奇の目で見ます。その映画も好奇の目で半世紀以上たって見に行くんですから。
英語ナレーションがうるさいので、これだけの題材なのだから日本人監督でリメイクすればと思って観ていましたが、元々は日本で映画化されたものをスタバーグが目に留め作ったようです。それよりもこの事件をヒントに川島雄三が「グラマ島の誘惑」という喜劇を撮っている。こっちの方を是非観てみたい。
「アナタハン」には若き日のキリヤマ(中山昭二)も出演。ヒゲ面がカッコ良し。
アナタハン事件詳細
9月7日
京橋 フィルムセンター
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この猟奇的な実話は聞いたことがあったが映画になっているとは知らなかった。
しかも監督は「嘆きの天使」のジョゼフ・フォン・スタンバーグ。
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とかなんとか言っても「嘆きの天使」は志らくが見事なシネマ落語にしたのは聴いているけど、元の映画は観ていない。
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妖婦比嘉和子役(映画では恵子)が根岸明美。ジャングルの女王としてまさに適役?
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という訳で、京橋フィルムセンターへ。
「アナタハン」THE SAGA OF ANATAHAN 1953年 日米合作 東和
アナタハン・ブームまで巻き起こした実話を元にした映画の割りに日本ではあまりヒットしなかったそうだが、そりゃそうだろう。
日本語の台詞の他に英語によるナレーションが使われている。(字幕なし)
会場では事前にナレーションの大意翻訳が配られたが、ヒアリンングなんてとてもじゃないこちとらには雑音でしかない。
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まぁ、野蛮なアジア(日本人)を使った好奇の映画。日本語を吹き替えや英字幕にせず無声映画の活弁のように毛唐がしゃべっているわけだ。
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ちなみに今回は亡くなった映画人を偲ぶ特集で、この映画で偲ぶのは脚本:浅野辰夫、撮影:岡崎宏三、音楽:伊福部昭の3人。伊福部昭を偲ぶのにこの作品とはシブい。
ラッシュ・フィルムの映写に合わせて即興でピアノ演奏したそうです。
好奇なジョゼフ・フォン・スタンバーグはオープニングでオリエンタルな味を出そうという見栄見栄の選曲でありがちな失敗をしてくれて笑える。THE ENDマークには木まで入る手の込みよう。
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そんな事はともかく、根岸明美です。獣人雪男ほどの魅力には至っていません。なんとなくブサイクに撮られていたりもしますが、それでもジャングル・コスチュームの似合う事、流石です。
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B29の残骸から見つけたパラシュートを服地にする恵子。多分恵子が作ったのでしょう、恵子夫婦と島の日本軍の男たちが皆揃いの生地の服で生活する様は、1人の女性と20数名の男共の奇妙な社会を象徴していて面白い。
実際のアナタハン事件。比嘉和子さんは帰国後英雄となりプロマイドまで売れたそうだが、アナタハンの毒婦としてマスコミの餌食になり辛い晩年を送ったとか。
あの時代だったから・・・では無く、人ってそんなもんでしょう。そりゃ、好奇の目で見ます。その映画も好奇の目で半世紀以上たって見に行くんですから。
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英語ナレーションがうるさいので、これだけの題材なのだから日本人監督でリメイクすればと思って観ていましたが、元々は日本で映画化されたものをスタバーグが目に留め作ったようです。それよりもこの事件をヒントに川島雄三が「グラマ島の誘惑」という喜劇を撮っている。こっちの方を是非観てみたい。
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「アナタハン」には若き日のキリヤマ(中山昭二)も出演。ヒゲ面がカッコ良し。
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アナタハン事件詳細
9月7日
京橋 フィルムセンター
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