おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

戦略的なマーケティングの実践【売れる仕組みづくりのヒント】

2021-12-09 09:19:42 | マーケティング
「売れる(買っていただく)仕組み作り」
『マーケティングは能動的に行うものです』

市場の様子を見ながら、打ち手を考える事は日々皆さんが行っている事だと思います。
ですが、そのマーケティングを戦略的に行っていく事で、振り返りも抽象的にならずにすみます。

さて、そもそもマーケティングとは何でしょうか?
マーケティングは《買っていただく為の仕組みづくり》と考えて見ましょう。
皆さん側の言葉で言えば、売れる仕組みを作ると言う事です。
では、売れる仕組みはどう考えればいいのでしょうか?
日々、私たちは売る為の努力をしています。
まずはそこを変化させる必要があるかもしれません。
売るから売れるに変化させましょう。
お客様側言えば、買うから買いたいに変化するという事です。
買うには、それしか無いから買うや、しぶしぶ買うといった要素もあるかもしれません。
しかし買いたいは違います。数ある商品やサービスの中から皆さんの商品やサービスを探し出し、【それが欲しい】と言ってくれるのです。
なので、市場では、差別化や独自化が沢山蔓延っているのです。
まだ世の中に無いものは確かに注目に値します。
しかし、本当にそこだけを目指すべきでしょうか?

イノベーター理論で説明される消費者の心理には以下のようなものがあるのをご存知でしょうか?
① イノベーター
② アーリーアダプター
③ アーリーマジョリティー
④ レイトマジョリティー
⑤ ラガード
イノベーターは、早期購入者の事で、新しいものに飛びつきます。いち早く、我先に手に入れようと努力を惜しみません。
アーリーアダプターは、自ら商品やサービスの価値を研究し新しいものを手にするタイプです。イノベーターとの違いは、質や利益を見極める点です。
アーリーマジョリティーは、比較的慎重派ですが、新しいものへの関心は高く、まだ市場投入が早いうちに手に入れようとする人々です。実はアーリーマジョリティーに受け入れられると、商品やサービスが一気に市場に浸透することから、ブリッジピープルとも呼ばれる。つまり、この層の人にどう受け入れらるかがとても重要になる訳ですが、この層の人々は、イノベーターやアーリーアダプターの様子をしっかりと観察している人たちです。ですので、この層だけのアプローチでは市場に浸透しません。
レイトマジョリティーは、流行後に取り入れる人たちです。従順なフォロワーと言えます。
ラガードは、保守的な人たちなのでマーケティングではターゲットにしない人たちです。流行が一巡し、すでに売れなくなって来て割引が進み始めた時に、商品やサービスに始めて食いつく人たちとも言えます。

このように市場を形成する我々消費者にはこれらのタイプが混在しており、自社のマーケティングをどのように戦略的に取り組むかの指標にすることも出来るのです。

イノベーターに買いたいと思って貰うための工夫はどのような事が考えられるかと、レイトマジョリティーに対する工夫は全く違うものとなるのは、皆さんにはご理解いただけるものと思います。

そうして、欲しいと思って貰える売り方を工夫するだけで、市場の反応は全く違うものとなります。

(次回以降の内容について)
・戦略的である必要性とは? 
・マーケティングミックスとは? 
・マーケティングに密接に関係があるものとは?

ご期待下さい。




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教科書に載っていない良い職場とは 22 【潤い】

2021-04-27 08:26:04 | マーケティング
教科書に載っていない良い職場とは 22 【潤い】


ウエットな職場には、【潤い】があります。
言い換えれば、余裕ともいえるかもしれません。
良い職場のキーワードは【潤い】です。
ドライな職場には個人的には大きな成長が望めます。
反面、人間本来が持っている欲求である集団意識や集団での行動に関して、いまいち物足りなさを感じてしまいます。
そういった意味でも、職場には【潤い】が必要でもあるのです。
【潤い】は何をどのように表現しているのでしょうか?
職場の人間関係を表しています。
つまり、共感し、適切な関係を保てるという事です。
自我状態で表現するならば、「青い状態」です。
青い状態は建設的です。
親のように共感する、論理的である大人な状態、無邪気な子供の状態、いずれも青い状態です。
これらの青い状態での関わり合いは職場に【潤い】をもたらすのです。
職場に【潤い】を持たせたいと思っている経営トップはどのようにすれば【潤い】が得られるのか知っていなければなりませんね。


