さんざん迷って新訳の「目玉の話」から読んだのだけれど、どうしても「眼球譚」が捨てがたくこちらも読む事にした。
「ウフ」「ウユ」「クユ」と言われても、タイトルは大時代であってもホラー小説と誤解されても、「眼球譚」のインモラルな雰囲気には適いません。このタイトルが無ければ興味も抱かず出会いも無かったかも知れないのです。
しかも光文社の新訳と比べて文庫カバー・デザインがまたまた幻想的で良いのです。ただ単にサーモンピンクに文字がレイアウトされているだけなんだけど・・・
オーシュ卿(G・バタイユ) Lord Auch(Georges Bataille) Hisorie de I'oeil Ikuta Kosaku 生田耕作=訳 <初稿>眼球譚
ずーっとこのカバーデザインに魅せられていました。
角川文庫の「マダム・エドワルダ」(もちろん眼球譚収録)の池田満寿夫の版画も狂気じみていて良いですが。
光文社の新訳シリーズはシリーズ統一の線画の顔。これはこれで良いけど皆同じで統一しているので飽きる。
さて、眼球譚。タイトルにあるようにこちらは<初稿>だ。1927から1928に書かれた初稿版をバタイユは1946~1947に改稿し<新版>を刊行している。物語の大筋はほぼ同じだが文章はかなり別物になっているらしい。中条省平の新訳は<新版>を底本にしている。
読んでみるとつくづく中条省平氏の工夫、新訳の発刊をした光文堂の功績を感じずにはいられない。谷崎から宇能へと伝わるエロ文学の手法としての告白体の採用はなるほどと思う。もちろん生田耕作の訳も悪くない。こちらは告白体でないのでやや不自然だがエロティシズムの中の気品が感じられやしないか。
章のタイトルも「太陽の黒点」より「太陽黒点」でしょう。
やはり太陽黒点の精神病棟からたなびくシーツの場面に美を感じる。
いきなりシモーヌはお皿にお尻を乗っけて、2人の間では「尻」という言葉を良く使うと断っている。「性器を意味する一番魅力的な言葉」とあり、新訳では尻に或る程度統一させてある。生田訳では「尻」という場合と例の「お」から始まる4文字言葉(伏字なし)の使い分けがありやや混乱がある。
しかし、新旧読み比べなんて酔狂な事をする心のゆとりは無く、生田訳は実の所随分読み飛ばしたんでした。
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この子は「ガンQたん」・・・お呼びでないね。
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「ウフ」「ウユ」「クユ」と言われても、タイトルは大時代であってもホラー小説と誤解されても、「眼球譚」のインモラルな雰囲気には適いません。このタイトルが無ければ興味も抱かず出会いも無かったかも知れないのです。
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しかも光文社の新訳と比べて文庫カバー・デザインがまたまた幻想的で良いのです。ただ単にサーモンピンクに文字がレイアウトされているだけなんだけど・・・
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オーシュ卿(G・バタイユ) Lord Auch(Georges Bataille) Hisorie de I'oeil Ikuta Kosaku 生田耕作=訳 <初稿>眼球譚
ずーっとこのカバーデザインに魅せられていました。
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角川文庫の「マダム・エドワルダ」(もちろん眼球譚収録)の池田満寿夫の版画も狂気じみていて良いですが。
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光文社の新訳シリーズはシリーズ統一の線画の顔。これはこれで良いけど皆同じで統一しているので飽きる。
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さて、眼球譚。タイトルにあるようにこちらは<初稿>だ。1927から1928に書かれた初稿版をバタイユは1946~1947に改稿し<新版>を刊行している。物語の大筋はほぼ同じだが文章はかなり別物になっているらしい。中条省平の新訳は<新版>を底本にしている。
読んでみるとつくづく中条省平氏の工夫、新訳の発刊をした光文堂の功績を感じずにはいられない。谷崎から宇能へと伝わるエロ文学の手法としての告白体の採用はなるほどと思う。もちろん生田耕作の訳も悪くない。こちらは告白体でないのでやや不自然だがエロティシズムの中の気品が感じられやしないか。
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章のタイトルも「太陽の黒点」より「太陽黒点」でしょう。
やはり太陽黒点の精神病棟からたなびくシーツの場面に美を感じる。
いきなりシモーヌはお皿にお尻を乗っけて、2人の間では「尻」という言葉を良く使うと断っている。「性器を意味する一番魅力的な言葉」とあり、新訳では尻に或る程度統一させてある。生田訳では「尻」という場合と例の「お」から始まる4文字言葉(伏字なし)の使い分けがありやや混乱がある。
しかし、新旧読み比べなんて酔狂な事をする心のゆとりは無く、生田訳は実の所随分読み飛ばしたんでした。
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この子は「ガンQたん」・・・お呼びでないね。
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