おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 358 「ブレグジットの行方1」 ~ホンダの判断の是非は?~

2019-05-31 15:49:18 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 358 「ブレグジットの行方1」 ~ホンダの判断の是非は?~


ホンダは2月19日、イギリス南部スウィンドン工場での四輪車生産を2021年中に終了すると発表しました。

同工場で生産している主力車「シビック」を次期モデルに切り替えるのを機に、アメリカや日本に生産移管する決断をしたのでした。

「取引先に迷惑をかけないタイミングにしようということだ」

同日、都内で開いた記者会見で、このタイミングで発表した経緯を問われたホンダの八郷社長は答えました。

しかし、イギリス国内での衝撃は大きかったと言えます。

ホンダの工場労働者を含むイギリス最大の労働組合ユナイトは翌20日、「ホンダの3500人だけではなく、関連する中小企業など1万5000人が影響を受ける」との声明を発表し、工場を残すように訴えたのです。

無理もないです。

2月3日には、日産自動車がサンダーランド工場で予定していた「エクストレイル」の次期モデルの生産を取りやめると発表しました。

イギリスジャガー・ランドローバーも1月にイギリス内の工場を中心に4500人規模の人員を削減すると明らかにしたのです。

3月29日から控えるイギリスの欧州連合からの撤退(ブレグジット)ではEUとの「合意なき離脱」が現実味を帯びていたタイミングです。

イギリス国民の雇用の場が失われることにひときわ敏感だったのです。

まさにそんなタイミングで、ホンダは事実上の工場閉鎖を発表した訳です。

その後のブレグジットの混乱はニュース等で示している通りです。

もちろん、ホンダにとっては経済合理性にかなった判断ではあります。

スウィンドン工場の生産台数は2018年に約16万台で、稼働は25万台の生産能力の6割強にすぎません。

しかも、もともと想定していたEU向け生産はイギリスを含めて35%、55%を占める北米向け車両が稼働率を支えていたのです。

「ホンダには欧州で認められたいという思いがあった」

「欧州で認められれば「一流」の自動車メーカーへの仲間入りを果たせる。そのためにも欧州域内の生産拠点が必要と考えて同工場を持つ続けた」

専門家からはこのような声が聞こえてきます。

一流と見られるために力を入れたのが、欧州で人気の高い自動車レース「F1」への参戦でした。

ところが、いくらF1で優勝を重ねても欧州での「格」は上がりませんでした。

販売台数は伸び悩み、2018年の欧州域内シェアはたったの0.8%です。

ここに到来したのがブレグジットだったのでした。

(続く)


「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。

経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。

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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 



現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。

また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。

こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。

メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。

なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。

金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。

「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。

「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。

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この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。

彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)

経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」

「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」

というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。

お気軽にご相談下さい。

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マーケティング研究 他社事例 357 「ベアレン醸造所から学ぶ黒字倒産2」 ~働き方改革で閉店を選択~

2019-05-30 10:33:42 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 357 「ベアレン醸造所から学ぶ黒字倒産2」 ~働き方改革で閉店を選択~


しかし、会社の想いとしては、盛岡の地で長くお客様や働く社員に愛され続く会社にしていきたいという強いものがあります。

この状況ではいずれ体を壊したり、嫌になって辞めてしまう社員も出てくると考えていました。

さらに、社員には働く時間を出来るだけ短くし、趣味の時間や家族と過ごす時間など日常生活を大事にしてほしいと思っていました。

商品は定番のラガービールだけでは無く、柚子の香りのするビールやチョコレートの香りがするビールなど、現場社員の柔軟なアイデアによって支えられています。

そもそもビールは嗜好品であり、必需品ではありません。

創意工夫なくては生き残れませんが、こうした発想も会社漬けでは出てこないと思っているのです。

結果、業務会議後の8月末、閉店の方針を固め、9月に入ると駅ビルの運営会社に閉店の意向を伝えに行ったのでした。

閉店のタイミングがテナントの3年の契約更新の時期だったので、更新どころか閉店と聞いて担当者の方は困惑されたとの事です。

有難いことに、店舗を続けられるように様々な条件を提案してくれたようですが、社員の働き方改革の一環である事を伝えて、最後には納得してもらったようです。

閉店にあたっては、店舗の社員は他の店舗への異動としました。

アルバイトの方も他の店舗でアルバイトを続けていくようになりました。

閉店による売り上げ減をどうするかですが、本業である地ビールの販売を伸ばす事でカバーする予定です。

具体的には、2019年4月に岩手県雫石町で稼働を開始する新工場で缶ビールの生産ラインを立ち上げ、5月から販売を開始しました。

今までは瓶ビールのみで、売上の65%が岩手県内と、地元で飲んでいるようです。

缶ビールになれば、輸送もしやすくなり、県外や海外への販売も伸びるのではと期待しています。

また盛岡市等の県内の自治体でふるさと納税の商品に選ばれた事で、引き続き伸ばしていく方針のようです。


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マーケティング研究 他社事例 356 「ベアレン醸造所から学ぶ黒字倒産1」 ~働き方改革で閉店を選択~