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教科書に載っていない良い職場とは 21 【矢印】

2021-04-26 12:07:53 | マーケティング
教科書に載っていない良い職場とは 21 【矢印】


職場の雰囲気を表現するのに、ドライであるとか、ウエットな感じと表現する事があります。
前者は、サバサバしていて、仕事に厳しい、プロ意識が高い、自己責任などといったイメージがあります。
後者は、思いやりがあり、情を重んじて、仲間意識が高いといったイメージがあります。
職場を表現する時にはそのどちらか?またはそのどちらも含んでいる場合があると思います。
私はそのどちらも含んでいる職場はしなやかで強いと思います。
まずドライな職場ですが、自己責任とのイメージからも連想されますが、【矢印】が自分に向いている状態です。
人間は今いる状況が悪くなると、自分以外に責任を求めがちです。
つまり他責です。
他責では問題が解決しない事は皆さんもご存知の通りです。
であれば、ドライな職場は成熟した大人な印象すら与えます。
一方、ウエットな感じは、お互いを思いやる事が出来ているので、なんでも相談しやすい雰囲気があります。
「情」を大切にするという事は、相手の心に寄り添うという事です。
相手の心に寄り添うという事は、相手の身になれるという事です。
相手の身になれれば、今何を欲しているのかを感じる事が出来ます。
話を聞いてもらいたいだけなのか?
解決まで一緒に進んで欲しいのか?
解決して欲しいと頼んでいるのか?
職場は、【矢印】が自分に向いている事と情が深い事の両方が共存している状態で、最高の成果を導きそうです。
教科書に載っていない良い職場のキーワードは【矢印】です。


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マーケティング研究 他社事例 780 「大塚家具の社長交代」 ~大塚久美子氏の経営手腕はどうだったのか?~

2021-03-29 10:08:52 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 780 「大塚家具の社長交代」 ~大塚久美子氏の経営手腕はどうだったのか?~


家電量販店大手のヤマダホールディングスが大塚家具の子会社化を発表した2019年12月に山田会長は周囲に「とりあえず1年」と漏らしていたようです。

記者会見では、大塚久美子氏にチャンスを与えると期間を明言せずに猶予を与えるとしていましたが、当初からその手腕に懐疑的な所があったのでしょう。

そして1年後の2020年12月1日に大塚久美子氏は辞任するに至りました。

この間、ヤマダHDには不満がたまっていたと言います。

子会社になった後に大塚氏と会話しても「助けてもらっているとは思えない言動で我々のアドバイスにも耳を貸さない」と幹部は漏らしていました。

対外的には理路整然とした落ち着いた語り口ですが、一度火が付くと止まらないという一面があり、厳しく部下を叱責する面があったようです。

大塚家具からは幹部が次々と去り、スポンサー探しに追われた際に訪れたファイナンシャルアドバイザーの会議室から大塚久美子氏の怒号が響くのを多くの社員が耳にしていたようです。

大塚久美子氏が社長に返り咲いたのは、2015年1月の事でした。

その後の業績は右肩下がりになってしまいました。

2015年12月期に580億円あった売上高は、2020年4月期に(決算期変更で16カ月間)に348億円まで減少しました。

2015年12月期に6億3300万円の黒字だった経営損益は翌年赤字に転じ、その後は赤字幅が広がっています。

その様な中、資金が底を突きそうになるたびに自らスポンサーを開拓して出資を引き出すなどの経営能力を見せた場面もありました。

外部と接触する際の好感度の高さが巧みな資金調達をもたらし、「久美子氏でなければできない芸当だった」(金融関係者)と評されてもいます。

しかし、事業で垂れ流す赤字は常に質が悪く、期初に業績が回復する見通しを出し、下方修正を繰り返すというのが続きました。

うみを出す覚悟ではなく、誤算の赤字続きでは経営能力に疑問を持たれても仕方がないと言えます。

12月の辞任も表向きは体面を保つ格好になっています。

辞任を発表したニュースリリースでは「今期は通期赤字を見込むものの、前期に比べて大幅な改善がみられ、来期の黒字化に向けて道筋がつきつつある」としています。

過去の経営責任を明確にする意味で自ら辞任を申し出たという立て付けになっています。

確かに今期の業績見通しは今までより信憑性が高さそうです。

それは、販売面やヤマダHDとの相乗効果が見込めるからです。

経常赤字額は27億8000万円と前年同期の半分弱に減っています。

経常赤字が縮小に転じれば2016年12月期に赤字転落して以来初めての事です。

これをもって、経営再建に道筋を付けたという花道を敷き、そこから退場するのがプライドを保つ事になると考えられなくもありません。

しかし、今期も赤字は赤字です。

今までの業績不振を考えると、辞任で責任を取りきれる話ではありません。

社長再任後の最終赤字の総額は250億円を超えています。

大塚久美子氏が辞任を発表した直後の大塚家具の株価はストップ高になりました。

久しぶりに企業価値を上げた材料が自らの辞任発表とは、花道をかざるなんて事は言えないと思います。


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マーケティング研究 他社事例 779 「自主性を重んじるという事は心に火を付ける事とセットである」 ~未来工業のマネジメントを実践してみた~

