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今年もまたシネマヴェーラ渋谷で「妄執、異形の人々Ⅱ」が特集が始まった。
その初日、今年の目玉「怪談せむし男」を鑑賞。上映後トークショー菊池秀行(作家)×木全公彦(映画評論家)
今回の作品ラインアップは昨年にも増してマニアック度が強いようです。
「怪談せむし男」ニュープリント 1965年東映 監督:佐藤肇
悪夢にうなされる妻のもとに電話が鳴り、夫の発狂死が知らされる。夫が残した別荘へ向い、死因を突き止めようとするのだが・・・
映画は所謂ヘルハウス物って言うんですか幽霊屋敷・・・
洋館の下男せむし男は西村晃。(兄弟2役)
必要以上に男のうめき、女の悲鳴でこういうのはチト苦手。エロいところはGoodでした。
題名故に日本ではソフト化TV放映ができない貴重な作品というだけなのかなと思ってみていましたが、なかなか侮れない作品のようでした。上映後のトークショーを聴いているとますますそう思えてきました。
フランケンシュタイン(1931)の脇役(せむし男)ドワイト・フライの話から始まるトークショーはマニアックこの上無く、とても付いて行かないながら貴重な情報に満足。木全氏は仕事とはいえ「そんな事ばっかり調べていて大丈夫かよ」と心配になります。
以下覚えている興味深い内容
・この映画は輸出されてイタリアで海賊盤が出ている。但し、アメリカ映画という事になっていて配役の名も全て外国人名になっている。出演者はどう見ても東洋人なのに、このような事が海賊盤ではある。日本人がアメリカ人名で出てイタリア語をしゃべるという妙ちくりんな事になった。
・佐藤肇は映画本数は少なく、テレビ番組が多い。「悪魔くん」「キャプテン・ウルトラ」「キー・ハンター」「バーディー大作戦」「アイフル大作戦」・・・
そういえば「キー・ハンター」は夏になると怪奇仕立ての作品を良くやっていたけど、見てみたいものだ。
・佐藤肇は後に大林宣彦の「HOUSE」のノヴェライズを書いている。
・未亡人役の楠侑子は当初、岸田今日子が予定されていた。これは楠侑子で良かったのでは。なかなかいいですこの人。
・劇中色っぽく西村晃のせむしに下着に剥かれる秋子役の弓恵子は竜雷太の青春者に出ている人で菊池秀行氏は実は彼女の大ファン。上映時には気づかず後に知って是非、観たいと願っていたがタイトルのせいで今日まで実現されなかった。
・白痴女役の桑原幸子(後にプレイガールで活躍)菊池氏は「可愛いですねぇ」と褒めていました。
・別荘に使われた洋館は旧古河庭園の洋館。これには驚き、そういわれてみれば確かに・・・
・映倫の指摘で鋏を入れているがそのシーンは弓恵子や楠侑子が下着に剥かれる場面でなく、楠侑子が義父である加藤和夫に強引に抱きすくめられるシーン。義理でも父と娘は道徳的にまずいだろうという事。佐藤監督はほんのちょっと鋏を入れて映倫を切り抜けたとか。
・霊媒師の鈴木光枝の迫真の演技は怖くて見せ場だが、彼女は先ごろ亡くなられている。当時、霊媒師の情報が少なく恐山のイタコくらいで演出に難儀したとか。
木全師の故障ぶりと、負けじと訥々と語る菊池氏のトークが可笑しくて良かった。
・・・・・・・
沢山は観に行けないけど今年もいくつか狙い打ちで鑑賞予定
「妄執、異形の人々Ⅱ」
シネマヴェーラ渋谷 9月8日~10月12日
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その初日、今年の目玉「怪談せむし男」を鑑賞。上映後トークショー菊池秀行(作家)×木全公彦(映画評論家)
今回の作品ラインアップは昨年にも増してマニアック度が強いようです。
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「怪談せむし男」ニュープリント 1965年東映 監督:佐藤肇
悪夢にうなされる妻のもとに電話が鳴り、夫の発狂死が知らされる。夫が残した別荘へ向い、死因を突き止めようとするのだが・・・
映画は所謂ヘルハウス物って言うんですか幽霊屋敷・・・
洋館の下男せむし男は西村晃。(兄弟2役)
必要以上に男のうめき、女の悲鳴でこういうのはチト苦手。エロいところはGoodでした。
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題名故に日本ではソフト化TV放映ができない貴重な作品というだけなのかなと思ってみていましたが、なかなか侮れない作品のようでした。上映後のトークショーを聴いているとますますそう思えてきました。
フランケンシュタイン(1931)の脇役(せむし男)ドワイト・フライの話から始まるトークショーはマニアックこの上無く、とても付いて行かないながら貴重な情報に満足。木全氏は仕事とはいえ「そんな事ばっかり調べていて大丈夫かよ」と心配になります。
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以下覚えている興味深い内容
・この映画は輸出されてイタリアで海賊盤が出ている。但し、アメリカ映画という事になっていて配役の名も全て外国人名になっている。出演者はどう見ても東洋人なのに、このような事が海賊盤ではある。日本人がアメリカ人名で出てイタリア語をしゃべるという妙ちくりんな事になった。
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・佐藤肇は映画本数は少なく、テレビ番組が多い。「悪魔くん」「キャプテン・ウルトラ」「キー・ハンター」「バーディー大作戦」「アイフル大作戦」・・・
そういえば「キー・ハンター」は夏になると怪奇仕立ての作品を良くやっていたけど、見てみたいものだ。
・佐藤肇は後に大林宣彦の「HOUSE」のノヴェライズを書いている。
・未亡人役の楠侑子は当初、岸田今日子が予定されていた。これは楠侑子で良かったのでは。なかなかいいですこの人。
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・劇中色っぽく西村晃のせむしに下着に剥かれる秋子役の弓恵子は竜雷太の青春者に出ている人で菊池秀行氏は実は彼女の大ファン。上映時には気づかず後に知って是非、観たいと願っていたがタイトルのせいで今日まで実現されなかった。
・白痴女役の桑原幸子(後にプレイガールで活躍)菊池氏は「可愛いですねぇ」と褒めていました。
・別荘に使われた洋館は旧古河庭園の洋館。これには驚き、そういわれてみれば確かに・・・
・映倫の指摘で鋏を入れているがそのシーンは弓恵子や楠侑子が下着に剥かれる場面でなく、楠侑子が義父である加藤和夫に強引に抱きすくめられるシーン。義理でも父と娘は道徳的にまずいだろうという事。佐藤監督はほんのちょっと鋏を入れて映倫を切り抜けたとか。
・霊媒師の鈴木光枝の迫真の演技は怖くて見せ場だが、彼女は先ごろ亡くなられている。当時、霊媒師の情報が少なく恐山のイタコくらいで演出に難儀したとか。
木全師の故障ぶりと、負けじと訥々と語る菊池氏のトークが可笑しくて良かった。
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・・・・・・・
沢山は観に行けないけど今年もいくつか狙い打ちで鑑賞予定
「妄執、異形の人々Ⅱ」
シネマヴェーラ渋谷 9月8日~10月12日
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