JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「恐怖省」

2008-05-21 | 映画(DVD)
ケイブルホーグの配給するフリッツ・ラング作品、今回は5本が上映。

「恐怖省」1944年 監督:フリッツ・ラング

精神病院から退院したニールは、たまたま慈善バザーの占い師の予言を聞く。そこで言われた通りにケーキの重さ当てゲームに勝ってから、彼の身辺で奇妙な事件が勃発し始めた。その背後に潜む恐ろしい陰謀とは?…。怪しげな盲目男、面妖な降霊会…謎が謎を呼ぶ魅惑のサスペンス!

「本格スパイ・サスペンス映画における落語的落ち」

冒頭、ニールがケーキを持ち帰る事を阻止しようとする動き、何やら手違いがあった模様。列車に乗り合わせた盲目の男が実は盲目でなく、ケーキを奪い平原に逃走。折りしもの空襲によって盲目男は爆死・・・と最初っからワクワクするようなサスペンス!
しかし、それを演じるアチラの役者さんたちはどなたも知らない顔で・・・謎が謎を呼び、複雑に展開して行くと似たような顔にしか見えないアチラ俳優に恥ずかしながら正直混迷してしまったよ。

当時のアチラのご婦人のファッション、タイトスカートスーツに滅法弱いので、カーラがそのお召し物のまま地下鉄構内にニールと空襲を逃れ夜を明かすシーンに萌え・・・

トップの画像も、いかにも興味をそそるサスペンス・シーンですが、これは宣伝用スチールであって映画には登場しません。この画像が頭にあるので、テーラーが大きな鋏でダイヤルを回す時、一層ドキドキいたします。

こちらの作品、原作はグレアム・グリーンでした。道理で面白い。グレアム・グリーンのスパイ小説は昔からの憧れなんであります。

第二次世界大戦をバックにモノクロの特質を活かした映像。物語りの性質上とりわけ暗闇の描写が巧み。銃声後一瞬の暗転で妹が兄の射殺に成功する場面、一味に追われ屋上に逃げると、扉の向こう側で一味が警察に逮捕されるなどなど・・・



物語の方は結局ハッピー・エンドで、今までとは一転、青空のもとオープンカーでドライブするニールとカーラ。そこで交わされる洒脱?な会話が冒頭の「落語的落ち」であります。
そのあまりの落差、唐突さに思わず吹いてしまいましたよ。F・ラングは志らくかえ?

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