2021-03-26 08:42:47 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 779 「自主性を重んじるという事は心に火を付ける事とセットである」 ~未来工業のマネジメントを実践してみた~


1896年創業の刃物メーカーである福田刃物工業は、ポケットナイフ作りが祖業で、現在はペットボトルの粉砕機や段ボールの加工機など、様々な機械に取り付ける工業用の刃物を手掛けています。

業績は好調に推移しており、2019年度の売上高は20億5200万円、経常利益は2億5800万円と、10年連続の増収増益を達成しました。

売上規模は10年前の3倍以上に拡大しています。

業績アップの秘訣は徹底した「放任主義」にあるとの事で、今回はこの福田刃物工業のレポートです。

代表取締役は福田克則氏で、彼の前職はNECで当時NECの屋台骨だった半導体部門の需要の見極め、設備投資計画を立てる花形部署で働いていました。

その後、1997年に父や叔父が経営する家業の福田刃物工業に転職するのでした。

社員の皆さんはというと温かく迎え入れてくれたといいますが、たばこのポイ捨て、遅刻や、無断欠勤は当たり前でNECと比べると社内の規律が緩んでいるといってもおかしくない状況でした。

このままではまずいと意識改革に取り組みました。

まずは生産現場ではおなじみの5Sです。

その後、品質管理の国際規格ISO9000シリーズの認証取得に向けて、曖昧だった従業員の役割分担を明確にしました。

ほかにも成果主義を取り入れるなど、あの手この手で社員の意識を変えようとしたのでした。

しかし、それでも社員たちは変わる事はありませんでした。

業績も上がる事はなく、完全な手詰まり状態に陥りました。

転機は2003年でした。

友人に誘われた岐阜県の電設資材メーカーの未来工業の創業者、山田明男氏の講演を聞いた事でした。

山田氏は未来工業を一代で上場企業に育て上げた地元の名物経営者でした。

「おめーら跡取りは息子はバカだと気付け、自分に能力が無いのに、跡取りだから大きな権限が与えられているだけなのに、何を勘違いしている。」

「能力が無いのだから、社員にやってもらえ」

山田氏は会社は社員のものを体現している社長です。

未来工業では、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の禁止」というのがあります。

社員一人一人が自律的に考え、行動するよう促すためのルールの一つです。

ここで使用した感じは、自立ではなく自律です。

自分を律する事が出来る人が考えるという事です。

さらに自主性を尊重すればおのずと社員のプライドとやる気が湧き上がって来るとして、上からの一方的な命令は厳禁という、かなり緩い風土の会社が未来工業です。

社員に任せて本当に大丈夫なのでしょうか?

しかし、福田氏はこの山田氏を師と仰ぎ、師事したのでした。

福田氏は山田氏の教えに倣い、売上目標や営業ノルマを廃止するなど、現場への押し付けをやめました。

代わりに社員のやる気を引き出す言葉をかけることを心がけました。

皆さんは営業員から受注を獲得できなかったという報告があがってきた時には、どんな言葉をかけますか?

福田氏は、山田氏の「福田君がかける言葉は社員の感動につながるか?」の問いかけを心に刻み行動に移しているので、「よく頑張ってくれた」と激励すると言います。

それでもしばらくは業績が大きく上向く事はありませんでした。

社員の皆さんが底力を発揮したのは、リーマンショックの影響で業績が落ち込んだ2009年度からの回復過程でした。

山田氏と出会い、放任主義を実践し始めてから7年後の事です。

それまで地元を離れる事がめったになかった営業員が誰に命じられることもなく全国各地を回り、新規顧客を開拓するようになり、製造現場では工員が自主的に改善活動に取り組んだり、多能工化を進めたりし始めたのです。

2013年に社長に就任してからも現場を基本的には放置しています。

社員からアプローチがない限り、相談に乗る事もありません。

福田氏は、「社長としての存在感をもっと消していくのが私の務めだ」と言います。


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