中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

“6月CPI破六”とは?: 6月の消費者物価指数の上昇6%突破

2011年07月14日 | 中国生活

 目下、中国の庶民にとっての関心事は、物価の値上がり、特に野菜や豚肉の値段がどうなるかでしょう。
 7月9日に国家統計局が6月の消費者物価指数を発表しました。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■[1]
 (↓ クリックしてください。中国語原文が表示されます)


 CPIとは、以前にも取り上げましたが、“Consumer Price Index”、消費者物価指数のことで、最近は中国の新聞のニュースでもすっかりおなじみになりました。これに対するのがPPI、“ Produce Price Index”、生産者物価指数です。
 このCPIが、6月は“破六”、つまり6%を突破したというのです。これは、過去3年間の最高値である、とのことです。

  “同比”tong2bi3とは、前年同月比。これに対し、前月比は“環比”huan2bi3です。2010年7月の前年同月比の消費者物価指数の上昇率は3.3%で、その後徐々に上昇を続け、6月に遂に6%の大台を突破した、というのです。

・這一輪 zhe4yi1lun2 量詞“輪”は、循環する動作や事物についていう。数詞は通常“一”。物価上昇は周期的に起こるので、“輪”を使っている。
・一路 yi1lu4 道中。途中。“~平安”が文字通りの使い方。ここから派生し、「ずっと」という意味に使う。“~領先”がその例。ここでも「ずっと」の意味。
・攀昇 pan1sheng1 上昇する。
・牽動人心 qian1dong4 ren2xin1 “牽動”は、一部の変動によって、他の部分の変動を引き起こす、という意味。つまり、「波及する」、「引き起こす」という意味になる。“人心”は文字通りの意味は「人々の心」だが、心、気持の内容まで包含することがある。例えば、“不得~”は、人心を得ることができない、とは「人々に憎まれる」という意味になる。“牽動人心”で、人々の関心を惹き起す、という意味になる。
・拐点 guai3dian3 曲がり角。ここでは、物価の上昇傾向が下落に転じることを言うのだろう。

□      6月のCPI(消費者物価指数)「6%を突破」、過去3年の最高レベルに

 6.4%、国家統計局が9日発表した6月のCPI(消費者物価指数)は上げ幅が前年同月比で一挙に6%の大台に乗せただけでなく、過去3年の最高を記録した。 2010年7月から始まったこの物価の激しい上昇は、既に1年続いている。3.3%から6.4%に、消費者物価の前年同月比の上げ幅はずっと上昇し続けている。一般民衆から専門家、学者まで、一つの問題が関心の的となっている――「6%突破」後、CPIがいつ曲がり角を迎えるか(つまり、下落に転じるか)。

■[2]


・八大類商品:CPIの統計範囲で、食品、たばこ・酒、衣料品、家庭設備用品及びそのメンテナンスサービス、医療保険及び個人用品、交通・通信、娯楽教育文化用品及びサービス、居住の八つを指す。合計262の基本分類商品とサービスが含まれる。調査地域は全国31の省、直轄市、自治区の500の市、県の6.3万点の調査地点で、それには食品雑貨店、百貨店、スーパー、コンビニ、専門市場、専売店、ショッピングセンター、農貿市場(いわゆる“街市”)、消費サービスセンター等が含まれる。

