JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

談春七夜 第四夜 「緋」

2006-10-07 | 落語
七色に綴る、立川談春7日間連続独演会。
それぞれ『東雲』 『雪』 『闇』 『緋』 『海』 『蛍』 『銀』 がテーマカラー
豊かな自然と合いまった、
日本独自の色彩感を古典落語に生かした、
談春ならではの世界・・・

贅沢な七夜です。勤め人が全夜通うには多くの親戚に不幸が無ければ(これ、前説から)

カラーから想像するのが難しいと思われる四夜、六夜のチケットを選ぶ。

この七夜には柳家三三も勤めている。ますます贅沢。

談春七夜 第四夜 「緋」
10月6日(金)
池袋 東京芸術劇場小ホール2

柳家三三  「大工調べ」
立川談春  「おしくら」
中入り
立川談春  「たちきり」

まずは三三、「大工調べ」をきっちり。棟梁の一言に切れて怒る因業大家が怖い。
後で上がった談春に「あいつ、がんばったねぇ」と言われる出来。
先輩談春「昔、俺もああいううふうに憶えたなあ。」
時の流れを感じます。三三の10年後がまた楽しみ。

本人も七夜のうちで一番演目を迷ったという「緋」
旅の噺に入って三人旅は「おしくら」
談春お馴染みの噺のようだが、初見。三人旅でも「おしくら」は中々聴く機会が無く久し振り。長閑な田舎の旅風景が思い描かれます。談春「なんとかここまで面白くした。」と言っていました。この内容でここまで聴かせるのは実力の証。
78歳のばばぁが緋の襦袢で現れ、失笑。

中入り後
花柳界の噺と言って始めたのは、なんと「たちきり」ちょっとびっくり。
この噺を語ってみたい心情は帰って読んだパンフレットに書かれていました。

「たちきり」は志らくが陰気でつまらなく、後味悪く人情噺のように重々しく演じるセンスの無さに疑問を投げかけ、見事に自分なりの解釈で志らくの「たちきり」を語って聴かせた噺。(2004.3.26志らく独演会)
その「たちきり」を談春は真っ向勝負で聴かせてくれた。
おかあさんが小いとの事を語る段では本当の洟をすすりながらの熱演。

小細工無しの真っ向勝負かと思っていたが、この七夜の演出が効いている。
中入り後、高座の前に吊るされた大きな「緋」の文字幕(談春直筆だそうです)が赤のグラデーション照明に彩られた。

線香の火が立ち切れると、小いとの三味も途絶え・・・・
立ち切れ間際の最後の小さな線香の赤い火が脳裏に浮かび、帰途についても小さく鮮やかな赤が残り続けた。

志らくの「たちきり」と談春の「たちきり」・・・そして後から追ってくる三三。
私たち落語ファンは3人の今後を当分楽しむ幸福がある。・・・左談次もお忘れなく。

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2 コメント

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築地の柳様へ (imapon)
2006-10-10 20:22:37
どうしても落語会が立川流に偏ってしまいます。もっと柳家喬太郎さんなどを見にいきたいのですが、なかなか。柳家情報は築地の柳さんのブログでチェックしています。談春は確実に上手いのですけど、談志流の理屈が苦手な方はちょっと(?)なのかもしれません。左談次さんは是非、一度!
返信する
Unknown (築地の柳)
2006-10-07 23:59:28
こんばんわ~

何となく、”気後れ”のようなもので、この七夜には手を出しておりませんですが、やはり歴史的瞬間なのでしょうねぇ

左談次さんはまだ拝見したことがありません、機会を見つけてみたいなぁと思います
返信する

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