JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「スクラップ集団」

2008-06-21 | 映画(DVD)
「スクラップ集団」1968年 松竹 監督:田坂具隆

戦後の経済成長を遂げた日本には、高層ビルが建ったと思えば、一夜にして帝国ホテルが崩壊するというスクラップ時代が到来。そこに四人の片付け師“スクラップ集団”が誕生した!まずはサーカスの死んだ巨象の解体から始めるのだが…。

野坂昭如原作のこの作品。思ったより文学的な作品でした。
ゴミ環境問題、不法投棄、リサイクルに福祉から、安楽死、テーマパーク事業と多くの問題を含みながらも脚本が中途半端に文学的で、ブラックジョーク作品にもドタバタおバカ作品にも、人情喜劇にもなり得ていなくて上映時間がとても長く感じる退屈なものでした。
釜ヶ崎を舞台に渥美清(ホース・元汲み取り)、小沢昭一(ドリーム・元公園ゴミ拾い)、三木のり平(ドクター、元安楽死肯定医者)に露口茂(ケース・元福祉事務所ケースワーカー)というメンバー構成から必要以上に期待をしてしまいましたか?
せめておバカ路線で突っ走ってしまえばもう少しなんとかなりそうなもんですが。
原作は知りませんが、結末なんて落とし所に困った挙句迷走してシュールな転回になって行ったり・・・

三木のり平の暴走、TVでのヒットラー的演説とか・・・
喜劇役者の中にはいっての露口茂の奇妙な存在とか・・・
渥美清が登場するとどうしても人情路線に行ってしまうとか・・・

なんとか見所を探しながら鑑賞。

冒頭のケースワーカー露口茂の据膳エピソード
山田夫婦(笠智衆、瀧花久子)が再起するという日に、夫婦に懇願されて顔に火傷の痕のある娘(宮本信子)を抱いたのだが、翌日、一家は心中。再起するというのは嘘で、娘に女の喜びを味わせて心中って・・・快楽亭ブラック師の「一発の・・・」(女性版)のようでなかなか良いのだけれど、笠智衆の落ち着き払った品格や、宮本信子の清潔感から到底貧困家庭とは見えず、つくづく惜しいのでした。

ポレポレ東中野 「小沢昭一 僕の映画史」より

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