□        食品類価格、特に豚肉価格が引き続きCPI上昇を先導

 国家統計局のデータによれば、6月の全国の食品類価格は前年同月比14.4%上昇、CPI上昇に約4.26%影響を与えた。そのうち、豚肉価格は57.1%上昇、CPI上昇に約1.37%影響を与えた。
 過去の物価上昇と同様、食品価格が値上がりの主要な担い手となった。しかし、CPIを構成する八つの商品とサービスの価格の前年同月比は何れも上昇した。CPIの高レベルの上昇と同時に、経済成長速度は鈍化し、私たちに今回の物価上昇は従来と異なり、背後に錯綜した複雑な要素があることを気付かせた。
 「もしCPIの上昇幅だけで言うと、4%、5%、更に6%さえも、改革開放以来、嘗て出現したことがある。今回、これほど高度に重視する所以は、一つにはインフレ予測が比較的高いことと、もう一つは物価の動静に尚不確定な要素があることによる。この他、賃金上昇と物価上昇のスパイラルな上昇の問題にも警戒しなければならない。」中国社会科学院学部委員、経済学部副主任の劉樹成はこう語った。
 流動性の過剰がもたらした比較的強いインフレ予測が、今回の物価上昇の特殊な背景である。中国人民銀行が北京市の預金者に行った最新のアンケート調査によれば、第2四半期の北京市民の物価上昇予測指数は73.4で、第1四半期、及び前年同期に比べ、それぞれ2.8、12.6上昇した。金融界で一般に考えられているのは、インフレ予測はしばしば「自己実現性」を備えており、一旦強烈なインフレ予測が形成されると、政府が多くの労力と長い時間をかけてはじめてこの予測を変えることができるということである。
 人々が通常言うインフレとは、商品価格が引き続いて、一定の幅を越えて上昇することを指すが、資産価格の過度のスピードでの上昇もインフレに属する。国務院発展研究センター・マクロ経済研究員の張立群の指摘によれば、家賃価格は直接にはCPIに算入されていないが、過去数年の国内の家賃価格が連続して速い速度で上昇したことは、一般大衆に、お金が「羽が生えた」ようになったと感じさせ、住居費負担が重くなったことは、大衆の一般商品価格上昇の許容能力を大幅に弱めることになった。
 このことから分かることは、国内外の一連の複雑な要素、及び豚肉など農産品の価格の周期的、季節的変動がいっしょになって、今回の物価上昇を引き起こし、中国経済の成長速度を引き下げ、食糧が連続して豊作であったにもかかわらず、依然として物価上昇幅が引き続き上昇するという稀な情勢が出現し、対策の難しさも大幅に増加した。

■[3]


・翹尾因素 qiao2wei3 yin1su4 前年の年末の物価上昇が翌年に影響を及ぼすこと。数ヶ月間、なだらかな曲線を描いていた物価が、年末になって突然跳ね上がることを“翹尾”という。そして、経済動向は直前の経済情勢の影響を受けるため、翌年の年初の経済動向はこの前年の年末の物価上昇の影響を受ける。このことを“翹尾因素”という。英語では“Carryover Effects”。

□     CPIの上昇はいつ曲がり角を迎えるか?専門家は理性的な分析を行った

 「CPIが6月に「6%台を突破」したのは、より多くは昨年下半期以来の続けざまの物価上昇の波及要素が今年上半期の度重なる遅延を反映し、かかる波及要因が既に最高潮に達したことによるもので、恐れる必要はない。むしろ、実は多くの新たな物価上昇要因が、国の引き締め政策により、正に収斂を迎えている。」張立群はこのように指摘した。国家統計局の推計によれば、6月の6.4%のCPIの前年同月比の上昇中、前年からの波及要因が3.7%を占め、新たな物価上昇要因は約2.7%である。
 昨年以来、連続12回の預金準備率の引き上げと5回の金利引き上げにより、国内の流動性の過剰状況は正に効果的に緩和されつつある。全国の広義の貨幣供給量M2残高の伸び率は既に30%前後の高レベルから5月末には15.1%に下落し、既に経済成長率とCPIの前年同月比の上げ幅の総和に近づき、これまでの歴史での経験値は、通常4%を上回ったあたりである。
 「貨幣政策の引き締めの効果は予想を上回り、通貨の角度から見ると、更なる物価上昇の可能性は減少している。」国家情報センター経済予測部副主任、祝宝良はこのように分析した。
 国際的な相場商品の価格は全体的に高レベルから下落しており、外因的なインフレ圧力は緩和した。我が国の製造業の調達価格指数は3月の70%前後から6月は56.7%に下落した。川上のPPT(生産者物価指数)は、6月は前月と同レベルを維持し、川下のCPIの圧力を緩和した。
 市場の供給関係は全体的に予想より好転した。張立群によれば、国の大幅な支援により、冬播き小麦は8年連続で豊作となり、野菜や西瓜が大量に市場に出回り、前月比で価格が下落し、豚肉価格が周期的な上昇をした以外は、農作物の需要と供給の関係は、予想を上回って改善した。とりわけ不動産の分野は、国の引き締め政策により、投機的な需要に打撃を与えた。
 「皆が言っているコストが物価を押し上げている要因だというのは、事実ではあるが、コストの上昇と同時にしばしば技術の進歩も推進され、部分的に価格の上昇を吸収している。」このように張立群は特に強調した。
 国家発展改革委員会価格局の責任者はこれに先立ち次のように明確に表明した:下半期は前年からの波及要素が急速に終息し、新たな物価上昇要因は引き続き抑制され、CPIの前年同月比の上げ幅は高レベルから下落し、通年の物価は制御可能な範囲内で推移するだろう。
 国家統計局の前総経済師、姚景源の予測によれば、CPIの前年同月比の上げ幅は今年の第3四半期には鎮静化を開始し、第4四半期には明らかに下落するだろう。
(新華社北京7月9日電による)

