詞組が文となっても、正しく意味を捉える手法は同じで、文を分析し、それがどの文型に属するのか、正しく理解することが必要です。文を構造別に類別する時、その区分には、句類、句型の二つの概念があります。
文と文の分析
文の分析とはどのようなものか
文(“句子”)は異なる角度から分析を行うことができる。
文の語気により、陳述文、疑問文、命令文(“祈使句”という。英語でいうImperative Sentence)、感嘆文に分けられ、これらを一般に“句類”(文の類型)と呼ぶ。
また、文の構造や型により、単文、複文、主述文(“主謂句”)、非主述文(“非主謂句”)などに分けられ、これらを一般に“句型”(文型)と呼ぶ。
“句類”と“句型”は二つの異なる概念であり、同一の文型でも異なる文の類型であることがあるし、同一の文の類型でも異なる文型となることがある。例えば:
(1)這是一首很好的詩。(陳述文)
(2)誰写的?(疑問文)
(3)你先念一遍吧。(命令文)
(4)這首詩写得真不錯!(感嘆文)
以上の四つの文は異なる文の類型であるが、これらは何れも同一の文型、すなわち主述文である。明らかに分かる(“顕而易見”)ことは、1番目の文が主述文であることだが、2番目の文を疑問文と判断する時、私たちは文の語気を基準にしている。一方、これら四つの文は皆主述文であると言う時には、私たちは語句の構造を基準にしている。
文の構造分析の終極の目的は、文型を確定する為である。
文型は多くの文例の中から帰納されたもので、様々な文が同一の文型に帰納される。
例えば:“他動身了。”“他動身了?”は異なる文だが、同じ文型に属する。なぜなら語気を表す成分は文型に影響を与えないからである。
“你読書。”“他看報。”“我写文章。”この三つの文も同じ文型に属する。なぜなら、文の中の機能が同じ詞の入れ替えは、文型に影響を与えないからである。
“天気就要熱起来了”と“天気看起来就要熱起来了”は同一の文型に属するが、文の中に独立した成分を加えても、文型には影響を与えない。
“他想起来了”と“慢慢地他想起来了”は同一の文型に属するが、語句の拡張(修飾語の追加)は文型に影響を与えない。
“你哥哥走了嗎?”と“走了嗎,你哥哥?”は同一の文型に属し、語順を変えても、文型には影響を与えない。
文型を確定するには、以下の方法が採られる。
第一、上位の文型から下位の文型へ、順番に確定していく。一つの文を持ってきて、先ずこれが単文か複文か見る。もし単文なら、更にこれが主述文か非主述文かを見る。もし主述文なら、述語の構造により、その類型を確定する。
第二、文の成分の拡張は文型そのものに影響を与えないので、文に付いている修飾語は文型を確定する根拠にならない。
例えば:
(5)関于種植棉花,我没有経験。
(6)在我国,北方還是氷天雪地,南方已経開始播種了。
上の二つの文は、全体から見ると、何れも偏正構造に属する。文型を確定する時、(5)は単文の中の主述文に分類され、(6)は複文に分類される。なぜなら、(5)は主述文の拡張型と見做すことができ、(6)は複文の拡張型と見做すことができるからである。
このような方法は、主述文の下位の語句の類型の確定にも推し広げて使うことができる。例えば:
(7)我已経読完了一年級課程。
(8)他比我唱得好。
(9)你別光着頭出去。
(10)大家先譲他談談。
(11)這本書的確内容豊富。
これらの文の述語は何れも偏正構造であるが、拡張成分を取り除くと、(7)は動賓述語文、(8)は後補述語文、(9)は連動述語文、(10)は兼語述語文、(11)は主述述語文である。
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文型分析の中で、主に主述文を取り上げて説明しました。主述文は、中国語の文で最も標準的な、S+V、S+V+Oの文型です。それでは、もうひとつの非主述文とはどのようなものでしょうか。
非主述文
単文の中で、主語と述語から成る文を見出せない時、その文を非主述文と呼ぶ。非主述文には、名詞性のものと非名詞性のものがある。
◆名詞性のものの例:
(1)小王! (親しい人への呼びかけ)
(2)票! (チケットの販売員がお客にチケットを渡す時の呼びかけ)
(3)好熱的天気! (気候の変化に感銘を受けた時のつぶやき)
(4)一九七九年的春天。 (文藝作品の本題に入る前の背景説明)
◆動詞性のものの例:
(5)出太陽了。 (自然現象の説明)
(6)忽然響起了鐘声。 (出現した状況の説明)
(7)不許攀折花木。 (一般的要求の表示。公園などの禁止事項表示)
◆形容詞性のものの例:
(8)好極了!
(9)真熱!
この他、感嘆詞、擬声語(“象声詞”)も非主述文を構成することができる。
上記の非主述文は、あるものは一つの詞であり、あるものは一つの偏正詞組や動賓詞組であり、構造は皆簡単である。
非主述文は、省略文とは異なる。省略文は、言語環境(上下の文を含む)の手助けにより、語句のある成分を省略したものである。例えば、命令文は通常、主語を省略する。この主語は確定的であり、もし主語を補充して言うなら、正確に言うことができる。対話の中の命令文、例えば“別抽煙”と言う時は、暗に二人称の主語を含んでおり、具体的な環境の中では、“你”、或いは“你們”を加えて理解される。公共の場所でのポスター、貼り紙で“禁止抽煙”と書かれている場合は、それ自身が完全で、主語を加えなくても理解できる。したがって、前者は主述文の省略形式、後者は非主述文である。
【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年
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