「ビン・ラディンを探せ！ ～スパーロックがテロ最前線に突撃！～」

「リアル！未公開映画祭」

「ビン・ラディンを探せ！　～スパーロックがテロ最前線に突撃！～」2008年　米　監督：モーガン・スパーロック

ビッグマックを食べ続けて話題を呼んだ「スーパー・サイズ・ミー」のモーガン・スパーロック監督が、前作同様、自身が「主役」となり、「オサマ・ビン・ラディンはどこにいるんだろう？」と質問しながらイスラム諸国を駆け回る。相手を「テロリスト」と決めつけ、そこで暮らしている人々の姿を見ようとしないアメリカ人に向けて、自分たちが戦争をしている国の実態を見せつける作品。

スパーロックという人はマクドナルドのハンバーガーを30日間食べ続けたらどうなるか？を描いた「スーパーサイズ・ミー」で知る人ぞ知る有名な方だそうだ。迂闊にも初めて知ったんだけど・・・。

これはプロローグ部分での悪ふざけがやけに楽しそう。
アニメーションやゲームソフト風な味付けをしながら、ビン・ラディンにMCハマーの曲で踊らせたり、スパーロックとビン・ラディンが格闘ゲームのキャラクターになり戦ったり・・・

内容が内容だけに本編に入るとおふざけ感はややおとなしくなる。もちろん彼特有のユーモアが散りばめられてはいますが・・・。

ビン・ラディンを探して、エジプト、モロッコ、イスラエル、サウジアラビア、アフガニスタン、パキスタンと潜入インタビューを敢行。
タリバン、アルカイダに関しての意見も、国によって反応がさまざまで興味深い。

バカげた事を大真面目に取り組むスタンスでもって米国の中東政策の問題やパレスチナ問題について巧みに本音を引き出していく。

しかし、勿論ビン・ラディンを探し出す事は敵わない。でもスパーロックはこの旅を通して沢山の僕らに似た人々に出会った。「世界の未来は家族や子供たちのために平和な世界を求める彼ら、普通の人々のものだ。」とする結末は決して陳腐なものに感じない。それは、そもそもこの企画の動機が親父になるに当たって子供をあらゆる危険から守りたいという使命感から始まっているからだ。
ラストでは無事奥さんが元気な男の子を産むシーンも。良かったね。

妻の妊娠中に中東に飛んでいっちゃうスパーロックだけれど、奥さんもそんな彼だからこそ、子供を作る気になったと語っていました。

今度は噂の「スーパー・サイズ・ミー」を見てみましょう。

渋谷　UPLINK　FACTRY