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 民生重視に舵を切った現政権にとって、庶民の関心事、物価のコントロールは大変重要な問題で、特に昨今の豚肉値上がりへの対策が急務となっています。昨日(7月13日)も、国務院常務会議で養豚業者への手厚い政府補助金政策が発表されました。物価安定、インフレ抑圧のための景気引き締めは、様々なところに波及するだけに、今後も注視が必要です。

にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“全科医生”とは?~中国で町医者を育成、普及へ

2011年07月02日 | 中国生活

 今回、採り上げるのは、6月22日新華網に掲載された、《温家宝主持国務院常務会議決定建立全科医生》という記事についてです。

  “全科医生”とは、文字通り、各種の疾病に対するひと通りの知識、基本的な対処方法を理解し、自ら診療を行えるものは実施し、より高度な専門知識や技術が必要なものは然るべき病院へ転院させる手続きをする、いわば「町の診療所」を運営できる人材を育成し、普及させようというものです。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■[1]
 (クリックしてください。中国語原文と語句解説が表示されます。)
     ↓
 

□ 会議では次のように指摘された:“全科医生”は総合的なレベルの高い医師であり、主に民間で疾病予防や健康管理、生活習慣病や流行病の診療や転院、病人のリハビリや慢性病の管理、健康管理等の一体化サービスを担当し、住民の健康の「番人」と呼ばれている。現在、我が国の“全科医生”の育成と運用は尚初歩の段階で、“全科医生”の人数は著しく不足している。全科医生制度を作り上げ、徐々に“全科医生”を主体とした社会の底辺の医療衛生組織を形成することは、医薬衛生体制改革の重要な内容であり、社会の底辺の医療衛生サービスのレベルを向上させ、人々の「病気を診てもらうのが困難で、病気を診てもらう費用が高い」という悩みを緩和するのに、重要な意義を持っている。

■[2]


□ 会議は以下のことを要求した:2012年までに全ての都市の“社区”(地域や団地)の医療衛生サービス機構や農村の郷鎮衛生院には資格を持った“全科医生”(町医者)を置く。更に数年の努力を経て、統一し規範化された“全科医生”の育成モデルと民間の底辺での初診サービスのモデルを基本的に形作り、都市、農村で数万人の住民に2~3名の割合で町医者がおり、より良く住民に対し継続して協力し、便利で行き届いた基本医療衛生サービスが提供できるようにする。一つ目に統一的で規範化された医師育成制度を打ち立てる。“全科医生”の育成は“5+3”モデル、すなわち先ず5年間臨床医学の大学での学部教育を受け、その後3年間“全科医生”の規範化されたトレーニングを受けるという育成モデルを徐々に形作る。二つ目に今緊急で必要であるが、規範化し育成するまでのサイクルに時間がかかるという矛盾の解決に力を入れ、当面は様々な措置を採って資格のある“全科医生”を育成しなければならない。条件に合った民間の現場の執務医と副執務医は、必要に応じ1~2年の現場ローテーョンのトレーニングを行う。都市の病院の医師が主治医師、或いは副主任医師に昇格するには、民間の現場で累計1年の診療業務を行わなければならないという規定を厳格に執行する。三つめに“全科医生”の診療業務の方式を改革する。“全科医生”は必要に応じ複数の地点で登録して診療業務を行うことができ、民間医療衛生機構でフルタイム、或いは他との兼務で医療業務を行うことができ、自分で診療所を開くこともできる。“全科医生”と地区住民の間の契約医療サービス関係作りを推進する。“全科医生”の医療サービスの質の管理監督を強化し、医療保険の支払い、基本公共衛生サービス経費の支払いとリンクさせる。四つ目に“全科医生”の奨励政策と方式を新たに作り出す。契約した住民の人数に応じ医療サービス費を得ることを基本とした新たな奨励メカニズムを打ち立て、診療の困難な辺境地区での給与補填政策を完備させる。“全科医生”の医療業務の発展の道筋を開き、その肩書きや昇進の方法を完備させる。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-  

