昨日(12月6日)、TOEIC のリスニング&リーディング試験が実施された。従来は1年に10回のペースで開催されていたものが、今年はコロナ騒ぎで、1月を最後に中止され、9月に再開したものの席数が限られた為、今回は抽選制となった。席数を増やす工夫として、午前と午後の2回体制に変更されたのもあり、私の席も取れて、午後の部となった。
今年起きたコロナ騒動とは、一体何だったのだろうか。この TOEIC 運営側だけをとってみても、中止,席の削減,運営コストの増大と、多大な影響を蒙っている。この Covid19 については言いたいことも多いが、いずれ稿を改めて論じたい。
それはさておき、今回の試験の話に戻る。このリーディング試験において、私は初めて、業界用語でいうところの「塗り絵」をしないで済んだ。塗り絵とは、回答時間が足りずに、マーク・シートをただ適当に塗りつぶすことを意味する。TOEIC はリスニング45分と、リーディングの75分を連続して実施される。午後の部の17時02分の終了時刻に対し、私は17時01分に全回答を終えられた。パート5と6の短文問題では所々あやふやな箇所があり、パート7の長文でも、時間をかければ正答できそうな問題を勘で記入してしまった所が少しあるにしても、おそらく自己最高点には達したであろう。このように、リーディングはまあ良かったにしても、問題はリスニングである。
パート1では写真を見て、その内容を問う問題が6題出る。その中には、「これはサービス問題か!」言いたくなるような易しい出題もあるので、このパートを苦手にしている方は少ないであろうが、なかなかどうして、完了形と進行形,時制と助動詞の働き,そして各語彙を正確に聞き取らねば正答できない問題もあるので、案外に難しいのである。今回も1問、私は正答できなかったと思う。
そういえば今回のこのパート1で、設問には直接関係はしないものの面白い写真の出題があった。ある作業台のような場所に、電子レンジのようなものが2台積み重ねられている場面だ。これは、かなり以前に似たような写真の問題が出たことがある。その時の電子レンジはふたつならず、いくつもの台数が積み上げられていて、その状況が英文で、「テーブルの上には電子レンジが積み重ねられています」のように読み上げられて、「どんな状況だい!」と思わず私は心の中でツッコミを入れて吹き出しそうになったことを、偶然同じ会場だったことも相俟って思い出した。
パート1の話はこの程度でいいとして、今回難しかったのはパート2である。これはひとつの短い質問に対して、3つの回答から適切な受け答えを選ぶ、というものであるが、以前は文頭の “When” や “Where” 等の疑問詞に注意していれば、文全体の意味は聞き取れていなくても、ある程度の正答はできたものである。しかし、敵もさる者で、私のような「擬似」リスニング高得点者を排除するために、質問に対して直接には答えない設問が増えているように感じた。例えば、最新の『公式問題集6』から拾ってみると、
(1)
Q. When will you be finished reading that training manual?
A. There’s another copy on the shelf.
(2)
Q. This is where the leadership training is being held, right?
A. I had trouble finding the room, too.
のように、たしかに他の選択肢と比べれば正しさが多い答えであることは認めるが、質問に対して直接に答えないのは、ある文脈があってのことならともかく、一問一答の場面で、日常では起こり得る可能性は少ないのではないか、という疑問が湧く。それよりも、語彙の豊富さや、紛らわしい文法への深い知識を問うけれども、質問に対してはひとまず答える、という方向にパート2はこれから向かってほしい、と思った。更に(2)に至っては、“where” を疑問詞ではなく、関係詞として使うような手の込みようである。
パート3と4の長文聞き取りは、何と言っても訓練の量がいちばん素直に出る箇所であろう。
ここまで、やや細かに TOEIC の各内容を見てきたのには意味があるのである。どの分野の試験勉強にも言えることであるが、TOEIC のような語学は特に、学習機関や講師にお金と時間を多く使える人の方が有利であるのは確実である。しかしある点数迄なら、仕事が忙しかったり、お金を殆ど投入できない人でも、やり方によっては、TOEIC での結果を出せると確信するようになった。その「ある点数」とは、具体的にいうと800点である。
ここからが「ビジネス・プラン」なのであるが、私の講座では、お金と時間を存分に投入できる人は対象にはしない。そういう人たちは「勝手にやって下さい」という感じである。しかし、そうではない人たちの中にも、英語の上達を潜在的に望んでいる人の数は多い筈だ。だからその層に向けて、全十回の講座を開講する、というのがひとつ目のプランだ。この講座の最大の特徴は、第1回目に「日本語」のテストを行うことである。あまりにも当然なので忘れられがちであるが、母国語で答えられない問題を、外国語でできる筈がない。テストの問題としては、著作権的に可能がどうか分からないが、『公式問題集』の日本語の解答欄から抜粋して構成する。それと同時に、「発音記号」の学習にも力を入れる。日本語の「仮名」には体系があるように、英語の発音記号にも、明確で厳然とした体系があるのを知って、私は感動した。これを多くの人と共有したい。私は中学校の時の英語教師に「発音記号を教えてほしい」と頼んだが、その人は「学習指導要領に書いていないから教えない」と言った。これはおかしな話で、日本語の仮名に相当するのが英語の発音記号なのだから、「教えない」などと言うのは論外であり、逆に、最も力を入れるべき事項なのだ。「日本語テスト」と「発音記号の習得」は一見回り道にも思えるが、実は王道なのである。そして、最初の「日本語テスト」の結果を見て各人に向けて学習プランを立て、全十回の講座の間に、TOEIC の得点が向上する楽しさを味わってほしいと思う。昔はちんぷんかんぷんであった英語のツイート等が、ある意味の塊として立ち顕れてくるのは、やはり嬉しいものである。
