函館 Glass Life

函館市田家町で眼鏡店「サポートGlass」を営む店主の趣味と感じたことの
日記です。

頼山陽が見た川中島!!

2007-12-17 | 歴史
いよいよ最終回ですね
勘助の進言した「啄木鳥の戦法」が実行に
移されました。
「啄木鳥の戦法」は表面的には失敗だった
のかも知れませんが、膠着状態の両軍を動
かしたと言う意味では、満更失敗とは言え
ないのです。
何せ、人数の上では武田軍が有利なのは間
違いないのですから
上杉軍にはすっかり見破られていましたが、
見破った上杉軍も背後に控える武田軍の別
働隊が到着するまでの間に勝敗を決しなけ
ればならかったのです。
両軍共、時間と戦っていた訳ですね
その時間との戦いを上杉軍の中でただ一人
重く受け止めていたのが宇佐美でした。
両軍にとってこれ以上の殺し合いは無意味
だったのです。
勘助に撤退を進言した宇佐美でしたが、勘
助には聞き入れる余裕が無くなっていましたね
それどころか、宇佐美に切り込んで行くとは…
『一国を滅ぼしてまで何故戦うのか?』と宇佐美。
『生きる為、我が思うお人の為』と勘助。
勘助の我が思う人とは誰なのでしょうか??
僕にはどうも信玄だとは思えないのです??

自分のたてた策の失敗を一心に背負い、
一命を掛けて償おうとしたのでしょうか??
もう軍師・山本勘助ではなく、一兵卒に
戻った感があります。
常に冷静さを求められる軍師には向いて
いなかったのかも知れませんね
今回の大河ドラマの勘助は、ミツといい
由布姫といい、どうも女性に対する愛情
が強過ぎる様な気がします。
宇佐美と比べると大局観がありません。
恋愛小説・風林火山と云ったところでし
ょうか(云い過ぎかも?)


『鞭声粛々夜河を過る暁に見る千兵の大牙を擁
するを遺恨十年一剣を磨き流星光底長蛇を逸す』

頼山陽作の『川中島』の一説です。
あまりにも有名ですよね
信玄・謙信の一騎打ちの絵に、江戸時代後期の
儒学者であり詩人でもある頼山陽が詩を付けた
と言われているのです

この詩の意味は大体こう云う感じです。

上杉軍は夜陰に紛れ、馬に当てる鞭の音もさせ
ず川を渡ります。
武田軍では、霧が晴れ夜明けをむかえると、大
将旗を擁した上杉の大軍が迫っているのを発見
します。
驚きと共に、不意を衝かれ大混乱に陥る武田軍。
十年間の恨みを晴らす為、剣を研ぎ磨いてきた
謙信は、信玄に切りつけたのです。
信玄は刀を抜く間もなく、軍配で防ぎます。
信玄は間一髪で危機を脱します。
謙信は又しても、宿敵信玄を撃ち漏らしてしま
いました。

と、大体この様な感じでしょうか??

この漢詩のサブタイトルは『不識庵機山を撃つ
の図に題す』と言うのですが、不識庵は謙信で
機山は信玄の法名なのです。

この短い漢詩の中に、妻女山から下った上杉軍
が武田軍と戦い、信玄と謙信の一騎打ちの様迄
見事に表現していると思いませんか??
川中島の戦いから200年位経っているのに、リア
ルタイムで見ている様な詩が書けるのですから、
頼山陽はやっぱり天才なのです

個人的には、信玄・謙信の一騎打ちは考えられ
ないと思っていますが、もし似た様な事があった
とすれば、何ともロマンをかきたてられてしまいます
歴史好きの性でしょうかね
歴史に「もしも」は無いと云いますが、「もしも」
を想像するのが歴史の面白さだと思っている僕なのです

コメント (10)
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