JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ホーリー・マウンテン」

2010-11-26 | 映画(DVD)
「ホーリー・マウンテン」1973年 墨・米 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー

不死の力を得るために、盗賊を含む9人の男女が”聖なる山”の頂きを目指す。道中、彼らは厳しい試練を積んでいくのだが、それは欲望を捨て去り自我を解き放つ、過酷な精神修行だった。彼らはこの修行を乗り越え、ついに“聖なる山”に辿り着くのだが…。

「エル・トポ」に続いて劇場で見たいと思ったら空かさずデジタルリマスター版の上映で嬉しいやら、困ったもんやら。
見に行く前にすでに気づいていたが、「エルトポ」の中のシーンとして誤解していたのはやはり本作「ホーリー・マウンテン」だった。してみるとレンタルで一度見ているはず。なのに記憶がほとんどない。こんな衝撃的映像の連続なのに記憶が無いという事は途中で眠ってしまって、そのまま最後まで見ずに返したに違いない。愚かしい事よな。

理解不能な物語もエログロ映像がデジタルリマスターで鮮やかに映し出されるという事態に釘付けになってしまう。
一種の宗教映画ともいえそうだけれど、何処までが本気なのか、茶化しているのか。本気だとしたら大笑いだし、茶化しているとしたら、いい加減にして欲しい。好き勝手に撮り、編集された、宗教アートを思わせるイメージの羅列。

9人の人々のキャラクターを紹介していく形の前半部のオムニバス的展開。
ペルーを相手に戦争をするとして、子供たちに洗脳教育する段が最もお気に入りだが、他もいろんな意味で凄い。ラブマシーンや睾丸を集める男等々・・・

これだからラテン・アメリカは止められない。

ホドルフスキー演じる錬金術師の指導のもとホーリー・マウンテンに向かう修行の旅となる後半に至っては、見ている側として、ホドロフスキーに洗脳されてみたいと思ったりしちゃう。
チンパンジーを連れて旅の男を追ってきた女とともに、男を下山させる錬金術師様。

それにしてもフリークスの使い方の上手な方だ。「エル・トポ」でもそうだったけれど、本作ではそれに輪を掛けて冴えわたっている。

修行に修行を重ねて、ラストのドッヒャーンという落ち。気持ち良いまでの拍子抜け。

こいつを見ると「エル・トポ」が極めてエンターテイメントなまともな映画に思えてしまう。
あきらかに一度見ただけでは飽き足らない傑作。DVD発売予定。

アレハンドロ・ホドロフスキー DVD-BOX
エル・トポ HDリマスター版
ホーリー・マウンテン HDリマスター版

こうなりゃ、必然、次は「サンタ・サングレ」を観たい。もう一丁いってくれないか?

ヒューマントラストシネマ渋谷

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