 つまり、日本や香港などで行われている開業医制度を中国でも作り、飴と鞭の政策で、現場でがんばれば、金や肩書、名誉が付いてくる形を作って医師の積極性を引き出すとともに、住民にはこれら町医師を主治医とする契約を結ばせ、彼ら町医者に一次診療業務を担わせ、総合病院の負担を軽減させようとする政策です。 

 国民全員に対する社会医療保険の普及と合わせ、中国の医療制度の底辺を支える政策として、注目されます。


にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“雷語”とは?―― 汚職役人達の人々を震撼させる言葉

2011年06月30日 | 中国生活

 今年は、従来無かったほど、地方の役人の不正に対し、政府が断固とした取り締まりをし、民衆の正当な権利を守ろうとしています。そんな中、こうした汚れた役人達の発した言葉を集めた記事が発表されました。時代劇の悪代官さながらの言葉が並んでいます。時代や国を越え、権力を握ると、人間のやることは同じだな、と感じる次第です。
 ところで、こうした、センセーショナルな言葉を、ネットから生まれた新語で“雷語”と言います。詳しくは、以下の語句解説をご覧ください。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■[1]
  (クリックしてください。中国語原文と語句解説が見られます)
   ↓


□        汚職役人の「人々を震撼させた発言」に焦点を当てる:
      県の党委員会書記の任に就くと、犯罪に手を染めざるを得ない?!
             2011年6月8日 西安晩報(夕刊紙)より

□ 昨日、《検察日報》は最近取り調べを受けた、何人かの正体が暴かれ、法の網の中に入れられた「害虫」達、「ドブネズミ」達の言論について整理し発表した。《検察日報》は評論の中で次のように語った:これらの言論は、彼らの仲間達が明るみにしたものか、そうでなければ彼ら自身が取り調べ官に対して話したもので、もう二度と、彼らが役職にあった時のように、大風呂敷、絵空事、決まり文句、永遠に間違うことが無いなどという無意味な話が、滔々と絶えることなく語られるということは無い。しかも、それぞれが個性を持っている。

●[2]
 

○ 「もし一銭の金の問題なら、私は十年獄に繋がれよう。一万元の問題なら、私を銃殺刑にしてくれ。」
 これは507万元の収賄をした湖北省監利県国土局の元局長、黄建平が検察官に行った宣誓である。
☆ 論評:もし「事実を根拠とし、法律をよりどころにする」を「事実を根拠とし、宣誓をよりどころにする」に改めたなら、黄局長は507回銃殺にされなければならない。彼にはそんなにたくさん首があるのか。

●[3] 
 

○ 「金を使わずに科長になった者がいるなら見てみたいものだ。本当にそんなに才能があるなら、そのお方をご主人さまと呼ぼう。」
 これは浙江省杭州市濱江区党委員会元書記の尚国勝が贈賄者に対して言った話である。
☆ 論評:尚書記の話は短いけれども、意味深長である。その言外の意味は、当地の役所のポストはただではない。たとえ友情が深く、関係が強固であっても役職に就きたいなら、事前に金を渡さないといけない。ここから分かることは、「金を出せば事が進む」ということこそ正しい論理で、金が無いなら、話をする値打ちも無いということである。

●[4]
 

○ 「私は政府の役人の庇護を受けていて、それも本庁クラスからで、やつらが先ず私から取り調べることはあり得ない。きっと先ずおまえから取り調べるだろう。おまえはじっと我慢していなければならない。鋼鉄のような意志を持たないといけない。コンクリートでも不十分だ。」
 これは浙江省石化建材集団有限公司の元董事長、王先龍の愛人に対する要求である。
☆ 論評:汚職官僚と情婦の関係は、一言で言えば、権力とセックスの取引きである。男が権力で肉体を征服すれば、女は肉体で権力を征服する。男は女を弄ぼうと思っている時、実は女も男を弄んでいるのである。今や危機が迫り、男は女に鋼鉄の意志で男を守るよう求めたが、女もばかではない。女が手柄を立てて罪をあがなうには、男を巻き添えにしなければならない。男の夢は水泡に帰したのである。