以上が「ビジネス・モデル①」の、『TOEIC十回講座』である。
(モデル②と③は、明日以降順次アップ予定)
今年起きたコロナ騒動とは、一体何だったのだろうか。この TOEIC 運営側だけをとってみても、中止,席の削減,運営コストの増大と、多大な影響を蒙っている。この Covid19 については言いたいことも多いが、いずれ稿を改めて論じたい。
それはさておき、今回の試験の話に戻る。このリーディング試験において、私は初めて、業界用語でいうところの「塗り絵」をしないで済んだ。塗り絵とは、回答時間が足りずに、マーク・シートをただ適当に塗りつぶすことを意味する。TOEIC はリスニング45分と、リーディングの75分を連続して実施される。午後の部の17時02分の終了時刻に対し、私は17時01分に全回答を終えられた。パート5と6の短文問題では所々あやふやな箇所があり、パート7の長文でも、時間をかければ正答できそうな問題を勘で記入してしまった所が少しあるにしても、おそらく自己最高点には達したであろう。このように、リーディングはまあ良かったにしても、問題はリスニングである。
パート1では写真を見て、その内容を問う問題が6題出る。その中には、「これはサービス問題か!」言いたくなるような易しい出題もあるので、このパートを苦手にしている方は少ないであろうが、なかなかどうして、完了形と進行形,時制と助動詞の働き,そして各語彙を正確に聞き取らねば正答できない問題もあるので、案外に難しいのである。今回も1問、私は正答できなかったと思う。
そういえば今回のこのパート1で、設問には直接関係はしないものの面白い写真の出題があった。ある作業台のような場所に、電子レンジのようなものが2台積み重ねられている場面だ。これは、かなり以前に似たような写真の問題が出たことがある。その時の電子レンジはふたつならず、いくつもの台数が積み上げられていて、その状況が英文で、「テーブルの上には電子レンジが積み重ねられています」のように読み上げられて、「どんな状況だい!」と思わず私は心の中でツッコミを入れて吹き出しそうになったことを、偶然同じ会場だったことも相俟って思い出した。
パート1の話はこの程度でいいとして、今回難しかったのはパート2である。これはひとつの短い質問に対して、3つの回答から適切な受け答えを選ぶ、というものであるが、以前は文頭の “When” や “Where” 等の疑問詞に注意していれば、文全体の意味は聞き取れていなくても、ある程度の正答はできたものである。しかし、敵もさる者で、私のような「擬似」リスニング高得点者を排除するために、質問に対して直接には答えない設問が増えているように感じた。例えば、最新の『公式問題集6』から拾ってみると、
(1)
Q. When will you be finished reading that training manual?
A. There’s another copy on the shelf.
(2)
Q. This is where the leadership training is being held, right?
A. I had trouble finding the room, too.
のように、たしかに他の選択肢と比べれば正しさが多い答えであることは認めるが、質問に対して直接に答えないのは、ある文脈があってのことならともかく、一問一答の場面で、日常では起こり得る可能性は少ないのではないか、という疑問が湧く。それよりも、語彙の豊富さや、紛らわしい文法への深い知識を問うけれども、質問に対してはひとまず答える、という方向にパート2はこれから向かってほしい、と思った。更に(2)に至っては、“where” を疑問詞ではなく、関係詞として使うような手の込みようである。
パート3と4の長文聞き取りは、何と言っても訓練の量がいちばん素直に出る箇所であろう。
ここまで、やや細かに TOEIC の各内容を見てきたのには意味があるのである。どの分野の試験勉強にも言えることであるが、TOEIC のような語学は特に、学習機関や講師にお金と時間を多く使える人の方が有利であるのは確実である。しかしある点数迄なら、仕事が忙しかったり、お金を殆ど投入できない人でも、やり方によっては、TOEIC での結果を出せると確信するようになった。その「ある点数」とは、具体的にいうと800点である。
ここからが「ビジネス・プラン」なのであるが、私の講座では、お金と時間を存分に投入できる人は対象にはしない。そういう人たちは「勝手にやって下さい」という感じである。しかし、そうではない人たちの中にも、英語の上達を潜在的に望んでいる人の数は多い筈だ。だからその層に向けて、全十回の講座を開講する、というのがひとつ目のプランだ。この講座の最大の特徴は、第1回目に「日本語」のテストを行うことである。あまりにも当然なので忘れられがちであるが、母国語で答えられない問題を、外国語でできる筈がない。テストの問題としては、著作権的に可能がどうか分からないが、『公式問題集』の日本語の解答欄から抜粋して構成する。それと同時に、「発音記号」の学習にも力を入れる。日本語の「仮名」には体系があるように、英語の発音記号にも、明確で厳然とした体系があるのを知って、私は感動した。これを多くの人と共有したい。私は中学校の時の英語教師に「発音記号を教えてほしい」と頼んだが、その人は「学習指導要領に書いていないから教えない」と言った。これはおかしな話で、日本語の仮名に相当するのが英語の発音記号なのだから、「教えない」などと言うのは論外であり、逆に、最も力を入れるべき事項なのだ。「日本語テスト」と「発音記号の習得」は一見回り道にも思えるが、実は王道なのである。そして、最初の「日本語テスト」の結果を見て各人に向けて学習プランを立て、全十回の講座の間に、TOEIC の得点が向上する楽しさを味わってほしいと思う。昔はちんぷんかんぷんであった英語のツイート等が、ある意味の塊として立ち顕れてくるのは、やはり嬉しいものである。
以上が「ビジネス・モデル①」の、『TOEIC十回講座』である。
(モデル②と③は、明日以降順次アップ予定)