JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「博多っ子純情」

2010-01-27 | 映画(DVD)
「消えゆく曽根中生!?」

「博多っ子純情」1978年 松竹 監督:曽根中生

人形師の父を持つ郷六平(光石研)は、級友たちと未だ見ぬ女の身体について話したり、近所に住む憧れの女性に失恋したり、ポルノ映画館への入場を断られたりと、ぱっとしない日々を送っていた。しかし六平が持つ一本気さは番長の無法松も買うほどで、偶然見かけた他校の生徒の万引きを咎めたばかりに彼らとの決闘騒ぎに巻き込まれてしまう。祭りに恋にケンカにと、博多っ子の夏は暑い!

曽根中生特集の2本立て。この日のカップリングはロマンポルノ「天使のはらわた 赤い教室」
「天使のはらわた」と一緒でない限りまずは観る事のない、青春映画。しかも主人公は純情なる中学生。

いや、これがなかなか面白かった。いい作品だと思いました。よござんす、よござんす。

途中、場面切り替えに博多弁の解説がつく。終始、博多弁が飛び交い、意味が解らない言葉もしばしば。

前半は性に目覚める中学生の正しき姿。六平の眼鏡の級友君が突拍子もない疑問を投げかけ微笑ましい。
この少年の父親役が桂歌丸(若いです)は良いとして、いつも美しい母親、つまり歌丸の嫁が宮下順子というのが許せない。歌丸と宮順の夫婦生活が想像できん。

後半は日々ぱっとしないながらも博多っ子として一本筋の通った郷六平君がカッコ良く、いつしか応援している。
上級生の無法松とのEPなんて小柳類子(松本ちえこ)も惚れるってもの。
その松本ちえこが懐かしくも可愛い。
男三バカの心情は到底理解できないおせっかい乙女を可愛らしくも生意気に好演。

郷六平が憧れる隣のお姉さん(高校生)が今作デビューの中村れい子(立花美英の芸名)
前半、中村れい子の顔を良く写そうとしない、意図的なもので憧れの人を演出しているんでしょう。でもやっぱり、ちゃんと中村れい子を見たいですよ。その欲求は六平の悪夢で解消。まだまだ色気という面では薄いようでした。

脇役人もなかなかよろしくて、私としては特に六平の母ちゃん、春川ますみがやけに好ましく感じた。いつも丸く太ったイメージだけど、ここでは丸さが程よく亭主の小池朝雄とのやりとりも楽し。

冒頭では博多祇園山笠に初めて締め込みをして参加する六平が描かれるんだけど、伝統ある地元の祭りに一人前の男として参加する事に価値を見出せる環境。そんな環境で育つ子たちってなんか正しくて良いなぁと心温まちゃうわけであります。

あの歌が出ると何があっても酒席だろうが喧嘩だろうが、終わらなきゃいけない。憶えたいですね、あの歌。

シネマヴェーラ渋谷

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