●[5]
 

○「腐敗撲滅活動は、隣でレンガを投げているようなもので、ぶつかった者が運が悪いのだ。まさか今日私にその番が回って来ようとは思ってもいなかった。」
 これは1500万元の金をかき集めて私腹を肥やした中国有数の貧困県である甘粛省宕昌県の党委員会の元書記、王先民の話である。
☆ 論評:レンガが下に落ちるのには、必然性がある。あなたにぶつかって他の人にぶつからないのは、偶然である。あなたが捕まって、刑に処せられるのには、必然性がある。なぜなら、あなたには経済的な問題があるからである。「いわゆる偶然なるものは、必然が中に隠された一つの形式である」(マルクス)。皆さん、しばらく立ち止まって見てみましょう。次に落ちてくるレンガは、どの大物の汚職役人にぶつかるでしょうか。

●[6]
 

○「私が県の党委員会書記に在職している間は、目下の社会環境では、犯罪を犯さないなんてことは不可能だ。なぜなら私は自分の価値理念を持っているだけでなく、誰もが実行している裏の掟にも従わないといけないからである。」
 これは「ソフトな腐れ役人」、雲南省麻栗坡県の党委員会元書記、趙仕永の言う、「裏の掟」という、びっくりするような話である。
☆ 論評:彼は罪を贈賄人になすりつけているかのようであるが、実は彼は一つの法則を忘れている。すなわち、事物の発展変化は、内因が根拠で、外因が条件である。外因は内因を通じて機能する。もし彼が清廉潔白なら、「裏の掟」は機能できるだろうか。

●[7]
 

○「もし私が汚職官吏だと言うなら、役所の人間は皆汚職官吏である。何に基づき私を裁くのか。本当に私を交代させるなら、私は三日三晩引き継ぎをして、茂名の役所をそっくりひっくり返すことだって出来る。中国は腐敗分子が腐敗分子を取り立てているのに、腐敗分子が腐敗に反対するというのか。」
 これは広東省茂名市党委員会元書記、羅蔭国が取り調べを受けた時に言った言葉である。
☆ 論評:この話はもちろん偏ったものの見方をしていて、大げさ言っているが、このことから私は温家宝総理の次の名言を思い出した:
「平和な成長段階で、執政政党の最大のリスクは腐敗であり、腐敗が生みだされる根本的な原因は、権力が効果的な監督と制約を受けることができていないことで、この問題をうまく解決しないと、政権の性格は変わってしまい、人がいなくなると政策も息絶えてしまう。これは私たちが直面している極めて厳しい試練である。」 
 腐敗撲滅の前途は依然厳しいが、私たちは力を出して総合的に管理しなければならない。

にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一枚の写真から~《幸福》清掃夫とその孫娘の表情

2011年06月21日 | 中国生活

 今日の話題は、一枚の写真が中国のネット読者に与えた感動についてです。中国のニュースでは連日、今や世界で最も影響力のある国として、政府要人が世界中の政財界の首脳と会見し、先端産業の成果を宣伝する映像が映し出されています。そうした社会の発展の中で、世の中から忘れられた、社会の片隅での一瞬の出来事に、心が癒されます。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

■[1]
 (クリックしてください。中国語の原文と語句解釈が見られます)
     ↓


□  人民ネット評論:
   草の根の中国、いつもある種の力が私たちの心の奥底を温め潤してくれる  
      蔡暁輝 2011年6月9日 人民ネット-“ものの見方”チャンネル

□ 最近、一枚の《幸福》と名付けられた写真がネット上で話題になっている。この写真は最初、「金雲鐘」というネット読者が「撮影フォーラム」上に貼り付けた。しかしツイッターで「わが心が芽吹く」という読者が6月7日に送信してから、わずか2日間で8万回近く転送され、コメントは1万件余りになった。

■[2]
 