2019-05-28 08:25:38 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 356 「ベアレン醸造所から学ぶ黒字倒産1」 ~働き方改革で閉店を選択~


ベアレン醸造所が経営する飲食店舗「ビア&ヴルストベアレン」が2月17日で閉店となりました。

1月に閉店をお知らせしたところ、新聞やテレビで大きく報じられたので皆さんの中でもご覧になった方もいるかもしれません。

今回は、なぜ閉店に至ったか?取締役の嶌田さんのお話から考えて見たいと思います。

このお店は、十数席と小規模にも関わらず、弊社の中核店舗で、経営にも問題ありませんでした。

フェザンという盛岡駅ビルの中にあり、お客様も多く、新幹線で訪れた観光客の方に、自社で製造している地ビールを知っていただくアンテナショップとしての役割も果たしていました。

嶌田さんはこのようにお話しています。

「きっかけは2018年夏に全社で実施した業務改革でした」

幹部社員が集まって、ビールの製造や販売、飲食店舗の運営など社内のあらゆる業務を棚卸しして、ムダ・ムラをなくそうというものです。

ゼロベースで議論する中で、直営4店舗という今の規模は適正なのか考えたと言います。

そもそも地ビールのメーカーがなぜ飲食店舗を持つのか?

売上や利益を得る事はもちろんですが、販売だけでは見られないお客様の生の反応を見られることが大きな理由となっていました。

しかし、店舗なので当然売上にも波がありますし、店舗で働く社員やアルバイトの人員配置は盛岡でも十分確保出来ているとは言い難い状況でした。

特に盛岡駅の店舗は開店が午前10時で閉店が午後11時という終日営業です。

それに対して、他の店は午後5時からとう夜の営業のみでした。

また休日はほとんどありませんでした。

それには事情がありました。

他の店舗は一般的なテナントですが、この盛岡駅の店舗は、大きな駅ビル内での営業です。

営業時間や休店日は駅ビルのルールに準拠する必要がありました。

その結果、時間や営業日が長い分、人員も多く必要になっていました。

店舗の出勤簿を見て見ると、病気など予期できない急な休みなどで、他の店舗から盛岡駅の店舗に応援に行ったり、店長が早番・遅番という2つのシフトを通しで働いていたりすることも少なくありませんでした。

今年の全社売上のうち、盛岡駅の店舗は7%程度でしたが、黒字で利益面では相当貢献していました。

店舗の20代~30代の店長やスタッフは明るく元気よく頑張ってくれていました。

しばらく、そのまま営業する事は可能でした。

(続く)


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マーケティング研究 他社事例 355 「創造の現場2」 ~根性論より科学的に~

2019-05-24 09:22:48 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 355 「創造の現場2」 ~根性論より科学的に~


東京・赤坂のオフィスでは大勢のスタッフが試合映像を見ながら、試合展開や選手、ボールの動きをパソコンに入力しています。

入手した膨大なデータは、野球なら「投球コース別の打率」や「打球の方向」、サッカーなら「パスやシュートの軌跡」や「プレーの多いゾーン」などが一目でわかるように加工して契約先のチームに提供するのです。

監督やコーチはそこから選手やチームの調子を読み解き、指導法や戦術の策定に役立て、データスタジアムにいる13人のアナリストが読み解きを手伝ったり、洞察を加えたりしています。

加藤氏の心に刻まれているのが、サッカーJリーグに所属するあるチームの躍進です。

「J1からJ2へ降格寸前となった段階で支援を求めてきた。データから導きだされる最適な選手配置とフォーメーションを提案したところ、残り8試合で一気に巻き返し、奇跡的にJ1にとどまることができた」

マネーボールさながらの快進撃でした。

2013年には、東京オリンピック開催の決定を受けて、従来の野球やサッカーなど4種目に加えて卓球やバレーボールなどのスポーツ団体から協力要請が相次ぎ、事業が拡大しました。

