JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「PNDC エル・パトレイロ」

2008-05-17 | 映画(DVD)
シネマヴェーラ渋谷 「配給:ケイブルホーグ」

ケイブルホーグの配給する映画にはかなりラテン・アメリカ物も多いようで嬉しい。これはアレックス・コックスのメキシコ物。

「PNDC エル・パトレイロ」1991年 米墨日 監督:アレックス・コックス

警察訓練学校を出たてで、理想に燃える青年のハイウェイ・パトロールマン、ペドロ。しかし彼は、メキシコ・シティの学校を出て荒れ果てた北部の砂漠地帯で職務についてはじめて、現実は学校で習ったようなものではないということを知らされる。そして彼は、否応なしに汚職に手を染め、売春婦相手に浮気をし、アルコールに溺れるようになってゆく……。

アレックス・コックスと言っても恥ずかしながら良く知りもせずに観たのです。おぉ!「シド・アンド・ナンシー」の監督でしたか。(観てないんですけど。ずっと前からレンタル予定でほったらかし)

ドキュメント・タッチでメキシコの現状、メキシコ警察の実態を抉り出す作品とのことで、確かにそれはそれで良いのですが、私としては主人公の若きおチビ警察官ペドロ(ロベルト・ソサ)の魅力と彼個人の人生に目がいきましたな。

まず父親からなんとか認めてもらいたいのだけど、警察学校の卒業パーティーにも来てくれず不貞腐れてる。銃撃戦で膝を負傷、朦朧とする意識の中で父が現れる(実際はこの頃、父親は他界している)以後、ビッコの不具者になるので彼の不安定な精神にも箔が付く。
理想に燃えていてもいつしか現実に流されていくというストーリーはよくある話かもしれないけど脚本が良いんですね。
結婚するまでのテンポが良い。
娼婦と喧嘩になりイラついているとパトカーをギアの入れ間違いでぶっ壊す。
代車に与えられたのポンコツパトカーでメキシコの荒野を走る。仲間のアニバルからのSOSに急行するにも発進できず、アニバルは殉職。友人を失った時、酒場でテキーラ飲んでの荒れっぷりが良かったね。

いや、まずメキシコの風景です。何もない荒野のまっすぐな道をパトカーで疾走。
これはメキシコ北部のロス・オルガノス(岩がパイプオルガンみたいに見える)という地方だそうです。この景色を見れるだけでも価値あり。
その風景の中で西部劇風の撃ち合いまでありサービス精神も旺盛。
貧しい学校に入り込むと老婆から「娘が大変だから来てくれ」と連れられる家までの道程の長い事、橋の長い事。雄大で美しく・・・

貧しい学校に出現した狂犬を撃ち殺し人々から拍手をもらう(鳥まで撃ち殺して弁償させられていましたが)

農場を継ぎ新しい生活。妻にせがまれ熱いキスをしているとトラックの荷台の農夫達からはやし立てられる。

とても良いシーンでした。

ラスト、娼婦マリベルと約束を交わした後のペドロの表情が印象的。

メキシコ映画もっと観たいです。

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