□ 情報が数え切れない程多いインターネットの世界では、このように強烈な共鳴の感情を引き起こすものは、極めて本質的で直接的なものに違いない。正にこの写真がそうである。一人の清掃夫が街角で孫娘を抱いて鼻を寄せ合うと、どす黒いしわだらけの顔から菊の花のように喜びがほとばしる…… 時間の面から言うと、それは純粋に労働者の職業の痕跡で、風に吹かれ日に晒されるという、生きていくための営みを読み取ることができる。生活の面から言うと、この瞬間、このしわは、個人の幸福によって、しばしば最も人を感動させる曲線に変化し、見る者に、自分の心の中の最もやさしい心のときめきが聞こえるだろう。

■[3]


□ これが正に《幸福》が見る者を深く感動させるところである。労働者の幸福や、草の根の愛情、これは社会の活力である。どの人も皆、長い人生の道を歩まねばならず、出発点が違えば、境遇も異なり、現実に対する願望も異なる。しかしこの写真を見ると、このごく普通の人のありふれた喜びを見ると、私たちの心の中に湧き立つものは、同じやさしさと希望である。老清掃夫が粗末な清掃用具を下に置き、子供を膝に抱き上げた時、喜びが泉のように自然と流れ出し、労働の疲れはこの一瞬に煙のように消えてしまった。幸福と肉親の情愛は、ごく普通の労働者にとって最高の慰めであり、これは草の根の階層の生活の活力であり、希望であり、未来である。

■[4]


□ 世事が如何に苦難に満ちていて、生活がどんなに難しくとも、幸福があれば、未来がある。埃にまみれた清掃夫であれ、工事現場で汗を滴らせている建設労働者であれ、工場の生産現場で機械に潜り込んでいるマシン・オペレーターであれ……皆、生活の為、あくせくと走り回り、運命と抗う力比べの中でも、同様に一つの夢を隠し持っている。子供の為、家族の為、より良い、より安定した未来を作り出そうと。これは草の根の夢であり、草の根の幸福である。「弱者心理」が絶えず蔓延する社会の中で、心の中に希望を持つ人一人一人が、注意深く、自分の幸福に神様のご加護があることを祈っている。それが生活の意義であり、生きることの報いである。

■[5]


□ 私たちは人との格差は否定しないし、公平でないことを否定しないが、私たちが気にかけるのは――幸福である。人はある種の幸福の瞬間に心を揺さぶられるやいなや、自分の心の奥底の声が聞こえてくる:この平凡な幸福を守らなければならないと。この声は一種の責任感である――草の根の幸福を大切にし、草の根の幸福を保護することは、猛スピードで発展し、姿を変えつつある中国に於いて言えば、目下の最大の社会的な責任である。

■[6]


□ ツイッターで、ネット読者はこの写真を評して、「いつもある種の力が私たちの心の奥底を温め潤してくれる」と言った。実際、常にある種の感動は、私たちがしっかりと守るに値するものである。この力、この感動、これこそ草の根の幸福である。正に無数の中国の草の根が、純粋で、素朴な行動で自らの幸福を編み出していて、そうして初めて人々は社会の温かさや愛情を体に感じることができ、人生の素晴らしさと希望を知ることができるのである。

■[7]


□ 「幸福」という言葉は、ここ数年、政府トップから民間に至るまで、ずっと繰返し大切にされてきた。「私たちがすることの全ては、人民がもっと幸福に、もっと尊厳を持って暮らすことができるようにする為である。」草の根の幸福を重視し、草の根の幸福の為に最大の空間の社会を作ることによってはじめて、人の心の隙間を埋め、離散から人の心をつなぎ合わせる力が得られる。草の根の幸福を保護し、私たちの心の拠りどころを見守ることによって、社会の底辺はそんなにも脆く弱い状態にまで至らずに済むだろう。


にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の大学入試事情 ~ “高考”について

2011年06月11日 | 中国生活

 6月7日、8日、一部地域では9日まで、“高考”gao1kao3、正式には“普通高等学校招生全国統一考試”が行われました。中国での“高等学校”とは、総合大学、単科大学の“本科”(4年制の教程)、“大専”(3年制の教程)を含む大学レベルの学校のことを言います。志願者は、この統一試験の成績に基づき、志望大学を選択し、大学は基本的にこの試験結果に基づき合格者を決定します。