加藤氏は「東京オリンピックで日本代表チームの勝利に貢献するのが、目下のミッションだ」と力を込めます。

データスタジアムは現在、AI(人工知能)システムの開発に取り組んでいます。

1月から、AI開発を手掛けるプリフォード・ネットワークスと協力を開始しました。

「私たちが収集したデータをプリフォードの深層学習技術で分析し、選手の今後の成長や怪我の発生リスクを予測できるようにしたい」

こうしたチームやスポーツ団体を顧客としたデータ分析事業は売上高の約半分を占めています。

残りの半分はテレビやインターネットなどメディア向けのデータ事業となっています。

例えば野球の「一球速報サービス」ではスタッフが1級ごとに配球や打球のコース、走者の位置などを入力し、契約するメディア企業に随時配信しています。

今後は例えば2軍選手のデータなど、より深く、詳細な情報を個人に直接提供するサービスも考えています。

ファンの楽しみは広がり、チームも強くなる、「データの力」でスポーツ界が盛り上がって来たと言えるかもしれません。



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マーケティング研究 他社事例 354 「創造の現場1」 ~根性論より科学的に~

2019-05-23 15:22:53 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 354 「創造の現場1」 ~根性論より科学的に~


低迷チームのプロ球団再建のため、チーム編成の責任者は統計分析を取り入れています。

「ヒットは打てないが、四死球で出塁する確率が高い打者」

など、異色の選手を次々と獲得し、統計分析が導き出した「勝つためには必要な人材」に監督やスカウトは猛反発するも、やがてチームの成績があがっていく。

「どこかで聞いた事がある話だな?」と思ったあなた。

そうです、2011年に公開されたハリウッド映画「マネーボール」はアメリカ大リーグのオークランド・アスレチックスの実話に基づいています。

スポーツデータの分析会社、データスタジアムの加藤社長は「映画公開後、「要するにマネーボールと同じですよね」と言われ、商談や打ち合わせが格段にスムーズになった」と笑います。

データスタジアムは映画のように、データが示す「事実」に基づいて、監督やコーチが合理的な判断を下す手助けをしています。

野球やサッカーなど20種類を分析の対象とし、プロチームからアマチュアスポーツ団体まで幅広く顧客を持っています。

「次の試合はいつもの戦術で挑めば勝てるだろう」

「今度の新人選手は覇気がないので、スタメンから外そう」などという、科学的根拠の薄い采配を排除し勝利につなげるのが最大の成果です。

加藤氏は2009年に同社社長に就任して以来、データ分析事業一筋でスポーツ界を支えているのです。

加藤氏は、父はハンドボールで国体に出場、母も陸上競技とソフトボール選手という、スポーツ好きな家庭で育ちました。

両親や弟とテレビの前でひいきのチームや選手を応援する家族団らんが幼少期の原風景でした。

進路を決定づけたのは、早稲田大学在学中のアルバイト経験でした。

3年生の時に学生スポーツの祭典、ユニバーシアードが神戸で開かれました。

加藤氏は夏休みを利用し現地で大会に合わせて発行されるフリーペーパーの記者として働いたのです。

試合会場に足を運び、取材を重ねる中で、大会をサポートする電通社員の仕事ぶりを目の当たりにしたのです。

裏方としてスポーツ界を支える仕事がある事を知り、自身も広告代理店を志すようになり、卒業後は晴れて、博報堂に入社しました。

当初は一般企業のマーケティングを担当しましたが、入社9年目の1995年、博報堂スポーツマーケティング(現・博報堂DYスポーツマーケティング)の創業に参画する機会を得た事で「スポーツ関連の仕事がしたい」という念願が叶ったのでした。

当時、サッカーのプレミアリーグで選手評価にデータ分析を取り入れる試みが始まろうとしていました。

これがデータを重視する現代スポーツの世界的潮流の原点とされています。

2002年には統計学の手法を取り入れたアスレティックが大リーグで大躍進し、データ重視の流れを決定づけたのです。

同じころ、博報堂DYスポーツマーケティングもデータ分析事業に進出し、パートナーとして選んだのが携帯サイト運営のインデックス・ホールディングス傘下のデータスタジアムでした。

その後、インデックスHDの経営が傾き、2009年に博報堂DYメディアパートナーズグループがデータスタジアムを買収し、加藤氏が社長として送り込まれたのです。
(続く)


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