  試験は、6月7日の午前(9:00~11:30)が語文(国語)、午後(15:00~17:00)が数学。8日の午前が選択で文科綜合、或いは理科綜合。午後が外国語です。この中で、毎年注目されるのが7日午前、語文の小論文の課題です。この小論文の課題をはじめ、統一入試といいながら、各地の独自色が濃くなっているのが、最近の中国の大学入試の特徴であるようです。
 そこで、次のような記事を見つけました。

■[1]
 (クリックしてください。中国語原文と語句解説が見られます。)
    ↓


□ 北京の大学入試で小論文を独自に出題するようになって10年: 新しさを求め、変化を求め、北京の独自性が徐々に色濃くなっている
   2011年6月7日《北京日報》

□ 今日午前9時、受験生の目の前に現れた小論文の出題は、北京市が独自に出題するようになってから十回目の夏季大学入試の小論文の課題である。2002年の春季入試で、北京市が初めて独自に大学入試問題の出題を始めてから、今年で十年が経過した。この十年、受験生の入試準備の指導をしてきた高三の教師、及び入試の採点教官はこう語った。十年間の独自の出題で、「北京版入試問題」の地域色は益々色濃くなり、個性は益々鮮明になった。

■[2]


□ 2002年、北京の大学入試の一部の科目は全国統一問題を使わず、独自出題を開始した。 
 “3+X”の試験形式がその年の春季入試で初めてお目見えし、受験生は五科目の試験を受ける必要がなくなり、四科目、すなわち、語文(国語)、数学、外国語の三科目の他、文科系の受験生は文科綜合、理数系の受験生は理科綜合を受ければよくなった。この時の春季入試ではまた、北京の入試問題の独自出題が始まり、その年の春季と夏季の入試では、語文、数学、英語が北京の独自出題で、文科綜合と理科綜合は教育部の入試センターの統一問題であった。2002年の夏季入試の語文の小論文の題は《規則》で、北京市の夏季入試の独自問題で初めての小論文の題となった。 
 2年後の2004年の夏季入試から、文科綜合、理科綜合ともに北京市の独自出題となり、北京市の入試の全科目独自出題が実現した。 
 2006年から、北京市は春季入試を廃止したが、春季入試から開始した独自出題と“3+X”の入試形式は現在まで継続している。

※ このように、大学の統一入試は、地方の独自色も加えながら、改革が続けられてきました。

■[3]


□ 2002年の北京の夏季入試以来、語文学科は主観問題の配点が増加し、試験問題の内容の最適化が行われ、基礎知識を問う問題が重視されるようになった。過去10年ずっと高三の指導に従事してきた東直門中学の語文教諭、安建恵の紹介によれば、以前の全国統一問題では、中国語のピンイン、漢字の字形の出題が各一問出題されていたが、北京出題問題では、発音、字形を一つの問題にまとめて出題され、このようにして一問減らした分で、学生の語文の鑑賞、審美能力の応用力を問う出題がされるようになった。2004年の入試では“北京方言”までも試験問題に取り上げられるようになり、2006年の小論文の課題《北京の符合》では一層、北京の独自出題の「地方色」が極限まで発揮されるようになった。

■[4]


□ 安建恵の説明では、以前の入試の小論文はテーマからずれていないかどうかが重視され、テーマからずれてしまうと、小論文の成績は合格が難しかった。一方、独自出題の小論文では、形式上の要求が緩和され、受験生は個性が発揮できるようになり、論理のつじつまが合ってさえいればよくなった。「試験会場で受験生の身に被せられた形式主義の手かせ足かせは益々少なくなり、中身が無く形式ばかりにこだわった文章が多く見られ、良い作品がほとんど見つからないという情況は改められた」と安建恵は語った。

     -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 ご承知のように、中国は長年科挙の試験で人材を登用してきた伝統があるせいでしょうか、全国統一入試でも、最初の語文で出題される小論文のテーマが今年は何か、が話題になるのがおもしろいと思いました。

 ちなみに、2011年の北京の小論文の課題は、中国が卓球の世界選手権で金メダルを独占したことについてで、それに関して学校での教師と生徒の間で行われた討論が紹介されており、それを使って、自分の見解を選び、テーマを定めて800字以上の論文を書きなさい、というものでした。

にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする